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● ミニ特集 男ってヤツは ●
▼メンズ・ライフ?

あ、エッチ系じゃないですよ(笑)。
ダンディズムって、笑っちゃうこともあるけど、素敵なこともあります。メンズ・ライフを彩る、ちょっと素敵な趣味の世界。どうして殿方は、時計やカメラや鞄や車が好きなんでしょう? 古書収集も本来は殿方のご趣味ですよね。

関連して→オッサンも昔は少年でした→少年の日

●趣味に生きる、こだわる
▼天ぷらの食い方。

男の作法 ゴマブックス(池波正太郎/ごま書房)

男の作法について、それこそネクタイから香典まで語られています。でも、池波さんがノリノリなのは、やっぱり食べ物の話なの。「てんぷら屋に行くときは腹をすかして行って、親の敵にでも会ったように揚げるそばからかぶりつくようにして食べなきゃ。」なんてね。→詳しくは

▼こだわるねぇ。

男の旅行カバン 河出文庫(くろすとしゆき/河出書房新社)

ちょっと可愛い本ですね。男アイテム(?)の写真がたくさんあるのもうれしいですな。著者はヴァン・ヂャケット(バン・ジャケットじゃないんか!)に入社してKENTを誕生させた、アイビー・トラッド路線の推進者。この本でもメンズ雑誌風のノリで、もう、かくあるべき男のお洒落、メンズライフについて死ぬほど語っています。ハイ。 →鞄つながり

▼こりゃ驚いた。

小島隆雄のドールハウス ミニチュアワークの世界(小島隆雄/学研)

作り手が男性だからでしょうか? コンセプトが珍しいです。ちょっと散らかった自分の部屋のミニチュアハウス。バスケットのゴールがあったり、一面に絵葉書の貼られた壁があったりする、男の隠れ家のミニチュアハウス。住んでみたくなるような、おしゃれな内装の家。 →詳しくは

▼あはは。

ライカ同盟(尾辻克彦/講談社)

傑作カメラオタク私小説。買わないと治らない病気。<中古カメラ病>。安いレンズを買って治っているうちはまだいいけれど…。
そのサマは、右の鹿島茂さんとまったく同じですね。対象は違っても<何かを集めること>の本質は同じなのです。
筑摩で文庫化されましたが、こっちのほうが絶対イイです。装幀が!

▼子供よりも。

子供より古書が大事と思いたい 文春文庫(鹿島茂/文藝春秋)

鹿島茂さんと言えば、「明日は舞踏会 中公文庫」ですね。楽しめる本でした。
本書は、鹿島さんの古書耽溺ぶりを記した本です。その様はまさに病気。人が、あることにのめり込んで行くことの、詳細な記録と申せましょう。
→蔵書家つながり

▼タッタララ〜♪

馬主の愉しみ ランニングフリーと私(藤島泰輔/草思社)

テレビドラマ「やまとなでしこ」ご覧になってました? ヒロインの桜子さんはお金持ち狙い。コンパで男の資産状況を見抜くプロ。究極のお金持ちアイテムは馬主バッヂだって言ってましたよ。馬主、一生縁がないね。皆無。と思っていたら、この御本で思いがけず、実態を知ることができました。著者は学習院出身。皇太子さまのご学友です。やっぱりそういう方が…。 
→馬つながり(作成中)

▼野球にのめりこむ。

ユニヴァーサル野球協会 新潮文庫(ロバート・クーヴァー/新潮社)

冴えない中年の主人公の唯一の趣味は、頭の中の緻密な野球ゲーム。その架空のプロ野球リーグは<ユニヴァーサル野球協会>。ある日、ゲームの中で大事件が起こります。果たしてそれは…?
「愛と優しさに満ちた現代のおとぎ話」(カバーより)筋金入りの野球好きにも。架空の世界にのめり込みやすい人にも。
→野球つながり

イイっしょ?

世界のミニカー 保育社カラーブックス(中島登/保育社)

個人的に車に趣味心はないのですが、これはかわいい。うひょー。欲しい方、必ずおられますでしょー?
こういう愛らしさなら、オナゴも好きです。理解あります。

純粋だなぁ。

自動車コラム大全 1984−1989(家村浩明/双葉社)

当時の車についての、当時の評論。写真入り。車のことはよく分かりませんが、著者の意見はとても分かりやすくて、多分、今読んでも、別に古くもなく、納得できるんじゃないのかなぁ。びっくりするくらい、面白かったです。新鮮で。そんな風に車を見るのか!って。

▼ここまでやる。

スーパー書斎の遊戯術(山根一眞/文藝春秋)

1988年版ですので、電子機器の話になると、名称が古かったりピンと来なかったりもしますが、まぁあんまり関係ないです。書斎にあるもので遊ぶというか、これはどうだ!的な発想の転換で笑わせるという芸風(?)ですから。私は<200円秘書の仕事能力>の章が、非常に楽しかったです。<200円秘書>とは?
※注・いろんな版が出ていますが、これはハードカバーの、ただの遊戯術です。

▼男の夢集合?

