迷子になったらまずHOMEへ  書評、古本、古本の書評、古本の画像、古本屋 HoneyBeeBrand*みつばち印

■蔵書家つながり(古本つながり)
職業柄、蔵書家の出てくる話や本の話は素通りできません。
少なくて申し訳ないのですが、とりあえず、在庫にあるものをつなげてみます。
→関連項目・人の本棚つながり(作成中)、 
→本好きランキング→中に本が出てくる本ランキング

▼売れましたよねー。

「死の蔵書 ハヤカワ文庫」
(ジョン・ダニング 宮脇孝雄訳/早川書房)

ベストセラーになりましたよね。
面白いです。本が好きで、ミステリ好き、そんな人たちの
圧倒的支持を得て、紹介されるや、話題沸騰。出した続編もバカ売れでした。
かくいう私も続編の出るのを楽しみにしていたものです。
ところどころに出てくる、アメリカ古本事情も楽しい、
蔵書ミステリ。

▼そのシリーズ2作目。

「幻の特装本 ハヤカワ文庫」
(ジョン・ダニング 宮脇孝雄訳/早川書房)

上記、「死の蔵書」のシリーズ第2作目。
もちろん今回も蔵書ミステリ。主人公クリフは警察を辞めて
古書店主になっています。
そんなクリフのところへ警察の元同僚から依頼が。
存在するはずのない、1969年限定版の『大鴉』を盗んで逃げた女が
いるらしくて…。

▼単なる一ファン。

「らくだこぶ書房21世紀古書目録」
(クラフト・エヴィング商会/筑摩書房)

或る日、届いた古書目録。それは、未来から届いた古書目録なの!つまり、わたしたちにとっては未来の本なのに、すでに古本。不思議な本がいっぱいです。例えば、『世界なんて、まだ終わらないというのに』という本は
「印刷されてから半年後から一年後に初めて文字が浮き上がるという特殊インクで印刷された本」。細かい時間差で印刷されているので、読者は毎日チェックして物語の現れるのを待たなければならない、とか。『A』という本は、「答えだけが載っている本」。どこかに『Q』もあるとかないとか。
そんな本を1冊ずつ紹介しています。写真付き!
あぁ、1冊でいいから欲しいなぁ。この古書目録、私にも送ってくれたらなぁ。
さて、みなさん。クラフト・エヴィング商会の本は、まだ新刊本屋さんでも入手可能ですので今のうちに買っておきませんか?(また商売抜き)。もちろん当店でお買い求めいただければよりお安いですが(笑)、売り切れ御免ですので。
→関連項目
→註釈だけが載ってる本、っていうのが、あったっけ?

▼こわーい。

「魔女の鉄鎚」
ジェーン・S・ ヒッチコック/角川書店)

ヒロインの父親(稀覯本コレクター)が殺され、稀覯本「魔法の書」が消えている…。
蔵書モノはこうでなくちゃ、というオープニングなんですが、
話はちょっと違った方向へ。
魔女裁判のバイブル「魔女の鉄鎚」が、今でも
信じられているらしい、信仰している人がいるらしい…。
でも魔女って一体、何のこと? どういうのが魔女なの?

途中、普通の人だと思ってた人が、そうでないんだと
はっきりするくだりで、すごくぞーっとしました。
怪談的な恐怖ではなくて、今そこにある恐怖、っていうか、
誤解を恐れずに言うなら、女性には分かりやすい恐怖なんです。
例えばね、理解があると思ってた男性が、ワイドショーを見ながら
「男の浮気は大目に見なくちゃ」とか言い出すアノ瞬間、けっこう恐怖です。わかります?
で、まぁ、そういう意味のコワさをクローズアップして、うまくサスペンスの味付けをしながら
独自の魔女解釈を披露してくれます。これが結構、納得しちゃうんですよ。
男性が読むとどんな感想を持つのでしょう?
→魔女つながり

▼映画を見てしまって…。

「呪のデュマ倶楽部」→文庫化に際して改題「ナインスゲート」
(アルトゥーロ・ペレス・レベルテ/集英社)

映画では、ジョニー・ディップが稀覯本ハンターの主人公を演じておりまして、
その予告編がものすごく面白そうだったんです。
絶対見なくちゃと思ってビデオを借りてきたんですよね。
ま、予告編ほどじゃないけど、それなりに面白かった。
映画の題はナインスゲートだったので、
それが往年の未読本、「呪のデュマ倶楽部」といっしょだって気付いてびっくりしました。
著者は
「フランドルの呪画」の人です。
→扉つながり

▼時価30万ドルかぁ。ふぅー。

「殺人詩篇 ハヤカワ・ミステリ文庫」
ウィル・ハリス/早川書房)

「アパートのガレージに転がった死体のかたわらには、
一冊の古ぼけた書物──それは時価30万ドルといわれる
稀覯本<ベイ版詩篇>だった。
門外不出のはずの書物がなぜそんな場所に?
単純な強盗殺人を主張する警察を尻目に、被害者の親友だった書誌学者の
クリフは素人探偵となって調べ始める。…(あらすじより引用)」
ミステリと古書の典型的パターンの導入部です。定石通りとは言え、
読者も定石通り、ワクワクするからいいのです。
ミステリには古書がよく似合うのです。

▼古本屋ってたしかに。

「古本屋探偵の事件簿 創元推理文庫」
紀田順一郎/東京創元社)

古書店主が出した「本の探偵──何でも見つけます」という
広告につられ、次々とやってくる奇妙な依頼人たち。
「殺意の収集」「書鬼」「無用の人」「夜の蔵書家」を収録。
古本屋探偵・須藤康平ものの連作推理中編集。

ウチは店舗はないのでアレなんですが、
昔、古本屋さんで店番をしていた頃を思い出しました。
ここまでのことはなくても、古本屋さんと奇妙な依頼人とは、
切っても切れないエニシがあるのです。

▼もういっこ紀田さん。

「古本街の殺人 創元推理文庫」
紀田順一郎/東京創元社)

「古書店主が不可解な死をとげた。稀覯本を巡るマニアックな収集家の凶行か、
地上げ問題にからむ犯行か?…中略…
古書に魅入られた人々の生態をあますところなく描きあげて
鬼気迫る、傑作長編推理!(あらすじより引用)」
『鹿の幻影』の改題新版です。

▼ジョージ・マクドナルドみたいなのかな?

「死者の書 創元推理文庫」
(ジョナサン・キャロル/東京創元社)
not for sale

主人公は幼少時から、傑作ファンタジー童話を書いた謎の作家に
惚れこんでおり、彼の伝記を書こうと決意。
作家の娘に会うために、作家の住んでいた町を訪ねます。
すると、何かが変なんです。
ワクワク。
何が蔵書家つながりかと言いますと、その作家の稀少本が話に関係して
よく出てくるんです。主人公があまりにも誉めるので、「それを読みたい!」と思っちゃうくらい。

じつは只今、読書中なので(2003/05/04現在)、話がどう転がっていくのかまだ見えません。
帯に
恩田陸さんの推薦文が付いていて、期待が高まります。
曰く「静かに沁みてくる不気味な美しさ。出口のないキャロル・ワールドはここから始まる。」

他に…
『風の影 上・下 集英社文庫』(カルロス・ルイス・サフォン)

『荊の城 上・下 創元推理文庫』(サラ・ウォーターズ)

それからー、京極夏彦の京極堂か?