天使って何なんですかね? 私は宇宙人くさいとにらんでいます。初期の天使像とかで、とても恐ろしい形態のものがありましたもの。天使の出てくる作品、いっぱいあるので、そのうち追加します。まずはこの辺で。 ▼やっと入手。
『天使 Der Engel』
(佐藤亜紀/文藝春秋)
ついこの間の発行なのに、ウッカリしていたらアっと言う間に品切れ。
やっとこさで入手しました。オホホホーッ(テンション高め)。
というわけで、店主の秘蔵本です。
まだ読んでません…。(※2004年時点→その後、読了→一押し・ブックレヴューはこちら)
帯は「第一次世界大戦前夜、天ブの<感覚>を持つジェルジュは、
オーストリアの諜報活動を指揮する<顧問官>に拾われ、
その配下となる」「堕天使たちのサイキック・ウォーズ」
著者の十八番にして、傑作の予感です。
最近また本屋さんに並んでいるようですが(未確認です)、
どうせまた品薄になると思うので、お早目に入手されることを推奨します。※2004年時点。→その後、文庫化。
→超能力つながり
→一押し・ブックレヴューはこちら
▼気になるあらすじ。
「ブラック・エンジェル」
(松尾由美/光風社出版)
「バルーン・タウン」や「ジェンダー城」で注目された
松尾由美さんの<初の書下ろし長編ミステリ>(帯より)だそうです。
あらすじの魔力にコロリといきやすい私は、
「そいつは中古CDについてきた。そして、そいつは何と
我らがマドンナを殺してしまったのだ…?!」
って帯でノックアウト。
「そいつって何よ?!」ちゅー感じでノってしまいました。
すぐに気付くのは、著者が「バルーン・タウン」などでも
追求しているジェンダーの問題を、今風に取り込んでいること。
主人公の青年にホモのフリをさせています。
キャンパス・ミステリーでエッセンスはホモ?(失礼?)
でも、「バルーン・タウン」などと同じく、イヤな感じはしないです。えらい。
(創元推理文庫版でも出ています。当店在庫は単行本)
▼好きだなぁ。
「伯爵と呼ばれた男 全5巻 花とゆめコミックス」
(高口里純/白泉社)
舞台はハリウッド。伯爵と呼ばれる麻薬の売人が主人公。
名セリフと名シーンと名女優でいっぱいの、
傑作連作短編集。大好きです。
少女漫画ベスト10を作るとしたら、裏編(笑)にランクインします。
さて、出てきますよ、天使が。
5巻に収録の「天使天使天使」は、男装の麗人、アレクシス・オベロンの話。
彼女は、麻薬を<天使>と呼びます。
「天使を買いにきたわよ」、彼女はそう言って伯爵の元を訪れます。
「伯爵と呼ばれた男」はとにかく名作揃いの連作短篇集ですが、
私は中でも、「薔薇色のきみ」と、イミテーションのダイヤの話が好きです。
未読の方はぜひに。
→ミニ特集・薔薇は何本あるか?
→ミニ特集・シネマの世界
▼気になるあらすじ。
「天使と宇宙船 創元推理文庫SF」
(フレドリック・ブラウン/東京創元社)
フレドリック・ブラウンの何に、いつも立ち止まるかと言えば、
タイトルのうまさじゃないですか?
ひょっとして魅力的なのは邦題だけ?と思えば、さにあらず。
これは原題も、ANGELS AND SPACESHIPS。
おぅ。天使と宇宙船だぃ。
ま、と言ってもですね、これはブラウンの傑作中短編集で、
天使と宇宙船という題の作品はナイんです。
「ミミズ天使」(!)はありますけど。
あくまでもブラウンが好きな人にはたまらん、のだと思いますね、ハイ。
▼天使の会話
「The
Angelic Conversation」
(インタビュー=デレク・ジャーマン他/質問舎)
むかし、レンタルビデオ店でめちゃくちゃマイナーそうなビデオを発見しました。題がいい。Angelic
Conversationなんてね。帰宅して何気なく見ていると、ストーリーはナイも同然だけど、やけに印象的な凝った映像なわけです。アート・フィルムか、ふーんと思ってぼんやり見てて途中でびっくり。うおっ?!寝て見てたけど、思わず起き上がりましたよ。と、そこへお約束のように家族がやって来てですね、非常にうろたえたのを記憶しています。 →つづきを読む
→ゲイつながり
→ミニ特集・シネマの世界
▼堕天使。
『オットーと魔術師 SFファンタジー 集英社文庫コバルトシリーズ』
(山尾悠子/集英社)
収録作品は、「オットーと魔術師」「チョコレート人形」
「堕天使」「初夏ものがたり」。
珠玉の短篇集。
この中で「山尾悠子作品集成」に収録されているのは、「堕天使」のみ。
つまり、これはファン必携の書なんですね。
さて、その「堕天使」ですが、さすがにとても印象的。
読後、何年を経ても思い出して、再読したくなる作品の一つです。
まぁそんなことを言い出せば、この本の収録作は全部そのクチなんですけどさー。
→魔術師つながり
→ミニ特集02・コバルト文庫
→関連して・詳しくは
▼天使、捕獲さる
「大きな翼のある、ひどく年取った男」
(「エレンディラ ちくま文庫」の収録作)
(G・マルケス/筑摩書房)
マルケスの異色短篇集。『百年の孤独』と『族長の秋』の間に生まれたそうです。
「奇想天外で時に哄笑をもさそう」と紹介文にある通り、
天使が捕まっちゃうというセンセーショナルな事件の
思いがけない展開には笑っちゃいました。
行き倒れていた天使を捕獲。さてどうするか?
