| 日本茶も紅茶も中国茶も。 ♪冷めてしまったチャイニーズ・ティー、お前の好きだったチャイニーズ・ティー
 …泣かないで〜(ねちっこく)泣かないで〜(ねちっこく)♪
 因みに→「泣かないで」(うたまっぷより)
 関連項目→お茶会つながり、→珈琲つながり
 ▼シナの茶全部。  『シナの茶全部』(R・ブレットナー) ※「年刊SF傑作選2 創元推理文庫SF」の収録作
 
  シナ茶は昔、大変高価だったわけで、
 その比喩として、「シナの茶全部もらっても、イヤだね!」と少年が悪態をつくところから始まる印象的な短篇です。
 全然SFではなくて、ファンタジックな奇妙な話だと思いますね。SF嫌いにもオススメできるファンタジック・アンソロジー。
 特にこの年刊SF傑作選2には、ロバート・F・ヤングの『たんぽぽ娘』が収録されているのが肝です。他の作品もなかなかそそられる、ジュディス・メリルの名編集。たいていの場合、他巻は価格抑え目ですので、揃えたい。
 →ミニ特集・名アンソロジー
 →ミニ特集・たんぽぽ娘
 ▼茶の葉。  『茶の葉』(E・ジェプスン、R・ユーステス) ※「世界短編傑作集3 創元推理文庫」の収録作
 
  死体の刺し傷のところに茶の葉が付いていた。
 そこから推理する密室殺人。短編です。
 ネタバレするので、詳しくは語りませんが、
 今や万人の知るトリックでは? 古典中の古典ですよねー。
 →世界短編傑作集についてはコチラ
 ▼持っていたいね。  『メルヘンの部屋18「紅茶の本」(世界の詩とメルヘン18のセットより)』 (里吉しげみ&水森亜土/世界文化社)
 
  スゲーかわいーです。
 亜土ちゃんのカラーイラスト満載、キュートな紅茶のウンチク本。
 見過ごせないシリーズの中の特に見過ごせない1冊。
 →ミニ特集・メルヘンの部屋
 ▼ヒナギクのお茶。  『ヒナギクのお茶の場合』 (多和田葉子/新潮社)
 
  短編集です。
 
 表題作は作家の「わたし」と、舞台美術を職業にするハンナのお話。
 わたしはウイキョウとヒナギクのお茶の使用済みティーバッグをハンナのために残しておく。
 ハンナが紙を染めるのに使うから。
 「それから、ティーバッグというものも、使い終わったら捨ててしまうものだと、思い込んでいた。思い込んでいたことが多すぎる。ハンナに出会うまで(本文より引用)」
 
 多和田葉子さんの作品を読むのは初めてです。
 豊かな感性と漂う思索、それがそのまま文章になっているようです。
 膝を打ちたくなる箇所がいくつもありました。
 私はこの小説のラストが好き。
 推理小説風に言わせていただくと、途中にさりげない著者のミスリードが紛れていて、
 まんまとしてやられました。これ、わざとですよね?
 声に出して笑うような小説ではありませんが、ただ愉しめばいいのだと思います。
 →菊つながり
 ▼紅茶。  『続・紅茶の時間』 (東君平/サンリオ)
 
 詩集です。
 帯は「あなたの心のティータイム」。
 巧いですね!
 
 小さな恋の香りのする詩と、ニッコリするような小さな真実のある詩。
 そんな詩集です。
 構えずに読む。企みなく読む。そういう時間も必要です。
 
 「紅茶の時間」
 木蔭のテーブル
 紅茶に うかんだ
 レモンの 薄切り
 こんな小島に
 ふたりで住みたい
 (本文より)
 
 私は意外に アトガキが好きです。
 その一節。
 
 アヒルガ イタラ
 ナキマネ シヨウ
 
 クサガ アッタラ
 クサブエ フコウ
 
 カラスガ ナイタラ
 モウ  カエロウ
 (アトガキより引用)
 
 そんな人に私はなりたい。
 ※流通中(現在定価¥795)
 ▼紅茶。  『紅茶好きのメニューブック』 (山田詩子/文化出版局)
 
  紅茶に合うレシピ集です。
 めざめのティー、朝食のティー、イレブンジズ、お昼ごはんのティー、ひとやすみのティー、おもてなしのティー、夕食のティー、おやすみ前のティー、
 それぞれに合う軽食やお食事のレシピ。いろんなティーの入れ方もあります。
 写真は一枚もありません。著者の山田詩子さんは紅茶の店「カレルチャペック」を開店した方。というわけで、おなじみのかわいい絵が挿絵になっています。
 
 レシピは簡単で、すごーくおいしそうです。
 小さなはちみつパン、簡単りんごケーキ、バナナのパン、豆のカレー…。
 ▼とにかく日本茶。   『暮しの茶 平凡社カラー新書26』 (小川八重子/平凡社)
 
  保育社のカラーブックスか、平凡社カラー新書か。
 古本好きは一度は考えたことのある二択ではないでしょうか。
 カラーブックスと同じく、写真ふんだんな丁寧な作りで、
 テーマの幅の広げ方、掘り下げ方もお手のもの。
 ただ、カラーブックスよりテーマ選びがひねってある気がします。
 どうでしょう?
 
 本書では、日本の暮しに密着する「茶」を、いろいろな側面から見つめ直しています。
 ▼他に…『オリビアを聴きながら』 |