| 猫本。山ほどありますが、まぁ敢えてあまりそれらしくないものを。ちょっと注目していただきたいのは、本のカバー絵。なかなかイイですよね。さすがに絵になる生き物。しかし、世は犬バヤリ。 関連項目→キティちゃんつながり、犬つながり、羊つながり、クマつながり、猿つながり、ブタさんつながり、トラつながり
 ▼おはこ。  「ジェイムス・ジョイスを読んだ猫 講談社文庫」 (高橋源一郎/講談社)
 
  源さんの文芸評論雑文集。
 これはもう十八番です。
 →高橋源一郎の著作在庫を検索する
 
 ▼あなたの猫のIQは?  「ネコのI.Q.テスト」 (E・M・バード/ダイナミックセラーズ出版)
 
  一時、書店によく並んでいましたね。
 興味津々だったんですけど、10年ばかり前から、
 我が家には猫がいないんです。
 代わりに小鳥がいますよ。
 
 さて、このIQテストの結果が知りたいな。
 祖父母の家の猫でやろうかな。
 →テスト付きつながり
 ▼猫バカ大集合。  「私の猫ものがたり」 (小泉喜美子・水森亜土・谷山浩子・タモリ・伊藤比呂美他/集英社)
 
  '80年から'82にnon-noに掲載された著名人の猫話を
 収録した本です。
 というワケで、著者が異常に豪華な本。
 中村紘子・小泉喜美子・水森亜土・犬養智子・
 堀内美紀・下重暁子・白石冬美・森ミドリ・小坂恭子・
 檀ふみ・熊井明子・長嶺ヤス子・塩田丸男・谷山浩子・
 荒木一郎・山本コウタロー・所ジョージ・来生たかお・
 羽仁未央・ロバート・ホワイティンング・高橋洋子・清川妙
 遥くらら・F.モレシャン・吉原幸子・長田弘・南伸坊・赤塚不二夫・伊藤比呂美・
 小沢昭一・大地真央・原田治・岸田衿子・川本三郎・タモリ・岸本加世子。
 →すごいメンバーつながり
  「私の猫ものがたり 集英社文庫」 
  文庫版を入荷しました。
 収録されている人々は上記と同じです。
 豪華メンバー。
 
 ▼ホラーの名脇役。  「猫に関する恐怖小説 徳間文庫」 (仁賀克雄編訳/徳間書店)
 
  サキ、ブラム・ストーカー、ル・ファニュ、ブラウン、
 デ・ラ・メア、ラヴクラフト、クイーン他全15編。
 
 ドラキュラのブラム・ストーカーとル・ファニュが入ってるあたり、
 ホラーと猫の切っても切れない関係を思わずにいられません。
 →ドラキュラつながり
 ▼題だけ、だけど。  「猫だって夢を見る」 (丸谷才一/文藝春秋)
 
  題だけが猫です。
 名手丸谷才一のエッセイ36篇。
 読みやすくて美しい文章、の代表選手みたいな人の手になるエッセイ。
 ちょっとだけと思っても、ついつい読みふけってしまいます。
 最近人気の吉川英治の宮本武蔵、著者は嫌いのようで、
 「宮本武蔵」論を展開しているのですが、これが非常に笑えます。
 すごくセコイ推論(失礼)なんだけど(笑)。
 ▼珠玉のネコ短篇集。  「ネコ・ロマンチスム」 (吉行淳之介編/青銅社)
 
  これは意味のある短篇集ですね。
 好きな作家の読んだことのない佳作
 (金井美恵子「海のスフィンクス」)も収録されてるし、
 ずっと昔に読んで気になってた著名な短篇(梶井基次郎「愛撫」)もある。
 普段読まない作家の短篇も、猫モノなら読んでみるかってことになるしね。
 
 梶井基次郎「愛撫」の、
 猫の耳を切符きりでパチンとやってみたかったってところ、
 文学史上に残る猫描写でしょう。
 →唸る短篇集ランキング
 ▼なんで日本図書協会選定図書なんだろう?  「ネコたちをめぐる世界」 (日高敏隆/小学館)
 
