このコーナーの目次へ 書評、古本、古本の書評、古本の画像。古本屋 HoneyBeeBrand*みつばち印

→今日の一押しの目次はこちら

本日の仰天あらすじ。
『細菌ハックの冒険 マーク・トゥエイン・コレクション9』(マーク・トゥエイン 有馬容子訳 巽孝之解説/彩流社)

細菌ハックってどう思います? 「またまたー。細菌なんて言っちゃってさ、ところで細菌ハックってどういうこと?」と思った、そこのあなた。マジです。マジで細菌なんですよ、ハックが。「魔術師のミスによってコレラ菌に変えられたハックは細菌世界に旅立った」って帯にも書いてありますんですよ。うひょー。「トゥエイン文学史を破壊するもう一つの”ハックの冒険”」だってさ。
バカバカしい設定でシーリアスな物語が展開します。
細菌世界=人間世界の風刺、だと言えば分かりやすいでしょうか。
面白いかどうかはともかく、ゲテモノが好きな変わった人。面白いかどうかはともかく、試してみないと気がすまないチャレンジャー。そんなあなたにオススメです。(これは一押し本なのか?)

→魔術師つながり

なにげなさの中にキラっと。
『王朝の香り 京都書院アーツコレクション』(京都書院)
※文庫サイズ

半分は、現代画家の書いた源氏物語絵。そして半分は、有名作家たちの源氏物語をめぐる54のエッセイです。平成3年〜『婦人画報』に連載されたものの文庫化だそうです。
ありがちーとは言わないで。
このエッセイ集、なかなか面白い。メンバーも勿論、豪華。ざざっと言っても、北村薫、岸田今日子、池内紀、服部まゆみ、内館牧子、赤江瀑、氷室冴子、荒俣宏、清水義範、中島梓…。各人、ほんの2、3ページしか書いていませんが、自分との関わりで書いているので、妙に興味深い意見多数。北村薫はあの「わたし」に”つれなし”について語らせ、岸田今日子は「葵上」の舞台での三島由紀夫の話を、荒俣宏は当然だけど「源氏のオカルト生活」を。片岡義男の英語で読んだ源氏の話は、いとうせいこうの
「セケン・ムナサンヨー」を連想しました。
楽しい読み物って感じです。

→源氏つながり

興味津々。
『雑誌 太陽 
'80/2月号』特集・名門私立女子高校
(平凡社)

日本中の名門私立女子高の名物先生と有名卒業生を紹介しています。こりゃおもしろい。
名門とかお家柄とか、セレブーな感じとかそのヒミツとか、ちょっとワイドショー的な感心でいっぱいになってしまいます。
向田邦子さん(目黒高等女学校)や室生朝子さん(普連土学園高等学校)や吉行和子さん(女子学院高等学校)の高校生時代の写真を見られたのは極私的に楽しい収穫でした。
勿論芸能界の方々も多くて、うつみ宮土理の話で「(授業を)ボイコットしよう」と言ったら、お嬢さまばっかりなので「そうでございますわネ」なんて言ってみんなついてきちゃった、って言うのなんか傑作です。
ところで、当時の太陽はもりだくさん。東海林さだおの「料理一本勝負」、うまそう。杉浦茂名作劇場も連載中。

ひいきにしちゃう。
『大括弧 緩やかにみつめるためにいつまでも佇む、装置』(中西夏之/筑摩書房)

中西夏之さんの美術評論随筆集。1969年から1989年までの文章と、あります。初出誌は「美術手帖」他。
私、美術の門外漢もいいとこなんですけど、これはイケル。読むと、想像力や思考力をチクチク刺激される…評論集と言うよりは
詩文集なんですね。うんうん。こういう目からウロコ的な詩文集は私の好むところです。

例えば、印象的な一文─「
橋に向かうのは対岸に渡るためではない。」─あぁ、こういうの好きだなぁ。じゃ、何でよ?と思ったあなたにおすすめします。

また、この装丁はすごく面白い。稀にあるんですけど、カバー裏に印刷されてるパターン。しかもカバーを書店の包装のように折ってかけてある、贅沢に紙を使ったタイプ(表現力がなくて申し訳ないです)。

→名画つながり
→見過ごせない本ランキング

笑えるキュートさ。
『倫敦巴里 London Paris』(和田誠/話の特集)

和田誠の傑作パロディー集。わたしが一番好きなのは、暮らしの手帖ならぬ「殺しの手帖」かな。かわいいんですもん。「毒入りのおそうざい」とかね。
007の贋作漫画集もすてきです。トシコ・ムトー風007、長新太風007、加藤芳郎風007、小島功風007…。
でも川端康成の『雪国』のパロディもすてがたいな。植草甚一の書いた雪国、横溝正史の雪国、星新一の雪国…。宇能鴻一郎の雪国に爆失笑。
あ、でもでも一番の爆笑ポイントは、鼻血ブーパロディかな。
サン・テグジュペリ風鼻血ブー、星の王子さまが鼻血ブーなんですよ。棟方志功風鼻血ブーもある。
と、1冊まるごと語りたくなる一級品です。

