甲子園も盛り上がっています(2002/08/15現在)。
夏と言えば野球ですからね。サッカーつながりは在庫不足でできませんが、野球なら…なんとかなります。なってるはずです。
関連項目→スポーツ→テニスつながり、→バレリーナつながり
関連項目→ミニ特集・夏休みの思い出▼野球…なのか?
「優雅で感傷的な日本野球」
(高橋源一郎/河出書房新社)
野球のことは詰まってる。ぎゅうぎゅう。
でも野球モノを期待しちゃダメ! ダメダメ!
何がどうと、説明しようとする努力はあっさり放棄しますが、
初めて読んだ時は完全に魅了されて、即ファンになりました。
今でも印象深いのは、
○ルナールの博物誌をマネしてると読者に指摘されるところ。
○名キャッチャーがピッチャーがサイン通りに投げなかったことに憤って「今ので、数十(数百?)試合後の試合の結果が変わったじゃないか」って言うところ。(うろ覚え)
▼野球…、なのか、そうか。
「ベイスボイル・ブック」
(井村恭一/新潮社)
日本ファンタジーノベル大賞受賞作。
島には2つのプロ野球チームがあり、
片方のチームは6年負け続けている、と。
おぅ? 巨人阪神みたいな感じ?とか思う人には向かないんですよね(笑)。
まぁファンタジーってことでですね。
この間、テレビでサッカー世界最下位を決める試合をやってたのを
思い出しましたが、「おぅ? あんな笑える感じ?」って
ワクワクしちゃった方にも向きません(笑)。
えーと、誰に向くんでしょうか? ファンタジー好きの人かな、うん。
それも日本ファンタジーノベル大賞に理解のある方に。
→日本ファンタジーノベル大賞つながり
▼夏になると読み返したくなる。
「H2」
(あだち充/小学館)
少年マンガ。
タッチと並んで、高校野球を見ているうちに読みたくなるマンガNo.1じゃないでしょうか?
ところで、いつものことながら、登場人物の見かけが
♪この道は〜いつか来た道〜♪って感じなんですが
タッチと決定的に違うところがまず1つ。
それはヒロインの将来的展望です。
タッチのアサクラミナミちゃんは、タっちゃんのお嫁さんになりたい、と言ってましたが
雨宮ひかりちゃんは、違うんだなー。お仕事をしたいんですよ。スポーツのね。
時代は変わったなーとしみじみしました。
▼極私的超おすすめ本。
「殺し屋から愛をこめて ハヤカワ文庫NV」
(フランク・マコーリフ/早川書房)
メルマガ読者の方へ。
ごめんなさい、そしてありがとうございます。
売り切れました!ウレシー!
この本、私的にはめちゃくちゃ面白い本のベスト10に
入れてもいいくらいなんですけど、
割りと知名度が低いようで残念です。
もっと騒がれてもいいと思うんだけどなぁ。
腹をかかえて笑える、スラップスティックな殺し屋モノです。
わたしが殊にニヤニヤしながら読んだのは、
「ベースボール事件」で、殺し屋オーガスタス・マンドレルが
内野手に打撃を与えるために塁に出なくてはならなくなったところ。
球を打てるわけがない彼、どうしたと思います?
さてさて、この殺し屋マンドレルさんですが、
「レッドウール書簡」というものをコレクションしています。
毎回、彼は殺し(?)の報酬としてその書簡を手に入れていき、
最終話ではその書簡の謎も解けます。
じつに心躍るプロットと言う他ありません。
一つ一つの話は読み切りだけれど、全編をつなぐ謎も別にちゃんとある、と。
連作短篇集としての魅力をすべて兼ね備えているのです。大推薦!
→手紙つながり
→連作短篇つながり
→殺し屋つながり
▼バルタン星人の握手。
「甲子園の空に笑え 花とゆめコミックス」
(川原泉/白泉社)
少女マンガ。
田園の豆の木高校に赴任してきた広岡先生。
女なんだけど、野球部の顧問になっちゃって。
野球なんて全然知らない彼女ですが、9人しかいない(しかもそのうち4人は四つ子)
野球部の生徒たちはいっしょうけんめい。
先生も野球理論から学びます。しかも意外にもノックの名手で。
夏の甲子園予選、なんとなく勝ち進んで…?
いつもながら忘れられない名セリフたっぷり。
バルタン星人の握手も忘れられません。この姉妹編が同著者の「メイプル戦記」。
因みに収録作の短篇「3月革命」は必読。
店主の心の1作です。
仁礼家の姉弟はご近所でも天使のようだと評判で。弟は確かに天使、でも姉は…。猫をかぶりつづける姉の早紀子ちゃんが人前でヒステリーを耐えるために唱えたおまじないは、店主の心の名台詞ランキング入り。この漫画はすべての台詞が名台詞。マジで暗誦できそう。いや、できるね。世に隠れない古典的名作。
私はいつも冷静になるためのおまじないを唱えてるし、いつかは『そして熱海に行くのよ、あたしたち』って言いたいのよ。
→完璧な短篇ランキング
→冷静になるためのおまじないって?→名台詞ランキング女性編その1
▼え、何が起こる?
「ユニヴァーサル野球協会 新潮文庫」
(ロバート・クーヴァー/新潮社)
冴えない中年の主人公の頭の中だけにある
架空のプロ野球リーグ、ユニヴァーサル野球協会。
主人公の唯一の趣味は、この頭の中の緻密な野球ゲームです。
そしてある日、そのゲームの中で大事件が起こります。
果たしてそれは…?
「愛と優しさに満ちた現代のおとぎ話」(カバーより)
筋金入りの野球好きにも。架空の世界にのめり込みやすい人にも。
▼え、どんな企画?
「決戦・日本シリーズ ハヤカワ文庫JA」
(かんべむさし/早川書房)
短編集。収録作は「まわる世間に」、
「背でないてる」、「追いこまれた時代」、
そして、「決戦・日本シリーズ」。
これはもう、今読まなアカンでしょう。
阪神VS阪急。
今年は阪神と阪急が1敗もしとらんで、と。優勝や、と。
まぁそういうわけで、この日本シリーズを盛り上げる企画が発動。
ドタバタと展開します。解説でも言われている通り、SF性は薄いですが、
もはやSF性とかなんだとか、そういう問題ではないですよね。
結末は二通り(二段組)。
楢喜八のカバー絵もかわいい。
▼むちゃくちゃです。
「一刀斎は背番号6」
(五味康祐/ファラオ企画)
なんかぁ、野球つながりって、めちゃくちゃな話、多くないですか?
一刀斎は背番号6、まぁそのままなんすけど(笑)。
昭和30年、こんな小説が存在したらしいですよ。
現代に甦りました。
「奇想天外、荒唐無稽、やがては予定調和の
織りなすめくるめく快感の物語」(帯より引用)
この帯は素晴らしいですね。
一刀斎さん、伊藤敏明の名で巨人入り。
と言われて、想像されることが、すべて起こります。
『一刀斎は背番号6』と『一刀斎は背番号3』を収録。
他に…「塀の中のプレイボール」(安部譲二
/講談社)
昔のベストセラー。よく売れましたね。
単純に感動しました。あのヘリコプター(でしたっけ?)の場面が印象的です。
「赤毛のサウスポー 集英社文庫」(ロスワイラー/集英社)
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