  動物行動学者の著者のネコをめぐるエッセイ。
 ネコのおかしな行動について語られていて、
 「あー、そうそう、そういうことするよね」と一度でも猫を飼ったことのある人ならほほ笑みながらうなづくはず。
 学者さんだけあって、さりげない内容の中にも、
 科学的根拠による推測や識者の言葉の引用がまざっていることもあり、
 発見もあります。
 わたくし、じつは猫派でも犬派でもなく、小鳥派なのですが、
 2ページごとに掲載されてる猫グッズの小さな写真に心奪われました。
 かわいいです。
 
 中に「ネコとドア」という章があり、無論、ネコがドアを開けてくれとせがむっていう内容。
 すかさず、「夏への扉でっしゃろ!」と思ったわたくしですが、
 そこには触れられていなかったので、おせっかいにも
 著者に教えたくて仕方がなくなりました。というわけで→
 ▼ピートはどうなったのか?  「夏への扉 ハヤカワ文庫SF」 (R・A・ハインライン/早川書房)
 
  なんか頼りない男主人公、女にだまされて仕事もだめになって傷心。
 この現代におさらばしたくて冷凍睡眠することにする。
 それはもう語り継ぎたい面白さ。なんだけどさ、
 わたしがしょっちゅう読み返すのは、冒頭部分です。
 猫のピートが冬になるといつも夏への扉を探すというあのくだり。
 家にあるいくつかのドアのうち、どれか一つくらいは夏につながっているに
 違いないと考えて、ピートは主人公にドアを全部開けるようにせがむ。ってところ。
 いいじゃありませんか。んー、身悶えしたいくらい、いい。
 ここですでに100点。
 ところで先日、母親にその話をしていたら、
 「あらー、面白そうね。で、ピートはどうなるの?」って言われて
 答えられなかった自分がひどく情けなかったです。
 これだけ人にすすめといて、覚えてないんか?
 たまには全部読み返してみるべき?
 →タイムトラベルつながり
 →扉つながり
 ▼じつは豪華な文庫本。  「ねこの森には帰れない 新潮文庫」 (谷山浩子/新潮社)
 
  谷山浩子の88曲の詩と、童話とエッセイのつまった文庫本。
 挿絵が入ってるのですが、
 内田善美、吾妻ひでお、ますむらひろし、大島弓子などなど、
 少しずつだけど豪華じゃない?
 中でも、大島弓子さんの挿絵の章の「ぜいたくな恋をしたい」ってエッセイが、
 もうね、その通りでござる!って内容。
 「恋愛でいちばんおいしいのは、"A"に行きそうで行けない、
 いちばん最初のほうの、モヤモヤッとしたあたりなのだ。若いモンはそれを知らない。」
 あー、まったくね。お説ごもっとも。全面的に賛成。
 彼女曰く、相手の気持ちが確かめきれなくて、グズグズ思い悩んだ末、電話してみる。
 「カチャ。もしもし…」、いきなり相手が出ちゃう。この「カチャ。もしもし」の瞬間より輝かしい瞬間が恋の中にあるか?ってさ。
 おぅ。私もそう思うよ。
 永遠の少女とか言われてた著者の、意外に恋愛エキスパートな一面が垣間見えました。
 さて、彼女の著作は他にもたくさんありまして、なんとコバルト文庫でも、
 「コイビトの耳はネコのみみ!」なんていう作品を残しています。
 →ミニ特集・コバルト文庫
 ▼かわいすぎ!  「かぜのタマサブロー」 (武田薬品)
 not for
        sale
 かわいいですよね。
 タマサブローってところがほほえましくていいです。
 でも読んでみると、
 風邪をひきやすいところにいるいたずらなネコみたいで、
 読みようによっては風邪の元凶です(笑)。
 個人的に秘蔵したいミニ絵本。
 →企業つながり
 ▼お色気ムンムン。  「キャッツ・アイ全10巻」 ※7巻と10巻のカバー欠 文庫版
 (北条司/集英社)
 
