迷子になったらまずHOMEへ

■りんごつながり
小道具として使われるのは、果物の中ではりんごが多いでしょうか?みかんもあるかなぁ。あ、苺もありそう。関連項目→食べ物・果物→苺つながり→チョコレートつながり→バナナつながり

▼名作戯曲。

「アップルパイの午後」(「尾崎翠」収録作)
尾崎翠/筑摩書房)

昭和4年8月の作ですってよー。
信じられませんよね。明日出版される話と言われても、信じ込んで大絶賛ですよ。

兄、妹、友達。3人の出てくる短篇です。名台詞でいっぱい。ぎゅうぎゅう。
兄がいきなり妹の頭をポカリとやるところから、始まります。
妹がちっとも女らしくないことに文句を言う兄。
「どんな女だって二十歳までもし独りでいたら、
心臓に二つや三つの孔はあいてるんだ。これがほんとの女なんだ。
ところがお前ときたらかすり傷一つないじゃないか。」

はははは。なんなんでしょうね、この楽しさは? 
兄妹の名台詞の応酬で綴るのみならず、美しい起承転結も成している。小品の見本のような作品。
これであなたも尾崎翠の虜に。
→姉弟つながり
→完璧な短篇ランキング

▼甘いお菓子は一尉殿に。

「アップル・ジャック」
(「カレーの王子様 花とゆめコミックス」収録作)
川原泉/白泉社)

北原エリカさんと弟のトオル君のお隣りさんは、自衛隊員の式部一尉で…。
自衛隊嫌いのエリカさんと小競り合い(?)が…。
そんでアップルパイを…。
って、要約しても仕方がないんですよね。
目をみはるのは、ストーリー展開ではないんですもの。
そこはかとなく笑える台詞まわしが魅力って言うと語弊があるかもしれませんが、
「みそがないとさつまじるはつくれません(ぐらり…)」とか
「ソ連が来たッ」とか、私は全部暗記しております。
他の収録作もすべて名作。粒ぞろい。
歴史に残る1冊、って言っちゃいたいんですけど。いいですか?
→姉弟つながり

▼美人姉妹?

「林檎でダイエット 花とゆめコミックス」
佐々木倫子/白泉社)

雁子と鴫子の姉妹の短篇集。
笑えます。
収録作はどれもイイんですが、特に「林檎でダイエット」は忘れられません。
やせるためには「好きな人にデブって言われるところを想像するといい」
と、言われた雁子が
好きな人がいないことに気付くんですよ。
(これだけで笑っちゃうんですけど。)
小学校で2人、中学で1人、高校の1年で一人好きになったきりで、
今、知人と呼べる男の人は3人しかいないという雁子さん。(この具体的な数字がたまりません。)
ダイエットのためにムリヤリ誰かを好きになろうとするんだけれど…。
他に「既視感のおかず」も名作かと。
→ダイエットつながり

▼白雪姫

「スジガネ入りのお姫サマになる方法」
島村洋子/大和出版)

恋愛の鉄人、島村洋子さんが、
いろんなお姫様話をネタに展開する恋愛エッセイ。十八番です。

白雪姫に関して、
王様が毎日、「お前が世界で一番美しい」とお妃さまに言ってあげていたら、
起こらなかった話なんじゃないかって考察、さすがだと思いませんか?
きれいかもしれないが、魅力的ではないという「白雪姫像」にも妙に納得。
毒りんごなんか食べちゃって、
留守番もできない位のバカな女だって(大笑)。

▼題もいい。

「苦い林檎酒 ハヤカワ文庫HM」
(ピーター・ラヴセイ/早川書房)

戦時下の林檎園で起こった殺人事件。
かつて、被告に不利な証言をした私の元へ、犯人の娘が訪れる。
父の無実を証明するために。
本当にミステリと食べ物の相性は抜群です。
→ミニ特集・ミステリと食べ物

▼楽しい犯罪。

「ビッグ・アップル・ミステリー マンハッタン12の事件 新潮文庫」
(アイザック・アシモフ他編/新潮社)

昔、<本の雑誌>で、日本で一番犯罪率が高いのはどこか、
検討する企画がありました。もちろん現実ではなく、ミステリーで。
どこだったと思います?
ウフ。はい、そう新宿でした。

これはまたしてもアシモフさんの編んだ、アンソロジーです。
犯罪都市ニューヨーク、別名ビッグ・アップルを舞台にした短篇ミステリ集。
いや、ほんと彼はアンソロジーの名手ですよね。ジェイムズ・ヤッフェ「春爛漫のママ」、
クレイトン・ロースン「あの世から」、レックス・スタウト「殺人は笑いごとじゃない」など全12編。

エドワード・D・ホックは怪盗ニックもの「スペード4の災難」で登場。
なんと今回は<スペードの4を盗んでくれ>という依頼です。
ウフ、ウフ。
→トランプつながり

▼古き良き少女マンガ。

「林檎ものがたり 田渕由美子傑作集4 リボンマスコットコミックス」
(田渕由美子/集英社)

林檎の出てくる短編3つと、普通の短編2つを収録。
目新しいことは何も起こりませんが、ほんのりなつかしい短編集です。
昔は少女マンガってこんなんだったよなぁ〜。
恋の始まりに重点の置かれた、清純派です。

「おとめチック・ロマン」と書かれています。うまいこと言うわ。
最近、アクションロマンとか、SFロマンとか、サバイバルとか、
そんなマンガばっかり好んで読んでるしなぁ。
岩館真理子の昔むかしの作品とか、ひっぱり出してきて読みたくなりました。

▼古き良き少女マンガ。

「アップルマーチ 全2巻 KCなかよし」
(里中満智子/講談社)

マギーとメイは、セントアップル=ハイスクールで15年ぶりに出会った双子の姉妹。性格はまるで正反対。そんな二人が同じ男の子を好きになっちゃって…。ケストナーさんの「ふたりのロッテ」的な展開もありますが、基本はラブコメ王道です。

→双子つながり
→里中満智子の著作在庫を検索する

▼なつかしいなー。

「りんご日記 第1〜3巻のみ(4・5・6巻は欠) マーガレット・コミックス ※難有」
(川崎苑子/集英社)

小学生一ノ木りんごちゃんのお話です。
わんぱくな子供たちと美人の先生。勉強しなさーい。静かにしなさーい。って、大変です。
小学校生活のささやかなエピソードは非常にキュートですが、現実的でもあります。
幼くて、恥ずかしくて、時々はほろ苦くて。
あ〜、なんかこんなことあったな〜って、なつかしい。
川崎苑子さんのお話はいつもそうです。

私は、川崎苑子さんの「あのねミミちゃん」が好きでしたが、
「りんご日記」のファンの方もいらっしゃるんじゃないでしょうか。
6冊のうち3冊しかありませんが、短い作品の連作で、読み切りですので、楽しめると思います。
→川崎苑子の著作在庫を検索する