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ニヤリ。
『3人がいっぱい(1)(2) 新潮文庫』
(吉行淳之介、阿佐田哲也ほか:文 和田誠:絵)
※小口、天地のシミあります。御注意!

小説新潮に昭和48〜54に連載されていた【今月の3人】を収録しています。

これをリアルタイムで読んでいらした方、面白かったでしょうね〜。初めのほうは、和田さんがテーマに合わせて選ばれた3人に同じ質問をしていますが、その後は、毎回違う選者が、それぞれのテーマで選んだ3人について、寸評をしています。
テーマと見比べても、縁もゆかりもなさそうな、思いもがけない顔ぶれの3人が選ばれていて、「なんでなんでー?」と思って読むうちに納得。ニヤリ。とかね。うちのサイトの<つながり>も、かくありたいもんですな。(無理か)

例えばですね、東海林さだおが選んだ「三人をハゲます会」は、稲垣足穂、田中小実昌、殿山泰司。アハハハ。そういうことです。川上宗薫の選んだ「一見弱そう」、田中小実昌の選んだ「三大ボイン歌手」など見るからに面白いテーマも多数。誰のことなのか知りたくなりますよね? 和田さんのイラストももちろん花丸〜。

3分冊ならますます素敵だと思ったけど、私の知る限り2分冊(完結って書いてあるので2冊なのだと思う…)。合わせて84組252人。たっぷり楽しめます。

桃色家屋。
『やさしい人へ ピンクハウスのイラストレーション・カード・ブック』
(大橋歩/文化出版局)
※送料無料
 ※カードブックはA、B各48枚綴りだがAの2枚欠

じつはピンクハウスには無縁の人生です。唯一の接点と言えば、川原泉さんのマンガ『三月革命』の中で、ヒロインが着ている洋服について、「これは桃色家屋でもなんでもありませんがな、これは昔、浩生が作ってくれた…」って独白するところですかね。アハハ。ちっこい接点だなぁ。しかもあんまりイイ接点じゃないし。苦笑。

でも、これはイイですね。大橋歩さんがピンクハウスのために描いたイラストのポストカードブック2冊。主に'81〜'86くらいのイラスト。付属の冊子には、ショーのためのポスター絵も掲載されていて楽しい。接点はなくとも(笑)、かわいいもんはかわいい。素敵なもんは素敵です。

○カードブックAとカードブックB(各48枚綴り)
○冊子(40ページ、右の写真)
のセット、函入(函の写真は上)です。

冊子には、金子功、原由美子、高田喜佐、長友啓典らがそれぞれ2ページ寄稿有。発行年は昭62ですから、コアなファンの方は今のうち〜!

アンソロジー好きに。
『怪奇小説傑作集4─創元推理文庫─』(アポリネール他 青柳瑞穂、澁澤龍彦訳/創元推理文庫)※4のみ

アンソロジーが好きです。特にメンバーや主旨に感心すると、入れ込んでしまいますね。この気持ちははなんでしょう? あれとあれとあれが1冊に入ってる喜び? 意外に稀少で読めない作品がポロリと入ってたオマケ的喜び?

この怪奇小説傑作集自体は、そんなに珍しくはないですが、1〜5まであるうちの、この4(フランス編)が一番好き。だって訳者も収録作もイイんだもん。
ラインナップが見事で、フランス文学に対する愛憎半ばするワタクシの気持ちを揺さぶります。
マルキ・ド・サド「ロドリグあるいは呪縛の塔」、シャルル・ノディエ「ギスモンド城の幽霊」、ペトリュス・ボレル「解剖学者ドン・ベサリウス」、テオフィル・ゴーティエ「死女の恋」、マルセル・シュオップ「列車〇八一」、ギョーム・アポリネール「オノレ・シュブラックの消滅」他、全21編。

こうなってくると、俄然5冊揃えたくなってくる名アンソロジーです。以前、ここで御紹介した『世界短編傑作集 全5巻 創元推理文庫』の怪奇版ですね。

※復刊されてますので、新刊でほしいかたは新刊本屋さんで買えます。但し、表紙等リニューアルされています。できれば、この旧版のほうが素敵では?