  なんだかなつかしーですね。
 フィクションの中では、
 泥棒はとにかく私の憧れの職業だったものですから(笑)、
 一生懸命見ていました。
 おまけに美人ですし。
 颯爽とした男勝りの美女に憧れたもんです。
 時を経て改めて読んでみると、毎話カラっとした展開の小話風でして、ちょっと意外でした。
 →泥棒つながり
 ▼猫が解く!  「猫たちの聖夜」 (アキフ・ピリンチ/早川書房)
 
  ドイツ・ミステリ大賞受賞、ベストセラー、世界でもベストセラー。
 輝かしい経歴を読んで、あ、そっか。ドイツなんだー。と、膝を打ちました。
 雰囲気あります。
 きっちり書かれた、静かな作風。知らず高まるワクワク感。
 
 「猫の事件は猫が解く!」というわけで、
 知的で生意気な雄猫フランシスが、猫殺し事件を調査。
 猫探偵、他にも2、3浮かびますが、新しいものをお求めの方に。
 (文庫化されていますが、当店在庫は単行本)
 ▼選び方の勝利。  「猫のミステリー傑作選 河出文庫」 (鮎川哲也編/河出書房新社)
 
  なかなか楽しい猫ミステリアンソロジーです。
 収録作は、
 檸檬色の猫がのぞいた(都筑道夫)、乳房に猫はなぜ眠る(川島郁夫)
 猫に卵(津井つい)、愛の記憶(南部樹未子)
 三毛猫ホームズの幽霊退治(赤川次郎)、猫(角田喜久雄)
 猫じゃ猫じゃ事件(土岐雄三)、猫の手紙(岡沢孝雄)
 猫つきの店(新田次郎)、猫騒動(藤枝ちえ)
 「風邪ひき猫」事件(日影丈吉)。
 
 津井ついって誰ぞ?と思ったら、やっぱり「御本人、または御存じの方、連絡を」って
 書いてあります。
 
 →ミニ特集・河出文庫のアンソロジー
 ▼愛!  「チミ」(鈴木タカオ/ポプラ社) 
  絵本です。
 S・シルヴァースタインの『Giving
        Tree』って絵本を思い出しました。
 
 あの名作『Giving Tree』と根底に流れるものは同じですが、
 『チミ』はアプローチの仕方がダイレクト。わかりやすい。
 お子様にはむしろ、『Giving Tree』を与えて、
 考える力と感受性を養い、
 大人は『チミ』を読んでいやされるのが良いかもしれません。
 大人には、『Giving Tree』は胸に痛すぎますもん。
 『チミ』のラストでホッコリウルウルするのが、お疲れ気味の大人向きなんです。
 (極私的見解)
 ▼猫ミス、集大成?  「猫の事件簿シリーズ1〜5(猫の事件簿、貴婦人のペルシャ猫、魔女のオレンジ猫、宝石商の猫、猫が消える町) 二見文庫」 (二見書房)
 
  猫ミステリー集です。よくこれだけ出しましたよね。
 うちの在庫は第5弾までですが、6も出てますよ。スゲー。
 カバーがあんましキュートじゃないのが不満と言えば不満。
 でも中身は猫たっぷり。猫フリークはきっと満足できるはず。
 
 私のオススメ猫ミス(?)、
 「シンシア叔母さんのペルシャ猫」(モンゴメリ)も入れてほしいです。
 
 →ミニ特集・名アンソロジー
 ▼なかなかやるね。  「お気に入りの猫物語 世界の猫文学10選」 (DHC)
 
  この本ね、軟派な見かけのくせに、中身は硬派。
 なかなかやってくれる猫アンソロジーで感心しました。
 キャロルのチェシャ猫(抄)。
 サキの「おしゃべりな猫」、コレット「のっぽ猫」、ゾラ「これが猫のパラダイス!」、
 チェーホフ「臆病なのは誰のせい?」など、手堅い10編収録。
 
