くじに当たったら、何が起こるのか。
関連項目→お金つながり▼心に残る不気味さ。
『くじ 異色作家短篇集17 ※送料無料 ※難アリ』
(シャーリイ・ジャクスン 深町真理子訳/早川書房)
※難アリです。御注意。函等ありません。
くじつながりを作るなら、これは外せないところです。
「くじ」という短編を収録する短編集。
特に「くじ」は、忘れられない短編として、よく引き合いに出されますのでご存知でしょうか。
ある村で、年に一度のくじ引きの日。
老若男女、村人全員が集まってくじを引く。
くじ引きの前から早々と、子供たちは石を山のように積み上げて待っている。
くじの入った箱の様子。異議を唱える人。高まる緊張感。
そして不気味な幕切れ。
もちろんくじで選ばれた人の運命は読者にも分かりますが、とうとう最後まで、その詳細な目的は明らかにされません。それが余計、気味が悪いのです。
「くじ」の他にも必読の短編が多く収録されています。
シャーリイ・ジャクスンは(以前メルマガでご紹介した)「野蛮人との生活」(風変わりなエッセイ?です)の著者で、暮らしの中の「えっ」という齟齬の瞬間を鮮やかにとらえるのも大変お上手。
本書『くじ』の収録作「ジミイからの手紙」なんかには、それがよく現れています。
状態は悪いですが、とりあえず読んでおきたい方におすすめします。
※新装版が流通中です。
▼チョコの中から当たりが出たら。
『チョコレート工場の秘密 てのり文庫』
(ロアルド・ダール 田村隆一訳/評論社)
チャーリー少年のウチは貧乏で、その日の食べ物にも困っています。チョコを買えるのは1年に1枚。ウィリー・ワンカさんの秘密のチョコ工場に招待される金色の招待券が欲しいけど、きっと無理。当たりの入ってるチョコは5個だけ。何十万枚もチョコを買った子供だけに当たりが出てるんだもの。それでも期待せずにはいられない。曽祖父母、祖父母、父母が「ガッカリしちゃダメだよ」と少年を慰めながら見守る中、少年がチョコを開ける。この前半部がすごくいいんです。ジーン…。
さて、物語がどう転がるのかは読んでのお楽しみですって。
→詳しくは
→チョコつながり
※柳瀬尚紀訳は流通中。
▼アイスで当たりが出たら。
『大あたりアイスクリームの国へごしょうたい』
(立原えりか 北田卓史:絵/旺文社)
毎日腹一杯アイスを食べたいダイスケが、ある日、アイスのフタをめくると、「大当り!」が出ます。わーお。
シロクマジルシのアイスです。
フタを送ると、タイトル通り、アイスの国にご招待、されちゃうんです!
まさに子供垂涎の童話。絵もかわいいです。
→詳しくは
→クマつながり
これって明らかに『チョコレート工場の秘密』を意識していると思います。よね?
▼トトカルチョに当たったのに…。
『ハリスおばさんパリへ行く 講談社文庫』
(ガリコ 亀山龍樹訳/講談社)
働き者の通い女中のハリスおばさんがパリへドレスを買いに行くなり!
おばちゃん版ヤジキタ。笑いと涙のシリーズ1作目。
ディオールのドレスがほしい。
そんな時にトトカルチョが当たって、ハリスおばさんは大喜び。
これで飛行機代もドレス代も出る!
と、思ったのに、当選金は意外に少なかった。しゅーん。
買えないとなると、どうしても買いたい(このあたりがよく分かる。とても上手ですよね)。
おばさんはコツコツとお金を貯めることにします。
→ミニ特集・どんな旅に出る?
▼当たってなくても。
『宝くじに当選したら読む本』
(高井次郎/三才ブックス)
意外と知られていない3億円当選後のあれこれ。もらう編・まなぶ編・ふやす編・つかう編の4つで詳しく解説しています。
売れ残った券の中に高額当選券があったら。この問いに対する答えがコロンブスの卵的にちょっと驚きでした。当選金はプールされていない。売り上げから供出される。だから、売れ残った券に当選という概念はナイ、んだって。ふーん。
あと、肝心の何を買うかって話で、「売ってるなら愛を買う」っていう4コママンガ挿絵にウケました。私も買う(笑)。時間も売ってたら買うね。
著名人へのアンケートで、西村知美さんが「広いマンガ喫茶1軒」って答えてるのに微笑。
→役に立つマニュアル本つながり
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