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予告編はナシで。
『夜の子どもたち』
(芝田勝茂 小林敏也:絵/パロル舎)

見たいと思っている映画があるとしましょう。その映画の予告編をご覧になります? 
私はですね、極力見ないように心がけます。昔、「ターミネーター2」を上映していた頃も、何の予備知識もなく見に行きましたので、アノ冒頭では一人で大興奮でした。
主人公の少年が初めて、シュワルツェネッガーに出会うところ。「キャ〜早く逃げて〜ッ」って。その直後、シュワちゃんが、「伏せろ!」と言ったときの衝撃には、激しく心ときめきましたので、以来、映画はできるだけ予備知識なしに見るようにしています。

さて、このお話も、予備知識なしのほうが楽しいんじゃないかしら? じつは、ワタクシ、この著者の作品は初めて。だからますます、これが一体どんなジャンルの作品なのか見当が付かなくて、戸惑いながらもワクワクできました。突然登校拒否になった5人の子どもたち。彼らは共通の恐怖体験をしているようだが、それについてはなかなか語ってくれない。そして、その街の「秘密」。<これはどんな話なのか?>、それが分からない不安は、巻き込まれた主人公(=心理カウンセラーの卵)の気持ちにシンクロして、特殊効果を上げます。7/28から8/8まで11日間のお話。子どもも大人もドキドキしながら読めそうですよ。
なんの気なしに、むしろ期待せず読み始めたい1冊。(※流通中です。)

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噂の色付き。
『ビリチスの歌 角川文庫』
(ピエール・ルイス 鈴木信太郎訳/角川書店)

1895年作の、「ギリシャ古詩」です。
えーっと、つまり、フランスの詩人ピエール・ルイスが、<紀元前6世紀のギリシャ女流詩人ビリチスが書いた詩>として、創作したものです。当然、ビリチスは架空の人物。もちろん、ビリチスの伝記もルイス作。素敵。さらに目次には、<翻訳不可>と注のついた詩もあるんだけど、これだって、ルイスの創作。巧妙な構成の虚構なんです、すべてが!

鈴木信太郎によると、ルイスがこの著書を贈ったアテネ出身の某教授は、「…前にビリチスの作品を読んだことがあったが…云々」と礼状に書いたと伝えられているそうですよ。
今では時々見かけるトリッキーなアイディアですが、なんといっても1895年ですからね、驚いちゃいます。
内容は、官能的な愛の詩が多いです。

そして、うれしいことに、この本、
文字が深緑。(改版初版です。)イェーイ。

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うっすら不気味。
『恐怖の館 世にも不思議な物語』
(レオノーラ・キャリントン/工作舎)

改めて一押しです。レオノーラ・キャリントンのシュルレアリスム短篇集。
シュルレアリスムですから、ブルトンとかダリとか、その辺りを連想するのは勿論なんですが、私は、あのー、愚弟の愛読している少年マンガ『ベルセルク』の、変な卵を連想しました。……なんでだろ? あの造形を見た時の薄気味悪さ、それと同じ薄気味悪さが、レオノーラ・キャリントンの短篇には漂っているんですよねぇ。彼女が一時期恋愛関係にあったマックス・エルンストの挿画(コラージュ・イラスト)が、それを倍増させてます。
また、シュルレアリスムの短篇という言葉だけではおさまりきらない、女性らしい幻想性や<しっとり感>が、強烈な印象を残します。
私のお気に入りは『デビュタント』。デビュタント(社交界デビュー)に行きたくない少女が、友達のハイエナに代わりに行ってもらうことにします。でも、すぐバレちゃう。どうしよう? そうだ!あのメイドを…。…。『卵型の貴婦人』も好きだなぁ。
十数ページ、レオノーラの写真が掲載されています。キリっとした美人です。感心したのは、みんなが目をつぶっている写真。被写体の4人がみんな瞑目してるの! これはイイ!それだけのことなのに、すごく変。やらしい。気持ち悪い。すぐに実行できるナイスアイディアだと思いました。やってみようっと。悪趣味?

→卵つながり
→メイドつながり(作成中)
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※「デビュタント」は「最初の舞踏会」として「怪奇小説傑作集4 創元推理文庫」に収録されています。

くす〜。
『サニーサイドアップ 和田誠漫画集』
(和田誠/CBSソニー出版)

和田誠さんの漫画集。(コマ割りとかはなくて、一枚絵で笑わせてくれるほうの漫画ね)。

クス〜と笑える絵本として、老若男女楽しめるのではないでしょうか。しかもカラーだ。イェーイ。
私はね、チェスの馬の駒がシマ模様になってるのとか、落下物注意(?)の看板が落ちて来てるのとか、サルのヤシの実の取り方とかが好きかな。(訳わかんないと思いますが、見ていただければ一目瞭然なの。)とにかくクス〜なんですわ。