 そしてかわいい猫写真も多数。これは軟派です(笑)。
 ▼猫好き大喜び。  「きみは猫である」 (マグダ・レーヤ 米川和夫・左京久代訳/晶文社)
 
  はぁ、かわいい〜。
 カバー、挿絵、共に和田誠さん。
 特に挿絵がイイ。イイって!
 章ごとにさりげなく入れてあります。えへへ。
 今でも売れるのか、現在、新刊でも流通中です。
 新刊で買って猫好きにプレゼントしたら絶対喜ばれると思う!
 「こころあたたまる、ワルシャワのささやかな一つのお話です(あとがきより)」。
 
 「ふうがわりで おぎょうぎのいい こねこ
 泣く泣くゆずります
 ねこずきのやさしいかたに!」
 うーん、わかるわかる。
 ▼よい読書。  「だれも猫には気づかない(単行本版)」 (アン・マキャフリー 赤尾秀子訳/東京創元社)
 
  かなりオススメ。著者はファンタジー界の巨匠です。
 猫好きで、最近つまんないからさ、気持ち良く本でも読みたい、
 いいのないかなぁ、などとお考えのかたにはぴったり。
 かわいーくて賢い猫も出てくるし、物語としてもほのぼの楽しいです。
 
 ある国の賢明な老摂政がなくなり、彼の飼っていた猫が残りました。
 領主は、男前だけど、ちょっと血気盛んで短慮なところもある、カワイイ若者なので、
 今までは摂政がいろいろと教育していたのです。
 でもこれからは? これからはね、猫がね…。えへへ。
 
 オナゴとしては領主さまの魅力も捨て置けない感じです。
 「猫好きのための中編ファンタジー」。
 ※流通中。文庫版も出ています。
 ▼人譽、絶体絶命。  『人譽幻談 幻の猫』(伊藤人譽/龜鳴屋)
 A5変形(110×190) フランス装 総360頁表紙写真 武田 花
 頒価¥3230(税・送料込)
 穴の底/雪仏/幻の猫/シメシロ/乳鋲/髪/猫の餌/瓶の中の指
 メルマガでも御紹介しました。全8編。それぞれカラーは違えど、いろいろとピンチな話です。
 ※HoneyBeeBrandは龜鳴屋の販売窓口(の一つ)となっています。定価ですが、新品です。龜鳴屋で注文していただくのと、まったく同じです。 ▼ひとあじ違う。  「武田花写真集 猫・陽のあたる場所」 (武田花/現代書館)
 
  素人目にも、その差歴然。だと思いました。
 私、写真のことなんてまったくわかんないけど、この猫写真は、
 世にあふれるかわいいだけの猫写真とは違ーう。
 道行く野良猫たちの姿を激写。
 写し取ってるんです、猫の思いと人生を。
 人生がある猫写真。
 
 武田花さんの猫、と言えば、恐らくツウな方はよく御存じなのであろうと思われますが、私が知ったのは、じつは上記(↑)、龜鳴屋さんの『幻の猫』の表紙写真がきっかけでした。
 ▼ファンタジーな猫。  『テイルチェイサーの歌 ハヤカワ文庫FT』 (タッド・ウィリアムズ/早川書房)
 
  じつは私、SFのほうがファンタジーより得意でして、
 猫SFや猫ミステリーには時々出会うのですが、猫ファンタジーはあんまり出会わないなぁと思っておりました。んー、上記の『だれも猫には気づかない』くらいでしょうか。
 というわけで、物足りなく思ってらした猫好き、ファンタジー好きの方、これ、いいんじゃないでしょうか? いかが?
 
