ボタンがあると押してみたくなりますね。
関連項目→服飾→帽子つながり、→手袋つながり、→靴つながり、→眼鏡つながり、→ズボンつながり▼さぐってみるボタン。
「心のボタン」
(東君平/サンリオ)
東君平さんの詩集です。
「心のボタン」、とても良いです。
心のボタンはね、
「いつか遠い日 母さんが しっかりつけた 小さなボタン
僕の心に とまっているよ 心のボタンと よんでるよ。」
(本文より引用)
そんな詩です。
ご本人の解説も良いですよ。
「心のボタンは、乱暴にあつかったり、意味も考えずに、ゆるめたりすると、
思いがけないことになる。返せないほどのお金を借りてしまったり、
自分の命や他人の命を軽く扱ったりという結果を生じたりする。」
「ただし、好きな人の前では思いきって外してみるのもいい。」
「しかし、それは一時期の手であって、普段はキチッと、かけておくのが心のボタンだと思う。
こんな偉そうなことを書きながら、空いた手で、さぐってみるのも、心のボタンだと思う。」
おぉー、あんまりいいこと言うから、殆ど写してしまいました。
善い人だな、君平さんは。
▼パニック・ボタン。
『パニック・ボタン 創元推理文庫SF』
(エリック・フランク・ラッセル 峰岸久訳/東京創元社)
短篇集です。表題作は39ページ。
パニック・ボタンとは、危機の時、警報を発したり、助けを呼んだりするためのボタンです。
地球人もアンタリア人も宇宙に移民できる惑星を探索している。
お互いそれは了解しており競争しているが、戦争にならないよう、
相手の先住権を尊重する決まりだ。
今、アンタリア人の宇宙船が着いた星には、地球人が一人、小屋を建てて住んでいる。
一人だけなら、消しちゃって惑星を自分たちのモノにすればいいんじゃない?
いや、一人のわけがない。仲間がいるにちがいない。
と、クルー達の議論は紛糾。
結局、その一人の男と話してみることに─。
なかなか面白いです。
オチは書かずにおきますね。
ハードSFっぽいカバーから想像するよりずっと読みやすいし、
短篇集なので手も出しやすいと思います。
▼猫の拾ってくるボタン。
『Think―夜に猫が身をひそめるところ ミルリトン探偵局シリーズ1』
(吉田音:著 坂本真典:写真/筑摩書房)
シンクという名の黒猫が、どこからか、不思議なものを持ち帰ってくる。
「光沢ビス」の袋のかけら、謎の白い粉、映画『箱舟』のちらし…。
いったい、どこで? この脈絡もないヘンテコな物々に、どんな状況、どんな事情があるのか。
クラフト・エヴィング商會の吉田篤弘・吉田浩美さんの娘(という設定の)、
吉田音ちゃんが著者です(という設定です)。
音ちゃんと円田さんが、シンクの拾ってくる物から推理をし、
その後に、解答篇のような短篇物語が挿入される構成です。
この持ち帰ってくるものの中に、ボタンがあった…はず…(記憶不鮮明なんですが)。
→猫つながり
▼他に…
『イル&クラムジーシリーズ』(大原まり子)
どの巻か忘れましたが、確か、「ボタン」そっくりに擬態しているボタン虫というのが、
ちらっと出てきた気がします。
ちらっとしか出ないけど、「そんなん居たら、絶対間違えて押す〜」と思ったので
記憶に残りました。
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