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■楽しすぎる連作短篇つながり

連作短篇集、要するにシリーズものなんですが、かなり好きです。読んでて楽しいですよね。だんだん登場人物たちの個性を理解して、気心が知れてくるでしょ。「ああ、この人ならこうするよねー」って、ニヤリとする場面が出てくるわけ。あれが好き。それからね、「まーた、こんなことになってるよー」っていうワクワク感もあるでしょ。えーわー。
連作短篇集とは別に、連作長篇って言うのは変な言い方で、要するに長篇シリーズもありますが、あれだとオールスター出演の豪華な雰囲気になります。それは、→オールスターものつながりで語ることにして、今回は選外としました。 →オールスターものつながり(工事中)

▼かなり好き。

「パーカー・パインの事件簿」
(アガサ・クリスティ/東京創元社)

クリスティと言えば、ポアロさん、ミス・マープルが有名ですが、
パーカー・パインもいいですね。いかにも曲者って感じで。
「すべては統計を見ればわかる」っていうのが持論。
持ち込まれた事件に合わせた女たらしや、男たらし、
その他もろもろの配下を使って解決します。
ミッション・インポッシブルのミニ・ワイドショー版って色合い。
クリスティにしては異色なんですが、さすがによくできてます。
あ、あんまり「連作」じゃないかな。すみません。

▼大暴れしたい時に。

「ひと呼んでミツコ」
姫野カオルコ/講談社)

昔気質の一少女・ミツコにはじつは隠された超能力があります。
ミツコは人一倍我慢強く、堪えがたきを堪え、忍びがたきを忍ぶんだけども、
世間のあまりの非道に遭遇してその我慢が限界に達すると、
超能力炸裂。大暴れ。このカタストロフィがたまらん。
お役所仕事に泣かされた(激怒した)ことのある人には特におすすめ。
→天誅つながり

▼すてき。

「永遠の森─博物館惑星」
(菅浩江/早川書房)

抒情SF「メルサスの少年」で、その名を轟かせた菅浩江さん、今回もやってくれました。抒情的なだけじゃなくて、楽しい。舞台は全世界の美術品、動植物が収められている未来の巨大博物館。主人公はデータベース・コンピュータに頭脳を直接接続させた学芸員で収蔵品の分析鑑定がお仕事です。毎回一つの美術品が持ち込まれて、それにまつわる事件、できごと、人との出会いがあるわけ…と聞いてうずうずしちゃった人には、おすすめの1冊。期待を裏切りません。
→芸術品つながり
※文庫版でも流通中です。

▼会ってみたい人No.1かも?

「陰陽師」(夢枕獏)

岡野玲子さんにマンガ化されて遍く知れ渡りました。
今や世はすっかり陰陽師ばやり。

他に…
「イル&クラムジーのシリーズ」大原まり子/徳間書店)
「ペパミント・スパイ」佐々木倫子/白泉社)
「ユニオン・クラブ綺談」(アイザック・アシモフ/東京創元社)
「黒後家蜘蛛の会」(アイザック・アシモフ/東京創元社)
「殺し屋から愛をこめて」(フランク・マコーリフ/早川書房)