苺、イチゴ、いちご。ストロベリー。なんでこんなにウマそう?
私はイチゴ狩りで元をとる自信があるほど、イチゴ好きです。エッヘン。
関連項目→食べ物・果物→りんごつながり、チョコレートつながり、→バナナつながり
▼すてきです。
『ストロベリーフィールズ 新書館フォアレディースシリーズ』
(萩尾望都/新書館)
まるごと萩尾望都です。
きれいな絵入りの短編小説も、伊東杏里との爆笑対談も、
スケッチ帖も、エッセイも、写真集もありの盛りだくさんな内容に、
感じ入ります。
ファンの方、必携の書!
▼南米が短編の中にぎゅうっと。
「苺とチョコレート」
(セネル・パス/集英社)
なんという素晴らしい題!と私は思いましたね。
筋金入りの食いしん坊なので。
でも、原題は違うんですって。
原題は『森と狼と新しい人間』だそうです。
映画化されたのに合わせて『苺とチョコレート』にしたとか。
セールスのことを考えるなら、正解でしょう。
短編小説。だけども、ぎゅうぎゅうのメッセージが込められています。
オカマのディエゴと知り合ったダビドは…。
ダビドとディエゴの出会いはアイスクリーム屋。
「チョコ味もあるのに苺味を食べてる、やっぱりマトモじゃない」って
ダビドはディエゴを見て思います。苺って、女子供のものなのかなぁ。
南米、オカマと政治思想、そんなヘヴィなのはあんまり好きじゃないと気付く前に
終わっちゃってさみしい、ぎゅっと詰まった短編です。
→チョコレートつながり
▼号泣。
「いちご物語 全2巻 サンコミックス」
(大島弓子/朝日ソノラマ)
ラップランドから林太郎の嫁になるために
日本にやってきた<いちご>ちゃんがヒロインの少女漫画です。
大島弓子の初期作品。
抒情ドタバタコメディーかと思って読んだら…
号泣。ウッ。コメディーじゃないぃぃ。
これは…ひょっとして異種婚姻譚のバリエーション?
いちごは人間ですが、何も知らない少女です。
雪女や、宇宙人。そんな異種と恋をしたら、切ないですよね。
それに絡めて、大人ではない少女なんですから、
切なさダブルです。ウエーン。
▼移住したい!
『魔法がいっぱい! ハヤカワ文庫FT』
(ライマン・フランク・ボーム 天野嘉孝絵/早川書房)
「オズの魔法使い」のボームの処女作だそうです。
オズよりも先に書かれたのに、刊行年は後なんですって。
さて、このお話、【モーの国】のお話です。モーの国はお菓子でできています。モーの国には牛乳の河があり、上等のチーズでできた島があります。岸辺の淵にはクリームが盛り上がり、睡蓮のかわりに苺の大きな葉が浮かび、赤いイチゴがクリームにつかっています。川岸は白砂糖。キャンディーやボンボンは鈴なり。いつでも食べていいんですよ!
また、モーの国は美しが谷と呼ばれ、雨はレモネード、稲妻は花火、雷は歌劇『タンホイザー』の合唱部分。必要なものはみんな木になるので、勝手に取ってよろしい。誰も死ぬことはなく、やさしい王様がおさめています。 →さて落とし穴はあるのか?続きを読む
▼ほのぼの〜。
「いちご時代 全3巻 マーガレットコミックス」
(川崎苑子/集英社)
「ポテト時代」の続編です。
末っ子ふう子ちゃんが主役。
いつも不思議なんですが、川崎苑子さんの漫画は、絵柄に反して、
決して純粋培養のきれいごとばかりではありません。けっこう現実的です。
ヒャッホーって遊んでたら、
宿題をなくしたり、お姉ちゃんの真珠なくしちゃったり。
大変なんです。
でもねー、今となっては宿題もなくしてみたい。(ほんとか?)
アクセサリーでドキドキすることなんか幾久しく忘れてたし。
しかも、
なくした宿題は、お姉ちゃんが先生に掛け合ってくれる。
(先生はお姉ちゃんが気になり始める?)
お姉ちゃんが真珠を付けたいと思ったのは、友達の結婚式できれいになりたいから。
(彼と別れちゃったし?)
という具合で、ノスタルジー+さりげない物語展開の妙がいつも技アリなんです。オススメ。
▼ミステリー味。
「木苺狩り イギリス・ミステリ傑作選'78
ハヤカワ・ミステリ文庫」
(ヒラリイ・ワトスン編 中村保男訳/早川書房)
木苺狩りをしていた老人が倒れている。
籠には熟した木苺が摘まれていたが、
老人が倒れていたところの木苺は未熟。
どういうこと?
イギリスミステリ作家12人の短編集。
苺でミステリーはやや珍しい?
→ミニ特集・ミステリーと食べ物
▼かわいい本ですな。
「ストロベリー・ディクショナリー 永遠の少年少女に捧ぐスタイルブック」
(渚十吾/ブルース・インターアクションズ)
四季に分けられています。
春の【ア】〜【ン】、夏の【ア】〜【ン】、秋の…
という具合。
その時々にふさわしい、本、音楽、俳優、才人、ことば、もの、
その他諸々が解説されている辞書なのです。
因みに、春の【ヌ】は、ぬいとり(ブラッドベリ)、ぬかよろこび(ぬか漬けの素)、ヌアン(指輪物語…)、ヌーディズム(コクトーが…)。
当店で紹介している本もたくさん載っていました。著者さんと趣味の合う方なら、ブックガイドとしても使えます。見た目通り、ポップでキッチュな世界です。この本を読めば、好きなものが倍増しそう。
中身はこんな感じ→。
この後、ブルーベリー・ディクショナリーも出た模様。
▼食べたい!
「きいちごだより 月刊かがくのとも5 通巻242号(薄い絵本)」
(岸田衿子:文 古矢一穂:絵/福音館書店)
きいちご食べたい!
大好き!
そんな私ですが、「木苺にも何種類もある」とは存じませんでした。
そうなん? そう言われてみれば、ツブツブの大きいのと、細かいのと、2種類食べた記憶があります。
本書は幼稚園生の読む薄い絵本。
日本全国の動物さんたちが、自分の地元の木苺について、
手紙で報告し合うというもの。
「かけすのかけごろうさんへ ひつじのまきこより」
とかね、そんなの。
私が子どもだったら、もう、この木苺が食べたくて食べたくて、母を質問責めにしていたと思います。
私の食べたのは、「こじきいちご」と「もみじいちご」のようです。
居住地域から言っても間違いないところでしょう。
→手紙つながり
▼お気に入り。
「いちごの本 いちご好きのあなたのための97のいちご料理」
(マギー・ウォルドロン 外海君子訳/クイックフォックス社)
出会ってすぐ、お気に入りになった1冊です。
普通にいちごを使ったレシピ集です。
別に苺が好きでも何でもない人にとっては、ただのレシピ集に違いありません。
でも苺好きは、見れば見るほど好きになる本だと思うのです。
カラー写真もないし、気のきいたコメントも(あんまり)ない。
笑いもない。
でも、レシピは心をくすぐります。多分、愛があるから。いえ、マジですよ。
コニャックに浸してから、甘いソースをつけて食べる「フランス大使館のいちご」、
朝食に添える「簡単ないちごバター」、
なんかワクワクしません?
苺を使うオムレツ、サラダ等、たくさんあります。勿論デザートはとっても美味しそう。
※殆ど見かけない上、店主の好みで大変なプレミア価格です。ごめんなさい。
ほんとにお好きな方にだけ、オススメ。
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