こわれた月(たむらしげる/リブロポート)

本ではなく、12枚の絵です。綴じてないので、一枚一枚飾れます。(上の写真は函。)
ぶあつーい紙に印刷されているので、そのままミニイーゼルに乗せれば、飾れます。(乗せなくても、立てかければ立つ位の厚紙です。)
→詳しくは

▼正しい色気。

アラン・フラッサーの正統服装論(アラン・フラッサー 水野ひな子訳/婦人画報社)

写真の男優はもちろん、トルソーにまで漂う清々しいお色気から目が離せません。本来は男性が持ったり、女性が男性のために持ったりすべき実用書なのでしょうが、じつは、高貴・男・正統・セオリー・様式美、そんな折り目正しさの中に、色気を感じる女性の観賞(兼勉強)用かもしれませんな。クス。→詳しくは

▼好きだなぁ。

男の小道具飛び道具 集英社文庫(生島治郎選 日本ペンクラブ編/集英社)

表紙絵もいいっすね!そしてもちろん選者は生島治郎ですか!
万年筆から拳銃まで、男の小道具に材をとった作品のアンソロジー。田中小実昌「耳穴カミソリ」、自転車のある風景「自転車のある風景」、川上宗薫「闘犬オーナーの興奮記」など15編。
→ミニ特集・日本ペンクラブ編

▼あんたも好きだねぇ。

クルマ趣味入門 保育社カラーブックス716(いのうえ・こーいち/保育社)

昭和61年発行、というわけで、今見ると、なんかレトロなデザインの車や本当にクラシックな車の写真が混在しています。
もちろん、私が関心を持って眺めたのは、ミニチュアと、海外のカタログのページ、数ページだけですけども。

▼薀蓄満載。

ブリティッシュ・トラッドのすすめ(林勝太郎/平凡社)

英国の服装、ブリティッシュ・スタイルに関する薀蓄が詰まった本です。
カバーもチェックだぜ。かわいい。
なんと言っても英国トラッドだぜ、他のチャラチャラしたヤツなんか、しゃらくせぇという紳士な方にオススメです。背筋がピンと伸びる本。

▼気持ちはわかるが。

俺はレッド・ダイアモンド ハヤカワ・ミステリ文庫(マーク・ショア 木村二郎訳/早川書房)

主人公は中年のタクシー運転手。妻は美人だけど、口うるさく指図する。仕事にも家庭にもほとほと疲れた! そんな彼の楽しみはパルプ雑誌の収集だけ(パルプ・フィクションってヤツかな?)。中でもレッド・ダイアモンドは彼のヒーローだったのに、妻が売払ってしまう。OH!ノーッ。この気持ちは愛書家としてすごーくよく分かっちゃうんだけど、問題はその後。

キレちゃった彼は、自分がタフガイ探偵レッド・ダイアモンドとなって悪党と戦い、美女を救うため夜の街に立つ!のです。↑上の上の上にある『ユニヴァーサル野球協会』を思い出しましたよ。まったく男ってヤツは、かわいいです。
「現実と妄想のはざまに生きる新ヒーロー登場(あらすじより)」。
→蔵書家つながり
※流通中

▼男グッズ。

愛と哀しみのライカ 講談社文庫(馬場啓一/講談社)

馬場啓一さんと言えば、『ザ・ハードボイルド―ものにこだわる探偵たち』や、『ミステリアスなカクテル―美酒とミステリーの微妙な関係』で、ムードに浸らせるのがウマイ方だなぁという印象を抱いております。
これもそう。
ライカ、ローレックス、ダンヒル、ゼロ・ハリバートン、モンブラン、ダビドフ、クリストフルなどなど、逸品が名指しで登場。
その逸品が毎回小道具、というよりは主役になる、短編集です。「ちょっといい話」でしょうか。
あ、全然イヤミじゃないんですよ。ここは強調したい。ちゃんと「ちょっといい話」になってる。逸品に携わる人々の内緒話をいっしょになって聞いて、ニヤリと訳知り顔で頷いてる気分です。
深夜ドラマの30分枠で1話15分を2本ずつ見たい感じ。ドラえもんみたいにね。「ダンヒル・ミラノ〜(大山のぶ代風に)」とか(いや冗談ですから)。

▼男のドレスコード。

ザ・ドレスコード―フォーマルに強くなる10カ条 MEN’S CLUB BOOKS SUPER EDITION(婦人画報社書籍編集部編/婦人画報社)