 「ぼくの名はテイルチェイサー。偉大なる猫一族の末裔。これといった取柄もない平凡な猫。そんなぼくに大きな異変がおとずれた。ほんの何日かの間に愛しい牝猫ハシュパッドを含む数匹の仲間が、前ぶれもなしに行方をくらましたのだ。集まった長老たちは自力で解決する方法を見いだせない。業を煮やしたぼくは、ひとりハシュパッド探索の旅に出ようと決心した。だが森へ足を踏み入れたぼくを待ち受けていたのは、地上制覇をもくろむ邪悪な存在だった。…伝承の歌に彩られた猫族の世界を舞台に若き英雄の成長をみずみずしく謳い上げる傑作冒険譚!(あらすじより)」
 ▼カラーページもある。  「猫のヤーコプの誕生、猫のヤーコプのすてきな冒険、猫のヤーコプの大恋愛 3冊セットで CBS・ソニー文庫」(トーマス・ヘルトナー:作 スヴェン・ハルトマン:絵 犬養智子訳/CBS・ソニー出版) 
  文庫版です。
 しかし、開いてみればニッコリ。
 ちゃんとカラー挿絵のページもあります。CBSソニーえらいね。
 
 人間と暮らしてやってるというヤーコプの生活。人生。
 かわいいような、かわいくないような、
 態度も絵も微妙です(笑)。
 酸いも甘いも噛み分けた猫好きの方に。
 ▼知らなかった。  『キャッツ ちくま文庫』 (T・S・エリオット 池田雅之訳 ニコラス・ベントリー挿絵/筑摩書房)
 
  知らなかったなぁ。ミュージカルのキャッツの原作はこんな話だったのかぁ。
 ノーベル賞詩人の書いたナンセンス猫詩集。戯れ歌集ですって。そうだったのか。
 よろしゅうございます。猫群像の中に、人生があるのです。
 キラッと光る猫たち。
 じつはミュージカルも見てないワタクシですが、俄然興味が出て来ましたよ。
 
 文庫の挿絵もカラーなのが嬉しいです。できればもっと、キュートな造本で見たかった気もいたしますな。
 ▼参りました。  「猫の文学散歩 朝日文庫」 (熊井明子/朝日新聞社)
 
  いつもその幅広さに感心する熊井明子さんなんです。さすがです。
 もう、ウチの猫つながりは読まなくていいので、
 この本を読んでください、って感じです。ちぇー(笑)。
 小説に出てくる猫と、その著者と猫の関わり。
 古今東西、あの人もこの人も。
 ※新刊でも¥744で流通中。
 ▼綿の国星ファンに。  「ちびねこ おひさまのほん」 (大島弓子/小学館)
 
  名作少女漫画『綿の国星』のちびねこの絵本。
 相変わらずカワイイよ、ちびねこ。
 私はこんなに大きくなったけど、お前はかわんないね。
 
 できれば、もっと落ち着いた、もっとお金をかけた装丁で出して欲しかった…!
 せっかく大島弓子でせっかくちびねこなのに。
 倍くらいの定価でも買うオナゴが世の中にはいっぱいいますよ。
 いや、同じ値段でももっともっと良い装丁にできたはずだ〜。
 
 何はともあれ、昔に帰れる47ページ。全カラー。
 →大島弓子の在庫を検索する
 ▼またファンタジーな猫。  『王様オウムと野良ネコの大冒険 ハヤカワ文庫FT』 (アルジャナン・ブラックウッド 相沢次子訳/早川書房)
 
  ほんとに猫はファンタジーともSFともミステリとも相性がいいんだな、と感心しますね。
 あまりにも冊数が増えたら、ミニ特集にして、さらにジャンルを分けなければならないかも。
 
