城が出てくる本とか出てこない本とか(笑)。
城の話好きです。一番気になる城は、安土城。安土城復元の写真集、いずれ買おうと思いつづけて幾星霜。
関連項目→信長つながり、→ドラキュラつながり▼書棚に並べてほほ笑みたい。
「黒鳥譚・青髯公の城 講談社文庫」
(中井英夫/講談社)
一部で激しく敬愛され、畏怖される、耽美異端美文作家・中井英夫の著作は、ほとんどが絶版。
なんでやねんって暴れたいくらいですよね。
創元ライブラリに収録されてるからイイってもんでもないですよね。
でもまだ古書店では入手可です。がんばりましょう。
これは、あまり高価ではないものの中で、入手困難気味の1冊。
この機会にいかがでしょう?
→青ひげつながり
▼バカミステリ?
「ローウェル城の密室」
(小森健太朗/出版芸術社)
いつごろからでしょう? バカミステリって言葉が世に流布しだしたのは。
京極夏彦の頃から?
このローウェル城の密室も誰だったかに(みんなにか?)、
「バカミステリ」って言い切られてましたっけ。
私も「ほんとにバカなのかなぁ」と思って読み出して、びっくりしました。
いや、腰が抜けそうでしたよ。バカで(笑)。失礼?
著者が16歳で書き上げ、乱歩賞の最終候補に残った作品だそうです。
ところで、まったく関係ないのですが、綾辻行人さんって、いっつもソソル評を書きますよね。
彼の評にそそのかされて買った本がすごく多いことに今初めて気付きました。
因みにこの本についてた彼の評は、
「かの『ローウェル城の密室』を、ようやく読む機会に恵まれた。…中略…ある種伝説的な作品なのである。そこに登場する前代未聞(トンデモナイ)密室トリックの噂を、かねてよりあんな人やこんな人の口から聞かされてもいたのだが、なるほどこれは確かにトンデモナイ。若い柔軟な発想があってこそ編み出されえた、一回限りの大技と云えるだろう。」
…もう内容がどうだろうが読まずに死ねるかってもんです。(文庫で流通中。当店在庫は単行本のみ)
→関連項目 →綾辻行人つながり
▼グロテスク。
「城の中のイギリス人 白水社Uブックス」
(ピエール・ド・マンディアルグ/白水社)
著者自ら、気晴らしに書いたというエロチック小説。
(序文にそう書いていたような記憶があります。違っていたらごめんなさい。
※後日、再読したところ、そんなことは書かれていなかったような…。夢?)
この手のエロスってやりすぎてて、既にいやらしくないんですよね。
ある意味、笑っちゃう。
そこまでやるか、って言うかさ、そこまでやりたいのか?と思うわけです。
関連して?→ミニ特集・エロティシズム文学の傑作
▼小気味良いミステリ。
「ジェンダー城の虜 ハヤカワ文庫JA」
(松尾由美/早川書房/写真右)
まずは題でほほぅ、と。うまいこと言うね、と。
本歌「ゼンダ城の虜」、残念ながら未読なんですが。えへ。
城は題だけ。内容はごく楽しく読めるミステリ。
女性なら割りに胸がすっとするはずです。
彼女のテーマはジェンダーであることが多いのですが、その取り扱い方が大変さわやかなのです。
因みに、松尾由美さん、コバルトじゃないけど、
アルゴ文庫で少女ノベルを書いています(写真左、『異次元カフェテラス』)。
→本歌取りランキング
→アノ人の書いたアレランキング
→ミニ特集・コバルト文庫
▼映画見ました…。
「ルートヴィヒ2世」
(須永朝彦/新書館)
城と言えばこの人ですよね。
かのノイシュヴァンシュタイン城を作っちゃったアヤシイ人。
ノイシュヴァンシュタイン城、行きたいです。
私の行ってみたい場所は非常に月並みで、
ノイシュヴァンシュタイン城と、青の洞窟と、サグラダファミリアさ。
いや、ほんと月並みでちょーっと恥ずかしいです…。
ヴィスコンティの映画「ルードウィヒ・神々の黄昏」では、
ヘルムート・バーガーがこの人の役、やってました。
徹底的に耽美な映画で、長い階段を上ってくシーンが延々続いたりするの。
(ちょっと寝ちゃいました。)
本書では、須永さんがルートヴィヒ2世の人生をいろいろな側面から(ワーグナー、城、歴史…)語ってくれます。
→何世つながり
→ゲイつながり
