物語中では、何が出て来るか、何が入っているのか、ソソルアイテムです。。 ▼なぞなぞ。
「黒後家蜘蛛の会 創元推理文庫」
(アイザック・アシモフ/東京創元社)
黒後家蜘蛛の会(ブラック・ウィドワーズ)の面々は、毎月1回晩餐会を開く。ホストは持ちまわり。必ずゲストを一人連れてくる。歓談するうち、ゲストの身に起こった、どうしてもすっきりしない小さな謎の話になって…、みんなで推理するけれど、結局謎を解くのは、傍らで慎ましく話を聞いていた給仕のヘンリーなのでした。
高名な連作推理短篇集。
さて、その1作目は「鞄」がキー。鞄に入れて持ち去ったのは何か?
例によって、ささやかな謎ではありますが、小洒落た感じにキメてくるところはさすがです。
→本に出てくるおいしい食べ物
→楽しすぎる連作短篇つながり
▼センセイ…。
「センセイの鞄」
(川上弘美/平凡社)
世に名高い名作恋愛小説。
でも、私にとっては、長らく必ず寝ちゃう本です。
出会いのシーンもとても良いのに、なぜ?
センセイもステキなのに、なぜ?
センセイになら叱ってもらいたいのに、なぜー?
高校で国語を教えていたセンセイと、教わっていたツキコさん。
居酒屋で再会して以来始まる交流。
ツキコさんは37才。
センセイはいつも同じ鞄を持っています。
居酒屋でさりげなくウマそうなものが出て来るのも気になります。
→先生つながり
→必ず寝ちゃう本ランキング
▼メンズ・ライフ。
『男の旅行カバン 河出文庫』
(くろすとしゆき/河出書房新社)
ちょっと可愛い本ですね。男アイテム(?)の写真がたくさんあるのもうれしいです。著者はヴァン・ヂャケット(バン・ジャケットじゃないんか!)に入社してKENTを誕生させた、アイビー・トラッド路線の推進者。この本でもメンズ雑誌風のノリで、もう、かくあるべき男のお洒落、メンズライフについて死ぬほど語っています。ハイ。
→ミニ特集・メンズ・ライフ
▼うまいねッ。
『トランク詰めの女』(ブラッドベリ)
「幻想と怪奇2 ハヤカワ文庫NV」の収録作
(ロバート・ブロック他 仁賀克雄編/早川書房)
幻想と怪奇という主旨で編まれた短篇集のうちの1作。
ジョニイは、誰もかまってくれないパーティの最中、
屋根裏部屋に逃げ込み、トランクを発見する。
中にはきれいな女の死体が詰まっていた! 死体を発見したぞー!
なのにママもパパも誰も話を聞いてくれない。
相変わらずの手ダレぶりです。
収録作は他に、
リチャード・マシスン「こおろぎ」、ロバート・ブロック「ルーシーがいるから」など全11編。
大変よろしいです。シリーズ3冊揃えたいなぁ。
▼ハチャメチャ? ドタバタ?
『ディスクワールド騒動記1 角川文庫』
(テリー・プラチェット 安田均訳/角川書店)
カバー絵がコメディタッチ。あらすじからも察するに、間違いなくコメディですね。ファンタジー?
落ちこぼれ魔術師リンスウインドと、究極の観光客ツーフラワーとお供の<カバン>ですって。
究極の観光客ぅ?
気になる。
登場人物紹介には、
「リンスウインド…アンク=モルポークの魔術師。呪文を一つしか知らない。」
と、書いてあります。何を知ってるんだろう? 気になる…。
▼怖かった。
『ランドセルは魔女 サンリード・創作童話シリーズおはなし文庫8』
(大海赫:作 タケカワコウ:絵/サンリード)
大海赫(おおうみあかし)さんの童話はとても人気がありますね。
私は他には「ドコカの国にようこそ!」しか読んでいませんが、
怖さのスパイスが効いてて、
ドキドキする展開と思いがけない結末で、忘れられない作品でした。
未読の「クロイヌ家具店」「ビビを見た!」も、いつか必ず読もうと思っています。タイトルが異常にそそるし! ねー?
そして本書。
これは怖さがスパイスの域を越えてます。恐ろしかったです。
悪意の描き方に容赦がないので、落ち込みます。でも、子供にすすめられる作品です。
ヒロイン・里歌が従姉から譲り受けたランドセルには魔女がとりついているのです。里歌はランドセルに操られ、成績は良くなりますが、人格が変わってしまいます。ランドセルは狡猾ですし、里歌の心を読むこともできます。捨てようとすると、里歌だけでなく大切な人にも危害を加えます。
大人の目から見ても、相当なピンチ! さぁ、どうする?
何の気なしに見ていた見返しのピンクの木目模様が…、
じつは魔女の顔だと深夜読書中に気付いて、ゾーッとしました(泣)。
→魔女つながり
※流通中。
▼ハンドバッグ。
『ハンドバッグの証言―微罪事件簿』
(佐野洋/実業之日本社)
気になるんです。
「微罪事件を装った大犯罪」「人妻の置引き、大学教授愛人の無銭飲食、一流企業社員の自転車泥棒など、送検されずに微罪として葬られた事件の陰に、血腥い凶悪犯罪が…。」(帯より)
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