 こちらは、怪奇小説で名高いブラックウッドさんの珍しいファンタジー。
 「ケント州の大富豪の屋敷に2匹のならず者が飼われていた。1匹は、威厳に満ちて知性のある上品な王様オウム。もう1匹は、本能のままに生きる無教養で節操のない野良ネコだった。オウムとネコ、本来ならば天敵同士のこの2匹、自然の気紛れにより、すこぶる仲がよい。仲がよすぎてこの2匹、「出かけようぜ」の一言で、手に手を取ってあてのない冒険の旅に出た。行先は、とりあえずロンドンときめたものの、それには汽車に乗らねばならない。そこで2匹は、珍妙な策を弄するが…。怪奇幻想小説の大家として知られるブラックウッドの異色作(あらすじより)」
 →ミニ特集・どんな旅に出る?
 ▼か、か、か、かわいすぎ。  「ねずたんとねこたん(絵本) ※カバー無 ※送料無料」 (河野一郎:文 佐々木マキ:絵/講談社)
 
 ねずたんって。ねこたんって。
 キュー。悶えます。
 かわいすぎでしょ。
 
 ほんとに仲の良いトムとジェリーです。
 ねずたんとねこたんが一緒に飼ってもらえるようにがんばります。
 かわいい話が、佐々木マキさんの絵で、かわいくてププッと微笑む話に仕上がっていますよ。好きだなぁ。
 
 佐々木マキさんが、こういう変身系を描く時の、
 容赦なくとぼけた感じ、たまりません。
 →他にこんなのもありましたっけ。
 →佐々木マキの著作在庫を検索する。
 ▼ほんまか?  『ネコの人相学(にゃんそうがく)』 (犬飼新市:文 石川哲司:絵/ダイナミックセラーズ)
 
 動物病院や猫を飼っているお宅を何軒も何軒もまわって集めたデータだそうです。
 ほんとかな〜。
 アイラインがくっきりしているほど健康で元気だとか(日本ネコの場合)、
 目は細長いアーモンド形が標準だけど丸い目ほどおいしいものをいっぱい食べる幸せな人生だとか、横から見た鼻の頭が角張ってなくて丸いほど人にも猫にも人気だとか(いずれもシャムネコの場合)。
 思い当たる節はありますか?
 日本ネコ、シャムネコ、ペルシャネコ、ネコの手相・しっぽ相という章立てです。
 111ページ。さらっと描かれた絵本のような本で、絵が可愛いです(モノクロ)。
 猫好きにはたまらんのでしょうか。
 もしおウチの猫が短命の相でも凹まないでね。
 →占いつながり
 ▼ネタは尽きない。  「ねこ!ネコ!猫!―NEKOミステリー傑作選 徳間文庫」 (山前譲編/徳間書店)
 
  国内猫ミステリー集。
 赤川次郎「保健室の午後」、小池真理子「共犯関係」、加納朋子「猫の家のアリス」、倉知淳「猫と死の街」、柴田よしき「光る爪」、黒崎緑「見えない猫」、仁木悦子「一匹や二匹」を収録。
 いっぱいあって、いつまでもやり続けられそうなネタですね。
 ▼基本で。  『猫 日本の名随筆3』 (阿部昭他/作品社)
 
  どんなテーマでも間違いのないシリーズですね、日本の名随筆。
 テーマに関心のある人や随筆好きはもちろんですが、
 アンソロジー好きとしても、いつも収録作品リストをしげしげ見ては感心する、
 見逃せないシリーズです。
 
 テーマ「猫」でも、居て当然の人々とそうとは知らなかった人々がたくさん。
 内田百閨A金井美恵子、熊井明子、鴨居羊子。
 谷崎潤一郎、室生朝子、大仏次郎、柳田国男、金子兜太。…。
 
 巻頭詩が寺山修司なのが個人的に嬉しいです。
 「猫…長靴をはかないときは子供の敵」だって。そうかな?
 ▼現代版『吾輩は猫である』(帯より)。  「あくび猫」 (南條竹則/文藝春秋)
 
  未読ですが、気になってます。
 「飼い猫「チビ」が語る、ご主人様と奇人達の愉快な日常。
 古今東西の薀蓄と美味、珍味に彩られた現代版『吾輩は猫である』」(帯より)。
 
 美味、珍味〜!
 読んだら、「本に出てくるおいしい食べ物」のほうで紹介しますね。
 ▼エプロンをした猫。  「きょうの猫村さん 1」 (ほしよりこ/マガジンハウス)
 not for sale(愚弟のです)
 インターネット連載で話題になったマンガ。
 2005年に1巻が出ました。
 猫村さん、今どうしてるんだろ?
 