謎の男前ぶり。
『どこまで演れば気がすむの 潮文庫』
(吉行和子/潮出版社)

失礼ながら、吉行和子さんにこんなにキレイな時代があったとは存じませんでした。いや、失礼すぎて申し訳ないくらいなんですけど。美人を見るのは心楽しいもので、その点、この本は写真を見ているだけでも満足度は高いです。吉行さんは、余韻のある美人なんですよね。これは…もしかして色気かな。淳之介さんの写真もあるのですが─今まではあまり思いませんでしたが─こうやって見ると美男かも。涼しげで夏向き(笑)。

兄妹の対談も収録されていまして、じつはここがオススメ。
吉行淳之介の話し方が男前。年の離れた妹の話を微笑みつつ聞いて、茶々を入れたり、思い出話を手繰ってみたりしている様子が、どえらく魅力的。なんなんでしょ? この行間からにじみ出る男前ぶりって?

→関連して・姉弟つながり

えぇっ、まさか?!
『ウィルソン氏の驚異の陳列室』(ローレンス・ウェシュラー/みすず書房)

帯に「傑作ノンフィクション」とあるのですが、それがなければ、絶対に小説だと思ったところです。んー、ノンフィクションかー。ほんとに?
ロス郊外の博物館「ジュラシック・テクノロジー博物館」は、ヘンテコな陳列物でいっぱい。人間の角、彫刻を施された髪の毛(*
接眼レンズを使うと彫刻が見える)、人間の心臓を納めるオニキスの箱(血の部分が燐光を発するらしい─研究のため一時的に取り外されています、という謝罪の標識あり)、などなどなど。おもしろすぎ!言わば、グロテスク系のクラフト・エヴィング商会
うそだよね─ほんとじゃないよね?でもほんとのものもある?この揺らぎははっきり言って快感です。管理者のウィルソン氏、天才ですな。

註釈が長いのも笑えました。なにしろ註釈で一章を成してますから。

→イケてる註釈ランキング

とにかく旬なので。
『ウィンブルドン 新潮文庫』
(ラッセル・ブラッドン/新潮社)

巷の評判がすごーく高い割には版元品切れになって久しい、噂のドキドキテニスサスペンス。テニスも好き、サスペンスも好き、かっこいい男も好き、若い男ならなおヨシと言う方に絶対オススメ。
サッカーの特集をしたかったけど、肝心の商品が一切(笑)なかったので、仇討ち的に登場させました。
ウィンブルドン大会最終日、とある事情で試合を長引かせなくてはならなくなる。しかも、そのことを知っているのは片方のプレーヤーだけ。しかも二人は親友であると。さあさあさあ、どうする?

→テニスつながり

いつかどこかで見た風景
『日本の童画 全13巻』
(解説・上笙一郎/第一法規)

童画と言われて、ピンと来る方来ない方、反応は様々だと思うんですが、実際にこの本を目にしてしまうと、その場から立ち去りがたくなるのは誰しも同じなのではないでしょうか?だって、どこかで見た絵なんです。どこで見たんでしょう?年代的に考えて、見ていないはずの絵までもが懐かしい。絵本か、教科書か。なつかし小物屋さんか。みんながどこかで目にして、忘れないでいる、幼心の名画が一堂に会している全集です。各巻図版約60頁オールカラー。

収録画家は、武内桂舟・川上四郎・本田庄太郎・武井武雄・初山滋・岡本帰一・黒崎義介・林義雄・鈴木寿雄・山口将吉郎・伊藤彦造・樺島勝一・加藤まさを・須藤しげる・渡辺文子・高畠華宵・蕗谷虹児・中原淳一・いわさきちひろ・味戸ケイコ・茂田井武・瀬川康男・田島征三・丸木俊・赤羽末吉・梶山俊夫・儀間比呂志・長新太・和田誠・上野紀子・滝平二郎・谷内六郎・藤城清治・杉田豊・宇野亜喜良・米倉斉加年・安野光雅・太田大八・堀内誠一。

本田庄太郎の一枚→

ひっそり豪華
さだまさし やさしさの風景
(大島弓子、三原順他/白泉社)

さだまさしの詩に少女漫画家たちがイラストを付けた「イラスト詩集」。小型です。
漫画家の顔ぶれが豪華。そのスジでは伝説の1冊。さだまさしスジと、少女漫画家スジ、
2本のスジがかぶってますからね。
大島弓子・倉持知子・竹宮恵子・三原順・坂田靖子・西谷祥子・美内すずえ・山田ミネコ他。
カバー絵は大島弓子。

→大島弓子関連の在庫書籍を検索する。
→すごいメンバーつながり

→今日の一押しの目次はこちら