誰が言っていたのか忘れましたが、「物語中に出て来る占い、予言は必ず当たる」。
そう、その通りですよね。本質的に当たらないと、物語に登場する意味がありませんもんね。当たる為に出て来るのです。「(当たり前だけど、)なるほど!」と思って以来、<本に出て来る当たらない占いや予言>を探し求めています。
ここには、印象的な占い師さんや予言をつなげてみました。
あ、古いところでは光源氏も予言されていましたよね。臣下に下るが最高位につくって。当たるのです。
関連して→変わった職業ランキング▼笑えます。
「ラーオ博士のサーカス ちくま書房」
(C・G・フィニー/筑摩書房)
街にサーカスがやってきます。
と言うと、なにやら淫靡な感じ?
と思いきや、さにあらず。
ちょっとね、さらっと説明するのが難しいですが、
知的なクスリ笑いに満ちたファンタジー。でしょうか。
多少、通(ツウ)な感じもいたしますが、ワクワクーとすること間違いナシ。
訳者あとがきも、その面白さを伝えるのに随分苦心している様子。でも、
「この小説を最後まで読む暇のない読者は、
まず年齢二千歳の魔法術師アポロニオスと未亡人ミセス・ハワード・T・キャサンの
会見のくだり(107ページ)を読んでみたまえ。」
こんな優しいことを言ってくれてますから、試しに読んでみると、…笑えました。
アハハーって。
サーカスで未亡人が魔法術師に占いをしてもらうと…。まぁ一度見てみてください。
→魔術師つながり
→サーカスつながり
▼当たります。
「西洋骨牌探偵術 光文社文庫」
(都筑道夫/光文社)
連作推理小説集。
鍬形修二はカード占いを生業とする探偵。
タロットカードでお客の相談事を占いますが、
そこはそれ、当然推理もする結果となりまして…。
相変わらず、著者の持ち味の生きた、鮮やかできれいなトリックの
推理短編集。
関連して?→トランプつながり
▼超名作。
「BASARA フラワーコミックス」
(田村由美/小学館)
ヒロイン、更紗ちゃんの先生たる立場のナギが、予言者さんです。
よく考えると、こういう人を描くのは難しいですよね。
予言者さんは何をどこまで知っているのか?
実際、物語上の重大な秘密をナギは何故更紗に忠告できなかったのか?
と、登場人物に責められる場面で、私もそう思いました。
いつも「それは不吉な兆し」などと意味深な発言をしながら、抑止力足り得ない。
難しい役回りを今思えば、巧く描き切っていましたね。
ま、そんなことは関係なく楽しめる一大冒険ラブロマン。
愛も革命も冒険も、全部アリ!
予言者も海賊もヤクザも王様もお姫様も従者も腹心の部下も、みんな登場!
どうぞお楽しみください。
→じつは女つながり
→海賊つながり
▼単なる星占いではありますが。
「しあわせ星うらない」
(小学館)
あまりになつかしすぎて感涙。
まさにコレ。コレでした。私が昔熟読(笑)していた星占い本は。
あの頃は知らなかったけど、カバー絵は上原きみこ、
口絵は萩尾望都、竹宮恵子他。豪華じゃーん。
私のしし座は気の強そうなヘラの挿絵(竹宮恵子)だったので、
萩尾望都の乙女座に憧れたもんです。
→ミニ特集・ミニレディー百科
他に…
『銀曜日のおとぎばなし』(萩岩睦美)
『20世紀少年』(浦沢直樹)
『竜の眠る星』(清水玲子)
※漫画が多いのは、やはりある種の<手段><狂言回し>として
こだわりなく使いやすいからでしょうか。
小説で使うと陳腐になりがち。難しいですね。
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