迷子になったらまずHOMEへ

■雨つながり
雨の日には必ず…、などという作品がもっとたくさんある気がするのに、どうも思いつきません。くー。
とりあえず、こんな感じで。
関連項目
→傘つながり→雪つながり→風つながり

▼ほろり。

「雨恋」(松尾由美/新潮社)

帯が、『ありえない恋、ラスト2ページの感動。』です。
この、ラスト2ページとか、ラスト1行とか、そういうの、見過ごせません。
よね?
ラスト、確かにほろりとします。もちろん好きなラストシーンです。
あれをラストに持ってくるために、途中、わざわざ前後させている箇所があります。
(後日談を先に持ってきています)
それで大正解だと思うくらい、あれがラストで良かったと思いました。

全体的には、ミステリー>恋、でした。
伏線もたくさんあり、美しくキマってる。
作中の女の子によって語られる、印象的な場面、不可解な謎、
それは訳あって、何年もの間固定された一つの視点からしか捉えられていません。
主人公は時を経て、それを様々な角度から検討して、読み解き、
言わば同じ絵に対する違う解釈を教えてくれるわけです。「本当はこういう意味なんだよ」と。
そう、「アハ!体験」です。
ミステリというものは皆そうだ、と言われるかもしれませんが、
このお話は、構造上、それが際立っているのです。

栞紐の色が水色なのもいい。
因みに、栞紐の水色が効いてる!と思った本には他にアレがあります。
『パイの物語』
→猫つながり

▼多分、永遠の未読本。

『雨の朝パリに死す』(フィツジェラルド/角川書店)

F・スコット・フィツジェラルドの短編集。
昔、このタイトルにひどく憧れたことを思い出しました。
なんだか、いつも私の心にインパクトを与えるタイトルをつけるんです、彼って。
「華麗なるギャツビー」「雨の朝パリに死す」「夜はやさし」。
(※雨の朝〜の原題はBABYLON REVISITED。
バビロン再訪と訳す硬派な訳者さんもいらっしゃいますね。)

有名な彼の作品を私はひとつも読んでいません。
でも、そのワイドショー的な生涯はよく存じています。ごめんなさい。
→スコットとゼルダの話はこの辺で
→ドラマな題ランキング

▼雨ニモ負ケズ。

残念ながら、宮沢賢治の在庫がなかったので、
すごく感銘を受けたこの言葉を。

(※宮沢賢治さんの大ファンの方々、ごめんなさい。)

ヤリタイトキハヤリタイト言イ、
ヤリタクナイトキハヤリタクナイト言ウ、
西ニ求メル人ガアレバ、カケヨッテ、床ニ入リ、
東ニ愛スル人ガアレバ、肉体的接触ヲ持チ、
北ニ欲シガル人ガアレバ、叩ケヨサラバ開カレムト言イ、
南ニデキナイ人ガアレバ、ダイジョウブダト言ッテアゲル、
ソウイウ女ニワタシハナリタイ
(島村洋子『それでも地球はまわってる 恋愛相談のつもり』より)


恋愛の達人、島村洋子さんの恋愛相談です。恋愛相談って、なんだかバカらしいことが多いです。でも、これは恋愛中じゃなくてもホロリとさせてくれたり、感心させてくれたりする名著です。
人生相談というのは、先生のお人柄ですべてが決まるんだなぁと改めて思います。
とにかく名言の宝庫で、「好きなのに別れなきゃいけないときもある?」という質問に対しての答えは「あります」。もちろん先生にもあるそうで、
「あの男へのあの恋への仇討ちのための人生のようなものです。私は25にして余生を送ることを決意しました。」これなんかは、忘れられませんね。
→役に立つ人生相談ランキング

▼あめのひ。

『あめのひのトランペット くまのがっきやさん』
(安房直子:作 葉祥明:絵/金の星社)


絵本です。
短い短いお話の中にも、安房直子味が生きてます。
くまの楽器やさんのお話。
一番印象的なのは、トランペットが
「おかしの つつみがみより すてきな きんいろを していて、
あさの おひさまより まぶしかったのです。」
ってところだなぁ。
見返しも内容に合わせて、さわやかな水色。
何で水色なんだと思う?って子供に質問してみたいです。
→安房直子さんの著作在庫を検索する。
→楽器つながり
→クマつながり

▼雨の午後。

『雨の午後の降霊会 創元推理文庫』
(マーク・マクシェーン/東京創元社)

トパーズプレスでは『雨の午後の降霊術』というタイトルで出ています。
「霊媒マイラが立てた計画は奇妙なものだった。子どもを誘拐し、自らの霊視で発見に導けば、評判が評判を呼び、彼女は一流と認められるはずだ。そして夫ビルと共謀し実業家クレイトンの娘を誘拐。─(中略)─待ち受ける最終7ページの衝撃。ミステリ史上唯一無二、驚愕のサスペンス(あらすじより)」
衝撃は…ありません。「やっぱり」って感じ。映画で見かけることの多いオチのような気がしますが、気になった方は読んでみてもいいと思います。
→トパーズプレスの紹介はこちら。

他に…「雨の檻」(菅浩江/早川書房)
コレコレー!と思って、家捜ししたけど見つかりません。
借り物だったのかもしれない。きっとそうだ。