▼これだからやめられない少女マンガ。
「王室スキャンダル騒動 エヴァンジェリン姫シリーズ 花とゆめコミックス」
(遠藤淑子/白水社)
とある小国の姫、エヴァンジェリン姫の物語。コメディーです。
姫さまは態度が大きくてサボリ魔の極めていい加減な人なんですが、
ちゃんと国のことは考えています。そんな姫の巻き込まれる事件の数々。
1、お姫さまである。2、おつきの者がいる。
というあたりで、すでに私の心を鷲掴み。
もちろん、毎回事件も愉快でねー。今でも読み返します。
面白いんだもん。佐々木倫子さんが好きな人は共通項を感じるカモ、です。
あ、エヴァンジェリン姫は城に住んでますから、城つながり(笑)。
安普請なんだから、城内はゆっくり歩け!って姫が言ってましたよ。
▼殿様と空のお城に住みたいよ。
「殿様は空のお城に住んでいる」
(「中国の壷 花とゆめコミックス」収録作)
(川原泉/白泉社)
少女マンガ。中編。著者にしては珍しく、舞台は江戸時代。
ヒロインはお姫さまで剣の使い手、殿様のところに
お嫁に行くんだけど、殿様は一見ぼんくら。
でもそれは、ぼんくらのフリをしてるの。
昔、殿の兄上はヘンテコな手紙を残して自殺していてさ。
「わたしが調べてあげる」と、男装して参勤交代のお共をするヒロイン。くす。
で、このお話ではマツタケがキーなんですよ。ふふっ。
とにかく読んで気持ちのいい佳品。
「笑う大天使」の外伝かな。
明らかに和音さんの御先祖の話のようですしね。
→キノコつながり
▼すすめられました。
「バッキンガム宮殿の殺人 ハヤカワ文庫」
(C・C・ベニスン/早川書房)
うちのミステリ好きの叔母がすすめてくれました。
「バッキンガム宮殿で殺人事件なの。メイドが探偵になるの。
エリザベス女王も出て来るよ。」
おぅ。そりゃ面白そうだね!
ふむ、ナニナニ。
「エリザベス女王が使用人の死体を発見するなんて―
居合わせたメイドのわたしは、事の真相を密かに探るよう命じられた。
…やがて宮殿で働く者たちの秘密が明らかに…
女王陛下の小粋なメイド探偵ジェインの活躍を描く…(あらすじより)」
ジェインは威勢のいい現代っ子で、小気味いいです。
叔母には、運良く入荷した続編をプレゼントしました。
→メイドつながり
▼本歌。
「ゼンダ城の虜 創元推理文庫 ※送料無料」
(アンソニー・ホープ 井上勇訳/東京創元社)
古典冒険小説。
わが国でも昭和初年より愛読され続けている大ロマンということで、
名前だけはよく存じ上げております。テヘ。
タイトルの本歌取りも結構見かけた気がしますが、
一番、心を動かされたのは、上述の「ジェンダー城の虜」(松尾由美)でした。
→本歌取りランキング
▼小さいです。
「城 ポケットペディア」
(フィリップ・ウィルキンソン 長谷川堯監修/紀伊國屋書店)
紀伊國屋書店の出しているポケットサイズの図鑑シリーズ。
本書は「城」がテーマ。
意外に侮れません。
小さい割りには、分かりやすい。
城の建設時に使う道具、紋章の意味、武器など、ある程度の知識を得るには充分そうです。
どこまでも詳細なことを調べたいのなら、大きな事典をひいたほうがよろしいでしょう。
西洋の城が主です。最後にちらっと(2pほど)日本の城も登場します。
ただ、ポケットサイズの持ち運びしやすい図鑑で城のことを調べるのはどんな人なのだろうと、
やや疑問に思いました。いつでもどこでも城のことを調べたいの?
→ポケットつながり
他に…「幽霊城」(サイモン・マースデン写真集/トレヴィル)
好き好んで、いわくありげなところばかりを撮ってまわってる、変人写真家サイモン・マースデンの写真集。見れば見るほど、なんかありそうです。あのドラキュラの城もあれば、青ひげのモデル、ジル・ド・レエのシャントセ城もある。彼の手にかかるとベルサイユ宮殿まで気味が悪いからすごいです。城という城がイヤになる本。でもつくづく見てみたい、変な本です。…これ、一押しなんだろうか?
→ドラキュラつながり
→青ひげつながり
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