鍵がキーの話を(笑)。 関連項目→閉所つながり、→扉つながり ▼いーなー。
「魔法の鍵 集英社文庫コバルトシリーズ」
(めるへんめーかー企画 大原まり子、井辻朱美、菊地秀行他/集英社)
元々はめるへんめーかーさんの漫画の原作用に、
作家さんたちに書いてもらった作品だとか。
それをまとめて短編集にしたものです。
共通テーマは「魔法の鍵」。
メンバーが豪華です。大原まり子、菊地秀行、
久美沙織、井辻朱美、風見潤、小室みつ子、波多野鷹、
正木ノン、大和真也。
→ミニ特集02・コバルト文庫
→すごいメンバーつながり
▼80年代の最もエキサイティングな小説(帯より)。
「鍵のかかった部屋」
(ポール・オースター 柴田元幸訳/白水社)
人気者のポール・オースター。著者近影はいつも男前です。
(いや、一応それについても触れておきたくて。)
きちんと描かれた情感のあふれる小説に出会うと、
その内容が恋愛モノであるかどうかに関わらず、
無性に恋愛したい気持ちになります。それはなぜ?
日頃、テキトーに過ごしてるから感情の起伏は
いたって平坦になっているんだけど、そういう小説を読むと、
登場人物の感情の流れに飲まれて、
何もかもに過敏に反応してしまう恋の始まりのアノ頃を思い出すから。
だと思うんですけど、違いますかな?(いや、テキトーっす)
何やら胸騒ぎのする小説です。
▼谷崎は、谷崎。
「鍵・瘋癲老人日記 新潮文庫」
(谷崎潤一郎/新潮社)
よろしーなぁ。谷崎さんは。
鍵も瘋癲老人日記も、濃いぃ日記小説です。
鍵なんて、自分の大好きな舞台で自分の好きなようにやった、
ものすごい妄想小説。だと思いませんか。
たまには原点に帰らなくっちゃと思わせられる、文学作品。
→日記つながり
▼鍵穴さがし?
「黄金の鍵 ちくま文庫」
(G・マクドナルド/筑摩書房)
表題作「黄金の鍵」は黄金の鍵を見つけた少年が
少女と鍵穴を探す旅に出ます。さて、鍵穴はどこに?
鍵探しでなく、鍵穴探し!ってところが、素晴らしいと思うんですよね。
子供に読ませて自分も楽しい本の一つかと。
→宝探しつながり
▼三島さんも。
「鍵のかかる部屋 新潮文庫」
(三島由紀夫/新潮社)
(注・バリバリ新刊で流通中ですので、こちらを単品でお買い上げいただくと
御損になります。)
鍵のかかる部屋で、少女とエリート官僚の密室遊戯。
彼が少女を膝の上に抱くところが、とても印象的です。
なんでしょう? 森瑶子の『浅水湾の月』でも、美少女をイギリス人
が膝の上に抱くところがあり、ドキッとしましたっけ。
いや、あれはそのままエロチックな意味だったからか…な?
青年は少女の母親と情事をもっており、その母の死後、訪ねてきた青年に
「いつもお母ちゃまが鍵をかけたでしょう。」入れてもらえなかったから、自分で鍵をかけてみたいと思っていたのだ、と言って鍵をかける少女。
エリート青年の心情をつぶさに見せて、読者を揺さぶる、いつもながら三島由紀夫の手腕は確かです。
表題作のほか、全12編をおさめる短篇集。
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