約60ページ。A4変形。年代的にも(1980年)、そろそろイイ感じです。

→和田さんと言えば、これも。
→これも。
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ちょっと、ウフフ〜。
『アリスの国 vol.1 高級少女文芸誌』
(河出書房新社)

うひょ〜っと、ちょっと小躍りしちゃう。執筆者が豪華〜。
「風邪をひいたアリス」(松本隆:文 大島弓子:絵)、「雪のしあわせ」(坂田靖子)、「Miss Broomのお引越し」(めるへんめーかー)、「絵本・少年アリス」(長野まゆみ)、「ゆるい眠り」(江國香織)、「Osamu Good's Heaven」(原田治)、「指輪」(松本小雪)、「迷宮のオブジェ」(小林麻美)、「アナザー・デイ」(川村真澄)、「ボクの憂鬱」(堀田あけみ)、「Spirits」(きたのじゅんこ、7p)。
高級少女文芸誌というとおり、ソフトカバーの雑誌風です。雑誌風に広告も入ってますが、その広告もカワイくて注目。これってワザとですよね? 狙ってますよね、コレ?
vol.1とは言ってますが、vol.2の噂は聞きません。出てない?

→アリスつながり


なつかし〜。
『世界少女名作全集 全30巻』
(岩崎書店)
※難有りの巻あり、ご注意。

最近、女性のお客様と、ものすごく一体感を感じる分野があります。それは、名作少女小説と、美人ネタなんです。ねぇー、好きですよね? ね?
名作少女小説を読み耽った幸せな少女時代…。胸キューン。この赤紫のカバーがすでになつかしいですもん。

今もきれいな装幀で発刊すれば売れると思うんですが、この手のモノ、あまり見かけないのは、なんでかなぁ。潜在的需要はすごくあると思うんですけども。
今こそ全部読みたいという方、お子様に読ませたいお母様、とにかくあの頃の思い出を保存したいコレクターの方、全巻揃ってます。この機会にいかがでしょ?
私は有名作しか読んでないのですが、今改めて見ると、このラインナップは立派です。うーん、書きますかね。

アルプスの少女(スピリ)、若草物語(オルコット)、三色すみれ(シュトルム)、家なき少女(マロ)、愛の妖精(サンド)、少女コゼット(ユーゴ)、足ながおじさん(ウェブスター)、ローズの季節(オルコット)、愛の一家(ザッパー)、赤毛のアン(モンゴメリ)、車輪の下(ヘッセ)、愛の四少女(オルコット)、名犬ラッシー(ナイト)、美しいポリー(オルコット)、風の中のポリー(オルコット)、ローズの幸福(オルコット)、枯れ葉(オー・ヘンリー)、町からきた少女(ヴォロンコーワ)、ライラックの木かげ(オルコット)、少女記者ペギー(バグビー)、春の調べ(シュトラウス)、果樹園物語(モンゴメリ)、オルコット物語(メグス)、アンクルトム物語(ストー)、愛と悲しみ(サン・ピエール)、家なき子(マロ)、ひみつの花園(バーネット)、おちゃめなパッティ(ウェブスター)、村のセレナーデ(オルコット)、子鹿物語(ローリングス)。全30巻。

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正しい色気。
『アラン・フラッサーの正統服装論』
(アラン・フラッサー 水野ひな子訳/婦人画報社)

で、でへへ。
この本にはクるものがあります。ぐっと。ぐぐっとぉ!!

そうですね〜。
森茉莉さんや佐藤亜紀さんの小説中の男の服装描写で、エヘラっとにやけ顔になりがちな人、多分、たまらんと思います。また、映画等で、古風な装いの男性(貴族とか)が着替えてる場面で大注目してしまう向きも、心臓を射貫かれると思います。(いや多分ね。)

有名デザイナーにして服飾評論家のアラン・フラッサーが、男子の
正しい服装について、何から何まで事細かに語っています。詳細です。靴下、ネクタイ、シャツのサイズ、シャツの柄、スポーツウェア、ズボンのタック。アクセサリー、帽子。なんでも来ーい。任せろ〜(笑)。
写真の男優はもちろん、トルソーにまで漂う清々しいお色気から目が離せません。本来は男性が持ったり、女性が男性のために持ったりすべき実用書なのでしょうが、じつは、高貴・男・正統・セオリー・様式美、そんな折り目正しさの中に、色気を感じる女性の観賞(兼勉強)用かもしれませんな。クス。

→ミニ特集・メンズ・ライフ

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