双子はよく使われるモチーフです。ドラマがありますからね。また、見た目も印象的なせいか、マンガにも頻出します。けっこう好きです。あ、気分でクローンもまぜてしまいましたが、どうかご容赦を。
ところで、ミステリでは「じつは双子だった」は禁じ手とされていますが、時々ありますよねぇ。
→関連して・親兄弟→姉弟つながり▼傑作。
「悪童日記、ふたりの証拠、第三の嘘 3冊セット」
(アゴタ・クリストフ 堀茂樹訳/早川書房)
ちゃんとベストセラーになった傑作ですね。
あまねく知れ渡っているかと思いますので、あえて
あらすじなどは書きませんが、
ひょー、おもしれーと思った、あの当時の感動は今でも思い出せます。
でも考えてみると、そんなにベストセラーになる条件を備えているとは
思えないんですよね。
ちょっと不思議な気がします。ベストセラーって、どうやって生まれるんでしょう?
双子的には正統派双子使用方法と言いましょうか、
双子であることの物語的面白さを存分に発揮しています。
▼瞠目。
「死神の惑星 全3巻 集英社アイズコミックス」
(明智抄/集英社)
「砂漠に吹く風 花とゆめコミックス」
(明智抄/白泉社)
あの明朗健全始末人シリーズの明智抄さんが、
やってくれちゃった、瞠目のSF。
私的には、非常に感じ入りました。
アイディアもイイ。いわゆるネームもイイ。物語の展開もイイ!
連作短篇だってところも私好み!
(絵はちょっとヘタウマだけど。)
「死神の惑星」に出てくるのはゲノムが同じ、作られたクローンですが、
まぁ見た目は双子です(当たり前)。
テレパスの双子なので、相手の感じていることが、
我が事のように感じられると言います。
離れて育ったのに、握手をしたとたん、記憶が綺麗に二重写しになってシンクロし、
どちらでもない第三の自分になるようだ。というエピソード。
片方がマグロ丼を食べて片方が歯磨きをしていると、
マグロ丼味の歯磨き粉だ、というエピソード。グッと来ませんか?
双子の使い方のSF編優秀作です。
これがバカ売れしないのは何が理由?って暴れたいくらいで、
押しつけがましく、人にすすめています。
この2つのシリーズは同じ世界のできごとですので、
できれば合わせて読みたいものです。 →セットで読みたいランキング
→楽しすぎる連作短篇つながり
→超能力つながり
▼少女的ロマン。
「YASHA」(吉田秋生/小学館)
「バナナ・フィッシュ」(吉田秋生/小学館)
有名な傑作少女マンガ「バナナ・フィッシュ」。その完結後に書かれたのが「YASHA」。
全然関係ない話だと思っていたら、「バナナ・フィッシュ」の登場人物が一人、「YASHA」にも出てきます。そこで、「バナナ・フィッシュ」を知る読者は、「おおっ」と思うワケですな。
何を隠そう私もびっくりしちゃいましたよ。その人物が語る内容で、「バナナ・フィッシュ」後のアノ人の消息がわかったりして。
さて、「YASHA」の双子も作られた双子。クローン。
この双子の使われ方は非常に少女マンガ的。「バナナ・フィッシュ」では、主人公は一人で王者の孤独に耐えなければならず、そこに現れたのが英二だったわけですが、「YASHA」では英二的役回りの影は薄く、主人公は割合一人でもしゃきっとしています。その分、孤独と喪失感と相克を双子という舞台装置で二重にしているようです。(すいません、かなり適当です)。
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▼まじめな双子。
「タッチ」(あだち充/小学館)
夏が来ると読みたくなる野球マンガ代表ですね。
この双子の使われ方は基本中の基本かも。
双子と女一人。やがて迎える片方の死。
ただ、私がウマイねっと思うのは、女が愛しているのは、
そもそもの始めから、双子の生き残った方だった、という点。
死んだ方が好きだったのでは、あまりにありがちになるところでしたが、
逆になることでぐっと悲哀、情感が増すわけです。うまい。
また本当は生き残った方が、野球が上手(なのだろう)という点も、同じ理由でウマイです。
そう思いませんか?
→野球つながり
▼双子…か?
「バルタザールの遍歴」
(佐藤亜紀/新潮社)
これは人生を変えた1冊かも。
未読だった頃に帰りたいです。もし未読だったら、今から読む楽しみがあるでしょう?
日本ファンタジーノベル大賞受賞作にして佐藤亜紀さんのデビュー作。
まだあの頃は、あの賞の主旨がよくわかっていなかったのですが、
これでみんなが「こういうのアリ!こういうの楽しい!こういうの読みたかった!!」と気付いたんじゃないかなぁ。ターニング・ポイント?振り返って考えると。「バルタザール以前」「バルタザール以後」ってことまで言えると思いませんか?
1ジャンルを築きましたよね。
(褒め称えすぎですかね、大好きなので御容赦のほどを。)
これも超有名なのであらすじなどは申しませんが、厳密に言うと、双子では…ない?双子の定義から考えないとね。一緒に生まれたのが双子なら、これも双子です。
一つの体に二人が入ってます。はぁ。
→日本ファンタジーノベル大賞つながり
▼かわいい双子。
「アンの青春」
(モンゴメリ/新潮社)
(画像は違っています。)
赤毛のアンの続編、「アンの青春」でアンはマリラと双子を引き取って、育てることになります。この双子がすごくかわいい。
男の子と女の子でして。男の子は超いたずらっこ。女の子はおとなしい子。
その対比が良くてですね、双子使用方法としては、
豊富なエピソードをもたらす名脇役かな。かわいい双子を堪能できます。
▼単なる一ファン。
「甲子園の空に笑え 花とゆめコミックス」
(川原泉/白泉社)
「メイプル戦記 全3巻 花とゆめコミックス」
(川原泉/白泉社)
どちらも少女マンガ。
またほんとにシツコイおすすめで、すみません。だって好きなんですもーん。
田園の豆の木学園に赴任してきた広岡先生♀。野球は完全に素人なんだけど、野球部の顧問になっちゃって!
その野球部はギリギリ9人しかいなくて、そのうち4人は相本家の4つ子です(…)。数年後、この広岡監督が女だけの球団スイートメイプルスを率いることになるのが「メイプル戦記」。そこにも相本家の4つ子の妹の4つ子たちが出てきます。どちらも傑作。
→野球つながり
→セットで読みたいランキング
▼内緒の双子。
「BASARA フラワーコミックス」
(田村由美/小学館)
大ベストセラーの少女マンガ。
大冒険アリで、しかも大恋愛アリなのは素晴らしいです。
登場人物はみんな生き生きしているし。
大河ロマンの名にふさわしい。
店主のオススメ少女マンガNo.1です。ベッタベタですけども。いいんです!
ヒロイン更紗ちゃんは、死んだ双子の兄タタラとして生きることに。
勿論、人には内緒です。
→じつは女つながり
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