 エプロンをした猫。猫のお手伝い。猫村さんがキュートです。
 昔の飼い主「ぼっちゃん」がくれたエプロン(NECOって書いてある)をして、
 猫村さんは今日も精一杯働きます。
 真心こもった働きぶりです。
 でも、「家政婦は見た!」的になることもあります。
 
 楽しかったのに、今まで忘れていました。ちょっと動向を探ってみようかな。
 →エプロンつながり
 ▼いちいち面白い。  「あのひの音だよおばあちゃん フレーベル幼年どうわ文庫20(絵本)」(佐野洋子:作・絵/フレーベル館) 
  佐野洋子さんは、いったいどれだけ傑作を残せば気が済むのでしょうか。すごいなぁ。
 もちろん一番の大傑作は、『100万回生きた猫』だと思いますが、あれが「号泣絵本」なのに対して、本書は「おかしくておかしくて、ちょっとだけホロっとする」絵本だと思います。
 いちいち笑えるんです。ページをめくる度に面白い展開があるし、後で思い出して想像するとまたおかしい。
 猫とおばあさんが二人で暮らしている家。雪の晩。何もすることがなくて、猫はおばあさんにお話をせがみます。猫がこの家の猫になった日の話を。
 おばあさんによると、それも雪の日で、大きな黒い豚が自転車に乗ってやってきたんだって。カッチャンコ、ギッチンコ。豚が。自転車で。なんで?と思うとおかしいし、絵も愉快。それから、豚に「猫をもらってくれ」と言われて「猫は嫌いです」と言った、というくだりで、聞いていた猫が泣きそうになるのも面白い。全体に猫とおばあさんの会話がたくさんあり、それがとても微笑ましいのです。
 ちょうどそこへ、あの日と同じ自転車の音をさせて豚がやってきます。今度の猫は「特別な猫」だそうで…(今いる猫は普通の猫なんですけど)。
 久しぶりに何度も絵本を読みました。ぜひ、お子様に読んであげてほしい傑作です。
 →自転車つながり
 →ブタつながり
  ▼ネタは尽きないなぁ。
  「猫文学大全」 (柳瀬尚紀編訳/大和書房)
 
  猫アンソロジーも何冊目?
 ネタは尽きないなぁ。
 やっぱ犬より猫なんじゃないの〜? と思います。
 
 子猫(オグデン・ナッシュ)
 ネコ君の職探し(テッド・ヒューズ)
 猫の教訓(オールダス・ハックレー)
 ウェブスターの物語(P・G・ウッドハウス)
 矮小なる獅子、或は猫(ウィリアム・サーモン)
 白猫(W・W・ジェイコブス)
 動物園にて(マーク・トウェイン)
 嫉妬ぶかい猫(ジャイルズ・ゴードン)
 ひとり歩く猫(ラドヤード・キプリング)
 そこで何してきたの?(ハーヴィ・ジェイコブス)
 トバモリー(サキ)
 まずいと思ったら毛づくろい(ポール・ギャリコ)
 猫の占星術(アン・カーラー)
 猫とバイオリン(ロイ・フラー)
 自由への道(ジャン=ポール・サルトル)
 アミの猫(稲川方人)
 他に…「タマや」(金井美恵子/講談社)・「ノラや」(内田百閨j
 「黒猫」(E・A・ポー)
 「一人で歩いていった猫」(大原まり子/早川書房)
 『百万回生きた猫』(佐野洋子)
 
 2010年3月現在、私のお風呂本は「麗しのオルタンス 創元推理文庫」です。
 猫がキーですよ。
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