| けっこう存在を主張するモノです。決めの小道具に使われることが多いように感じます。 関連項目→服飾→帽子つながり、→手袋つながり、→ズボンつながり
 ▼長靴をはいた猫、シンデレラ。  『ながぐつをはいたねこ 世界おはなし名作全集9』 (小学館)
 
 靴が出てくるお話は童話関係が多いです。
 長靴をはいた猫、シンデレラ、赤い靴…。
 
 本書、世界おはなし名作全集の第9巻は、『ながぐつをはいたねこ』と、『ねむりひめ』、そして『シンデレラ』を収録。
 『ながぐつをはいたねこ』は馬場のぼるさんが挿絵を担当。妙に長靴がダサいのが気になります(笑)。庶民的な長靴だなぁ〜。
 
 「シンデレラ」は宇野亜喜良担当なのがうれしいです。カラーで29ページ分。
 ▼シンデレラ。  「スジガネ入りのお姫サマになる方法」 (島村洋子/大和出版)
 
  恋愛の鉄人、島村洋子さんが、
 古今東西のいろんなお姫様話をネタに展開する恋愛エッセイ。十八番です。
 
 すっかり固まっているお姫様たちのイメージを粉砕してくれます。
 白雪姫に関して、
 王様が毎日、「お前が世界で一番美しい」とお妃さまに言ってあげていたら、
 起こらなかった話なんじゃないかって考察、さすがだと思いませんか?
 きれいかもしれないが、魅力的ではないという「白雪姫像」にも妙に納得。
 毒りんごなんか食べちゃって、留守番もできない位のバカな女だって(笑)。
 
 え〜、肝心のシンデレラは何と言われていたか、ちと失念(すみません、売り切れで)。
 確か、ツメが甘い! と言われていた気がします(笑)。
 面白い恋愛エッセイが読みたい時にも、ただ面白い読み物を読んで元気を出したい時にもオススメ。
 ※改題して文庫化。
 ▼テニス靴。  「たんぽぽのお酒 文学のおくりもの1」 (レイ・ブラッドベリ 北川克彦訳/晶文社)
 
  世界のベストセラー。
 ブラッドベリって、私にとってはほろ苦テイストの作家なんですが、
 これは、彼が特に若い世代のために書いたというせいもあってか、
 一瞬にして夏休み一日目の朝に引き戻されるような、
 「たまらん」感慨を与えてくれる作品です。
 
 少年の夏休みにはいろいろな事件があります。
 どれもささやかで、ありふれたできごとで、誰もが経験したことかもしれません。でも輝いています。中でも印象的なのが、頼み込んで手に入れる新しいテニス靴。靴屋のおじいちゃんに熱弁をふるってオマケしてもらうテニス靴。靴屋さんは自分が新しいテニス靴を履いた時のアノ感じをすっかり忘れていたことに気付きます。バイトするからオマケしてほしいと頼む少年に、靴屋のおじいさんは言います。
 ─「五年後にな、この大きなお店で靴を売るという仕事はどうだね?」
 ─「えっ、どうもありがとう、サンダスンさん。でもぼくはまだなにになりたいのかわからないんです」
 ─「なんでもなりたいものになれるよ、坊や」
 少年の夏休みの物語に登場する、老人たちのこんな言葉はとても深みがあって、ほんのり寂しい気持ちにも、温かい気持ちにもなります。今読むと、なんだか、老人側の心もよーく分かるんですよねー。
 少年の夏の物語でありますが、少年と老人達の物語でもあります。つまり人生の物語。良い本です。よっ、名作!
 →たんぽぽつながり
 →テニスつながり
 ▼くさいスニーカー。  「穴 HOLES」 (ルイス・サッカー 幸田敦子訳
        /講談社)
 
  これを読んだからにはもう、穴つながりと言えば、これしか思い付かなくなりそう、
 それほど穴主体の物語ですが、靴も目立っていますよ。
 
 本書の主人公スタンリー・イェルナッツは、運の悪い少年です。それは先祖ゆずり。ひいひいおじいさんがジプシーのおばあさんから豚を盗んだせいで呪いをかけられ、そのせいでイェルナッツの人々はやることなすこと上手く運ばず、まずい時にまずい場所に居合わせてしまうのだそうです。
 或る日、スタンリーは、野球選手クライド・リヴィングストンが寄付した(臭い)スニーカーを盗んだと誤解され、グリーン・レイク・キャンプに送られてしまいます。
 
 そこは更正施設とは名ばかり。レイクというのも名ばかり。水は一滴もない干上がった大地で少年たちはひたすら穴を掘ることを命じられます。1日1個の穴。
 目的のない労働ってつらいですよね。仲間の少年達も意地悪するし…。
 しかし、所長には目的があるようで、何かを見付けたら必ず申告するように言われます。どういうこと?
 →詳しくは穴つながりへ
 
 ※流通中。文庫版も流通中。
 ▼バレエシューズ。  「うさぎのくれたバレエシューズ」 (安房直子:文 南塚直子:絵/小峰書店)
 
  安房直子さんの絵本。バレエをする少女の短いお話です。
 この絵本、絵も素晴らしいですね。
 南塚直子さんって、失礼ながら、存じ上げないのですが、
 表紙をめくって、見返しに一面にひろがる桜の風景にびっくり。大喜び。
 銅版画なんですね。
 ちょっと見蕩れる、良い絵本です。
 →安房直子さんの著作在庫を検索する。
 →バレリーナつながり
 ▼赤い靴(エナメル)。   「蝶々夫人に赤い靴(エナメル)」 (森雅裕 /中央公論社)
 
  おー、これこれ。これは、靴つながりだよねー。
 タイトルだけかと思ったら、赤い靴はキーになっていますし、
 冒頭、守泉音彦さんが鮎村尋深さんに結婚式の晴れ姿用の草履を届けるために旅立っています。うむ、まさに靴つながり。
 
 赤い靴と坂本龍馬の刀が出てきます。
 ファンの方に。
 →森雅裕さんの著作在庫を検索する。
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