チョコレートって実物もさることながら、言葉にも魅力があります。題名に使うとピリッとしまるし。ところで、チョコレートと名のつくものには、なぜか学校が舞台のが多い。考えてみると、チョコレートっていう甘さ=子供の食べ物っていうところから、題に冠してアッピールしてるわけですよね。そうかそうか。
関連項目→ナッツつながり、→珈琲つながり▼やっぱり学校が舞台。
「チョコレートゲーム 講談社文庫」
(岡嶋二人/講談社)
中学校を舞台におこった連続殺人のカギは、
「チョコレートゲーム」にあった。
初期にはコミカルな作品が多かった作者のシリアスミステリー。
日本推理作家協会賞受賞作。
▼同じく、舞台は学校。
「チョコレート戦争」
(ロバート・コーミア/集英社)
奇しくも上記「チョコレートゲーム」と同じく、学校が舞台。
名門校なのだが、チョコレートを50個売らなければならないという妙な規則がある。
影のボス、いじめ、裏切り、そんな学校的要素の中を転がっていくサスペンス。
集英社コバルトシリーズです。
コバルトも初期は海外のジュニアノベルスの翻訳や、
映画の原作なども出していました。
(他文庫で流通中)
→ミニ特集・コバルト文庫
▼人気ですね。
「ショコラ・エブリデイ」
(岡崎京子/毎日新聞社)
PeeBeeに連載されてたもの。
岡崎京子の稀少タイトルとして人気です。
いかにもな表紙の茶色が食欲をそそりますね。
▼女は大変だ。
「チョコレット・オーガズム」
(野中柊/福武書店)
文庫化もされました。
女性に…。
▼キャー、ええわぁ。
『チョコレートブック』
(ヘルガ・ルビンスタイン/平凡社)
文字はこげ茶色。
献辞に世界中のチョコホリック(チョコ中毒患者)に捧げる、とあります。
それそのまま、チョコについてのすべてが書かれた本です。
ちょっと、この装丁を見てくださいよ!
かーわーいーいー。うーまーそー。ほしー!と思いません?
そこのチョコ党の御同類よ。
著者のヘルガさんは当然チョコレート狂で、
書きたくてたまらなくて書いた本ですって。ほえー。確かに気合い入ってますわ。
各国のチョコ菓子の紹介、いろんなチョコレートの作り方、チョコレートのエピソード、歴史など、いろんな情報がてんこ盛り。あー、おいしそう。ドボシュトルテ食べたいぃ。って言うかさ、なんでもいいよ、食わせろ!(いや、失礼。)
この本を開いている間はまさに「チョコレートのためなら死ねる」って気分になります。
→文字が色付きつながり
→本に出てくるおいしい食べ物
▼チョコの中から当たりが出たら。
『チョコレート工場の秘密 てのり文庫』
(ロアルド・ダール 田村隆一訳/評論社)
チャーリー少年のウチは貧乏で、その日の食べ物にも困っています。チョコを買えるのは1年に1枚。ウィリー・ワンカさんの秘密のチョコ工場に招待される金色の招待券が欲しいけど、きっと無理。当たりの入ってるチョコは5個だけ。何十万枚もチョコを買った子供だけに当たりが出てるんだもの。それでも期待せずにはいられない。曽祖父母、祖父母、父母が「ガッカリしちゃダメだよ」と少年を慰めながら見守る中、少年がチョコを開ける。この前半部がすごくいいんです。ジーン…。
さて、物語がどう転がるのかは読んでのお楽しみですって。
→詳しくは
→くじつながり
※柳瀬尚紀訳は流通中。
▼笑いが止まらない。
『チョコレートブック―好きだからたべたい』
(サンドラ・ボイントン 神津カンナ訳/CBS・ソニー出版)
絶対笑えますって。
チョコレート好きによるチョコレートの本はたくさんありますが、こんなん初めて。
チョコの種類とか歴史とかレシピとか、そんなんじゃありませんよ! 違います。いや、そんなんもあるけど、違うんです(笑)。
チョコ好きがチョコで遊び倒した、これぞほんとのチョコ本です。まずは何も知らずにまじめな顔で読み始めてほしいところだけど、どーしよっかな〜、ちょっと教えちゃおっかな〜(笑)。
→詳しくは
▼チョコじゃないけど。
「巨人のイタチョコの星のシステム Mac
Fan BOOKS」
(ラショウ/毎日コミュニケーションズ)
じつは初め、なんの本なのか、さっぱり分かりませんでした。
「ソフトハウスで儲けたい? それなら本書が断然お薦めです!
