楽器の出てくる話。これもたくさんありそう。頻出つながりになりそうな予感です。
関連項目→音楽と小説の関係▼ピアノのような。
「無伴奏ソナタ ハヤカワSF文庫」
(オースン・スコット・カード/早川書房)
SF中短編集です。表題作『無伴奏ソナタ』の他、珠玉の10編を収録。
『無伴奏ソナタ』。その世界では、音楽の才能のある子供には、一切の音楽を聞かせずに育てます。人の作った音楽を聞いてはいけないのです。影響を受けるから。純粋にオリジナルな音楽を作らなければならないのです、天才は。
なのに、主人公の少年は──。そして、──なのに、彼は──。
と、読者の気持ちを揺さぶり続ける展開です。
主人公の弾く楽器が、はっきりと名前は書かれていなかったように記憶しておりますが、
明らかにピアノでした。
→ミニミニ特集・ドキドキ
▼タニザキめ。
『春琴抄』(谷崎潤一郎)
谷崎と言えば、コレかしら?
非常に耽美的な愛の世界。
古い映画もあったはずで、本を読まないウチの祖母もうっとりして、
その思い出話を語っていたことがあります。
▼チェロ。
『セロ弾きのゴーシュ 角川文庫』
(宮澤賢治/角川書店)
有名童話。いいですねぇ。
子供と語り合いたい童話です。
はぁ、私のところへも来てくれないかな、猫やかっこう、狸や野ねずみ。
そうしたら、きっとサクサク更新して、サクサクメルマガが書けるようになるんです。
でも、その場合、何を練習すればいいんだろう?
そんなアホみたいなことを考えてみましたが、
案外、賢治さんだって、そんなようなことを考えていたような気もします。
無心の研鑚の結果の、極意とか、悟りとか。
▼琵琶。
『陰陽師 全13巻』
(岡野玲子 夢枕獏原作/白泉社)
傑作漫画。陰陽師、安倍晴明の物語。
原作のほうも人気。でも漫画化で、一気に普及した気がします。
岡野玲子さんの絵の晴明、文句なくかっこいいしね!
晴明の親友、博雅さんが琵琶の名手です。
それにまつわる話もいろいろあります。
この二人のやり取りがとても良ろしいです。
私は、初めから博雅が好きでした。
あたたかそうで明るくてまっすぐでしょ。好みのタイプです(笑)。
▼トランペット。
『あめのひのトランペット くまのがっきやさん』
(安房直子:作 葉祥明:絵/金の星社)
絵本です。
短い短いお話ですが、安房直子味が生きてます。
くまの楽器やさんのお話。
一番印象的なのは、トランペットが
「おかしの つつみがみより すてきな きんいろを していて、
あさの おひさまより まぶしかったのです。」
ってところだなぁ。
見返しも内容に合わせて、さわやかな水色。
何で水色なんだと思う?って子供に質問してみたいです。
→安房直子さんの著作在庫を検索する。
→クマつながり
▼バイオリン。
『狂った旋律』
(パオロ・マウレンシグ 大久保昭男訳/草思社)
「ロンドンのオークションで、17世紀チロル産のバイオリンを手に入れた「私」のもとへ、小説家と称する人物が訪れた。熱に浮かされたように、その楽器を買い取りたいと言う彼は、やがて自らの不思議な経験を語りはじめた…。話者をかえながら、終始一人称で語られるこの小説の核になるのは、一人の辻音楽師の長い長い身の上話だ。ナチズムが影を落とすヨーロッパを舞台にした、彼の数奇な運命とは。そして最後に明かされる、意外な事実とは。50歳でデビューをはたした異色作家による、妙味あふれる小説(あらすじより)」
あらすじの通り、「ある骨董品にまつわる数奇な話」というジャンルでは、基本中の基本の展開です。
しかし、エンターテイメントに特化していないので、
「ミステリアスな小説」程度に押さえられています。
ラストまできっちり読ませますが、最後まで読んでも、
すべての謎が氷解して、スッキリして、瞠目して、拍手して、スタンディングオベーション、
というわけには行きません。
「骨董品にまつわる数奇な話」が好きで、楽器がらみの不思議な物語を静かに読みたい方にはすすめられます。
→骨董つながり
▼バイオリン。
『うかれバイオリン 世界名作童話全集48』
(ラング作 奈街三郎編著 長谷川露二挿絵/ポプラ社)
ラングさんのあつめた童話集。
うかれバイオリン、のろまなジャック、いのちの水、きんのライオン、ふしぎなパンがし、三人の王子とけものたち、ガラスの山、かえるのおよめさんを収録。
表題作「うかれバイオリン」は、小人からもらったバイオリンの話。
どこかで聞いたことがあるはず。
おひとよしで働き者のトムの「わらしべ長者」風童話ですが、悪人に陥れられて大変なことに。
でもトムって意外に、やり手だと思いませんか(笑)?
→ミニ特集・みつばち印学級文庫へ
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