いわゆるムック本形態の248ページ。上記の『アラン・フラッサーの正統服装論』ほど見て楽しくはありません。が、ムック本ゆえに、使いやすそうです。よくまとまっているのではないでしょうか。実用向き。
ディレクターズスーツとか、ファンシー・タキシードとか、スペンサー・ジャケットとか、そんなんあったんか?と思うカテゴリーがいっぱいあります。しかもその定義を図解。そしてどれをいつどこでどのように着こなすべきか。きっちり教示してくれます。なるほど〜。
欲を言えば、男前のモデルを使ってほしかったかな(笑)。

ちょっと語りたくなる本なので、次の特ダネにしますねー。
→しました。


表紙と裏表紙
▼冗談本ですが。

男のたしなみ(松岡宏行:文 高橋潤:絵/扶桑社)

不覚にも笑いました。「やらせないならタダめしは2回まで。1万円まで。」「下半身が運命を決める。」などの標語が、全身タイツ男の絵に添えられています。
シリーズがいっぱい出てるようですね。
※流通中

▼わからんけど。

知らぬと損をするマイカー事典 ハウ・ツウ・ブックス(HOW TO BOOKS)(高岸清 真鍋博:本文イラスト/扶桑社)

タイトルそのまま、昭和41年当時のマイカーに関するあれこれの知識を易しく説いています。よく分からんけど、カバーが可愛いなぁと思いました。本文イラストは真鍋博さんです(モノクロ)。

▼意外に面白い。

THE GENERAL STYLEBOOK 男の着こなしマスターテクニック(ホットドッグ・ブックス)(ホットドッグ・プレス編/講談社)

ムック本です。
ホットドッグ・プレス編、昭和61年発行、ジェネラル・スタイル? というわけで、軟派で古くてトラッド傾向。ごたまぜの魅力。読んで面白い記事もあります。

●妻と別れる →離婚つながり
▼飯盒でメシを炊く(笑)

超老伝─カポエラをする人 角川文庫中島らも/角川書店)

長年連れ添った妻に去られて○チガイになった菅原法斎老人。陸軍中野学校で叩き込まれたサヴァイバル技術を駆使して庭で飯盒でメシを炊き、トカゲを食って自活。趣味はカポエラ。無敗。やくざにも負けない。そんな菅原センセイん家に、モヒカン君が弟子入りし、あわやのところを助けられたかわいい娘ッ子も同居することになります。
→つづきを読む→老人つながり

▼旅に出る。

ぼうふら漂遊記 新潮文庫(色川武大/新潮社)

カミさんと別れたので、何か記念にくだらないことをしようと思った男が世界の賭場めぐりをする、というお話。
離婚したから何か…と考えるのは男女問わず?
さて、その旅に同行するのは、知的なミセス・アン。この二人の関係がとってもよろしいです。
→離婚つながり

あやまる?

妻が消える日(「わたしが死んだ夜 創元推理文庫」の収録作)
(ウィリアム・アイリッシュ/東京創元社)

この「妻が消える日」というのは、一読して忘れがたい印象を残す好短編だと思います。完璧な短篇かも。新婚早々、夫婦喧嘩。妻は荷物をまとめて出ていってしまう。
夫は「どうせ実家だろう。ここで電話したら負け」なんて思って放っておくんだけどついに心配になって実家に電話。でも妻は帰っていない!ガーン。どこ行ったの?!
→今日は何の日つながり

●男の料理
▼はぁ。

美味放浪記 中公文庫(檀一雄/中央公論社)

もうね、違います。はっきりと。私の考える美味と違う。赤毛のアンのイチゴ水から開けるオナゴの美味世界とは、根本的な違いがございます。
オートーコーッッっちゅー感じ(笑)? 池波正太郎の粋ともまた違います。でもうまそうなのは確かです。檀流クッキングの著者でいらっしゃいますからね。
→ミニ特集・中公文庫の美味

▼はぁ。

檀流クッキング 中公文庫(檀一雄/中央公論社)

檀流クッキング、その実際のレシピが多数収録されています。92種。写真はありません。
説明文に実感がこもっていて、じつに説得力があります。あ〜、ご馳走になりたい。
→ミニ特集・中公文庫の美味

▼現実的です。

料理に「究極」なし 文春文庫(辻静雄/文藝春秋)

彼の著書はどれを読んでも、現実的です。夢見がちなところがないんです。だからつまらないとか、おいしくないとか、そういうことも一切ナシ。そうじゃなくて滅法頼りになるんですわ。料理屋を自分で開くことについて書いている箇所なんか、膝打ちまくりでしたもん。料理以外のことにも応用できる考え方です。

   

▼どう伝えるか。

開口閉口 新潮文庫(開高健/新潮社)

以前、テレビ番組で見ましたが、開高健は絶対に「おいしい」とか「うまい」とか書かずに、味を伝えようとしたという話です。「筆舌に尽くし難い」なんて、もっての他だってさ。うん。それは正しいです。でも私には無理。そう思って彼のレトリックを見ると楽しいですよ。

   
他に、<●仕事につまずく>…とかいう項目もできそうです。ふふっ。

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