種付け用に大切にするという村人の意見があった、ってところ、
ツボでした。
まぁ確かに天使に行き倒れられても困ります。
特にそれがひどく年取った、威厳も力もない男であった場合には。
▼密室殺人。
「くらやみの天使たち 双葉文庫」
(辻真先/双葉社)
終戦直後、新制高校。映画狂の学生達。
「その日も授業をサボって友人と映画館に潜り込んでいた。
いい気分でトイレにたった時、
うるさ型の福宮先生とバッタリ。『そこで待っとれ!』と言いおいて
先生はトイレに入る。暫くしてトイレから鮮血が…先生は刺殺されていた。
完全な密室殺人だった。(あらすじより)」
おぅ? 天使はタイトルだけみたいだけど、ちょっと気になります。
▼子供心。
「クローディアの秘密 岩波少年文庫」
(E・L・カニグズバーグ 松永ふみ子訳/岩波書店)
小学生の姉弟が家出をします。
姉が計画を立て、弟を誘うのです。そのお小遣い目当てで(微笑)。
行き先はどこだと思いますか?
メトロポリタン美術館ですってよ!
いい考えだ〜。やってみたい〜。
さてさて、二人はホームシックなんかにはなりません。
それどころか、ミケランジェロの作か?と言われる話題の天使像の秘密を探り始めます。
秘密も楽しいけど、二人の美術館での毎日が微笑モノです。
ラストも納得。
子供に読ませたい1冊です。
→姉弟つながり
▼天使見習い。
「だめ天使ところころ魔女 新しい世界の童話シリーズ」
(アーシュラ・ウィリアムズ 田中明子訳 グレニス・アンブラス絵/学研)
ベラベリンダおばさんは魔女。
その力を生かして、みどりのおばさんをしています。
或る日、おばさんが見付けた天使はまだ小さくて、未熟で、
子供を守る守護天使の役目を果たせず、凹んでいます。傷心。
おばさんは天使の少女を家に連れ帰り、仕事を手伝ってもらうことにしました。
みどりのおばさんの仕事は大変だし、なんと言ってもフォッグルバッチ家の3人兄弟と来たら、天使のようにかわいいのに、悪魔のようにいたずら好きだからです。
天使の少女の成長物語。フォッグルバッチ家の兄弟が出てくる度、
ハラハラします。でもかわいい。
大人になるとイイ男になりそうだね、というのは大人の女の感想(笑)。
→魔女つながり
▼好き!
「ラーメンてんし キンダーおはなしえほん5(第14集5)」
(やなせたかし:文・絵/フレーベル館)
※痛汚有
ほんの30頁の絵本です。でもすごく好き!
ラーメン天使大好き!
ラーメンぼしのラーメンのゆげのなかからうまれたラーメンてんしのお話。
ジャングルでライオンに追いかけられているシクシク少年を助け、
さらに泣いているシクシク少年の力になります。
すんごくカワイイ30頁です。かなり胸キュンです。
そしてそのラーメンが食べたい(笑)。
(この話にアンパンマンは出てきません。アンパンマンに出てくるんでしょうか?)
→麺類つながり
▼悪たれ小僧。
「わんぱく天使 角川文庫」
(J・M・デ・ヴァスコンセロス 岡本浜江訳/角川書店)
「続・わんぱく天使 角川文庫」
(J・M・デ・ヴァスコンセロス 南本史訳/角川書店)
「パウロんちの悪たれ」と呼ばれているぼくは5歳。
家は貧しく、ややグレてます。
感受性豊かな少年で、それゆえにいろいろあります。
「続・わんぱく天使」は、その続編。ゼゼは11歳になっています。
現在、「続わんぱく天使」のみ、在庫にあります。→売り切れました。
他に…「一人で歩いていった猫」(大原まり子)
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