『バカの壁』は未読です。ポオの黒猫も壁がミソかな。あ、あのミステリも壁だ。ネタバレで言えないけど(笑)。そう考えると、意外に怖いですね、壁。
関連項目→住まい→窓つながり、→絨緞つながり、→扉つながり、→エレベーターつながり、→階段つながり▼ルイスと魔法使い協会。
「壁のなかの時計 ※送料無料」
(ジョン・ベレアーズ 三辺律子訳/アーティストハウス)
でぶっちょのルイス少年は両親を亡くし、ジョナサンおじさんと暮らすことになります。
でもおじさんには何か秘密があるみたい。
真夜中に家の中をうろうろしてる…。
じつはジョナサンおじさんは魔法使いだったんです。ババーン。
そして、おじさんの家の壁の中では、前に住んでいた悪い魔法使いの仕掛けた時計が鳴り続けているのでした。
ルイスとおじさんと、おじさんの友達の魔法使いツィマーマン夫人は、ハロウィーンの事件がきっかけで、その謎解きに挑むことに…。
ハリー・ポッターは、隅々までシステマティックに練られた緻密なファンタジーでしたが、これはもう少しゆるやかな、子供も臆さずに読める魔法ファンタジー。軽やかです。
シリーズ第1作目。
→ハロウィンつながり
→時計つながり
※流通中(定価¥1680)
▼もどかしい〜!!
『ささやく壁 扶桑社ミステリー文庫』
(パトリシア・カーロン 富永和子訳/扶桑社)
(ミステリーということで、エンターティンメントではございますが、
身近な人に、そんな患者さんが方いる方は絶対気楽に楽しめないと思います。
その点、御注意。念の為)
ヒロインは老婦人サラ。
しゃべれないし、動けない。寝たきりの生活ですが、じつは目や耳は正常です。
そのことを誰にも伝えられなくてもどかしい思いをしながら、看護婦さん付きで自宅療養中。
彼女のお気に入りのベッドの位置は窓側。外が見えるからじゃないんです。
じつはそこの壁伝いに、階下の話し声が聞こえてくるのです。
しかし、或る日、階下の新しい間借り人たちは、殺人計画を相談し始めます。
さあ、どうする?
なにしろ身動きが取れないので、常にもどかしい。じれったい。
それでとことん、読ませてくれます。もうちょっと言いたいけどネタバレるので我慢。
もうちょっと聞いてもいい人は、以下↓反転で。
なんとか、11歳の少女に意識があることを伝えられましたが、
そのことが、よりによって殺人を計画中の間借り人にバレてしまいます。
彼らは、サラをも一緒に殺すことに計画を変更します。さぁどうする?
オススメです。
※¥660で流通中。
▼フィニイさん好きに。
『マリオンの壁 角川文庫』
(ジャック・フィニイ/角川書店)
「"マリオン・マーシュここに住めり…"ニックと妻のジャンが、移り住んだ古い家の壁紙の下に見つけた口紅のなぐり書き。その落書きは、かつてこの部屋に住んだ無名の女優マリオンが残したものだった。彼女は才能を認められ、いよいよハリウッドへという前夜に、自動車事故で急死していた。落書きを見つけた数日後、偶然にもニックとジャンは、マリオンが最後に出演した映画をTVで見た。ほんの端役だったが、マリオンの印象は鮮やかだった。そのとき、ほの暗い部屋のどこかからニックに囁く声がした。ジャンの体にマリオンが憑依している…。映画を愛する人すべてに贈るノスタルジック・ファンタジー(あらすじより)」
私、これ全部読んだんだっけ?
いいとこで止めてる気がします。
そう。夢中で一気読み、という作品ではないかもしれません。
フィニイさんお得意のノスタルジックな雰囲気で、しみじみと読めるファンタジー。
まずは『ふりだしに戻る』を読んでから、いかがでしょうか?
→ミニ特集・シネマの世界
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