やってはイケない悪い例がどこよりも豊富に載っております。
必見の反面教師の書なのであります(帯より)」
ソフトハウス…ソフトウェアを開発・販売する会社のこと。(Yahoo!コンピュータ用語辞典より)
ということで、本書は、知る人ぞ知るソフトハウス「イタチョコシステム」を開業した、
知る人ぞ知るラショウさんの描く、
汗と涙のイタチョコシステム盛衰記、のようです。
マンガと文章、どちらも笑えます。
言ってみれば「起業」のはずなのに、妙にせせこましくて、
ちっちゃいのが笑えます。軍資金やいつわりの軍資金(笑)が増減する図も他人事なので笑えます。
→会社つながり
▼これを忘れておりました。
『板チョコ一枚おみやげです』
(『とうに夜半を過ぎて 集英社文庫』の収録作)
(レイ・ブラッドベリ 小笠原豊樹訳/集英社)
もしも、チョコアンソロジーを編むのなら、これを忘れちゃいけません。
チョコアンソロジーじゃなくて、ただ心に残る作品のアンソロジーだとしても、
これを入れるでしょう。
ブラッドベリの短篇。
この中のチョコ描写が、非常に蠱惑的なのです。
ものすごく太った男が、懺悔室にやって来て、チョコを食べるのをやめられないことを懺悔します。誘惑の対象として描かれるチョコレートの魅力的なことと言ったら!
素晴らしいチョコ描写でした。
因みに『とうに夜半を過ぎて』の原題は、LONG
AFTER MIDNIGHT。もしも私が訳したら「真夜中のかなり後」。ドラマなタイトルというのは、訳者の力量も多分に関係しておりますなぁ。
→ドラマな題ランキングその2へ
▼聴いてみたい。
「アーモンド入りチョコレートのワルツ」
(森絵都 いせひでこ:絵/講談社)
表題作と、「子供は眠る」「彼女のアリア」を収録。
「三つのピアノ曲をもとにした三つの物語(あとがきより)」です。
ん〜、物語としては、「子供は眠る」と「彼女のアリア」のほうが好きです(笑)。
でも聴きたいのは、「アーモンド入りチョコレートのワルツ」。
サティさんがそんな曲を作っておいでとは存じませんでした。
チョコ好きとしてはぜひ聴きたいです。
→ナッツつながり
▼私も密売人になるー。
「チョコレート・アンダーグラウンド」
(アレックス・シアラー 金原瑞人訳/求龍堂)
或る日突然、チョコが禁止になりました。
えー! どうするー?!
冗談ではありません。選挙で勝利した「健全健康党」がチョコレート禁止法を発令したのです。違反者は処罰されます。捕まって、再教育施設に送られてしまいます。チョコだけでなく甘いお菓子は全部ダメなんです。
そんなの絶対間違ってる! チョコが食べられないなんて!
小学生スマッジャーとハントリーは、チョコを密売することを計画。
「お金のためじゃない! 希望を残すために」。
大人も子供も楽しく読める物語です。
物語の中でこっそり食べられるチョコが、じつにおいしそう。まさに禁断の味。
読みながらしみじみ、禁止されたら一番つらいお菓子はチョコなんじゃないか、
チョコホリックというのは嘘じゃないな、と考えました。
チョコ本のお約束通り、文字は茶色。本体表紙も茶色。
初版にはシールが付いていましたっけ。ウチの在庫は重版。シールなし。ごめん。
→文字が色付きつながり
▼ちょっといいかな。ちょっとだけね。
「チョコレート物語 ※サイン入」
(阿部真由美/講談社)
阿部真由美さん、どんな方なのかな。
存じ上げないけど、チョコが大好きな人だというのは分かりました。
チョコ菓子のレシピや、チョコの薀蓄をオールカラーで紹介。
小さめサイズの絵本風です。
たったの40ページの中に愛情あふれる御本です。
いいなぁ〜、私だって絵が描けたらチョコ本を作りたい…。
著者のサイン入り。
他に…
「チョコレート戦争」(大石真/講談社)
「ショコラ」(ジョアン・ハリス/角川書店)
「偶然の審判」(アントニー・バークリー)
「毒入りチョコレート事件 創元推理文庫」(アントニー・バークリー)
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