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■アノ人の書いたアレ、ランキング
アノ人が書いちゃったアレ、常に心のメモ帳にチェックです。

▼アポリネールの書いたエロチック小説

「一万一千の鞭 河出文庫」
(ギョーム・アポリネール/河出書房新社/写真左)

アポリネール何やってんだ、と言うなかれ。ミラボー橋の詩人は元々こういうの好きなんですから。
彼の詩集(写真右、売り切れ)の「きみのからだの九つの扉」という詩もかーなーりエロースな内容だったし。そう思いませんか?
「きみは知らない わが処女なるひとよ きみのからだに九つの扉があることを ぼくはその七つを知っているが 二つはまだ秘められたままだ(飯島耕一訳)」
うーん、つい引用しちゃいました。こんなこと言われたらどうします?…話がずれましたが、この
飯島耕一訳「一万一千の鞭」はオススメです。 →関連書籍

▼くまのプーさんの書いた推理小説(ウソです)

「赤い館の秘密」
(ミルン/旺文社)

プーさんで有名なミルン唯一の長篇推理。
プーの数年前に書き上げています。なかなかの評判。
この旺文社文庫版の解説、並びに同時代の推理小説界の動向の
年譜「推理小説参考年譜」は、共によくまとまってて興味深いです。

▼三島由紀夫の書いたSF?

「美しい星 新潮文庫」
三島由紀夫/新潮社)

これを面白いと感じるかどうかは人それぞれだと思いますが、当時の核戦争への恐怖は、こんなふうであったのかと実感できる小説。
今は平和ボケしてるんだなぁと改めて感じます。
自分たちは宇宙人だという意識に目覚めた一家の物語。こういう話も自在に操って、きっちりした結末に持ち込むあたり、やはり天才。今更ですか?

▼大原まり子のコバルト小説

「ミーカはミーカ、トラブルメーカー 集英社文庫コバルトシリーズ」
大原まり子/集英社)

コバルト文庫らしく、サクサク読めますが、
ちゃんと大原まり子味。気に入りました。

→ミニ特集・コバルト文庫

▼大島弓子も忘れてる絵本

わたしたちができるまで「すいーん星旅行記」
(大島弓子/徳間書店/写真左)

少女マンガ家の大島弓子さんのかわいい絵本。
大島弓子さんは、「わたしたちができるまで−角川文庫−」(角川書店/
写真右)の自作解説で、なんとこの絵本のことを「覚えていない」と書いています。えー、そうなのー? 大島弓子ファンの方に持っていてもらいたい絵本。
→関連して

▼坂東真砂子の児童書

「はじまりの卵の物語」
(坂東真砂子/理論社/写真左)

「死国 角川文庫」
(写真右)で有名な坂東真砂子さん、じつは児童書で先に世に出ています。
すべての命の源である「はじまりの卵」を奪い、世界を支配しようと画策するいろんな種族たち。根本は違うけど、ちょっと指輪物語を思い出させるお話は、子供向け正統派冒険ファンタジーって感じです。小学校の図書館で読みたかった。

▼酒見賢一のSF

「聖母の部隊」
(酒見賢一/徳間書店)

日本ファンタジーノベル大賞を受賞してデビュー。
後宮小説、墨攻、陋巷にあり…など、
いつもなんとなく地味め中華テイストが持ち味の著者の意外なSF。
ジャングルに取り残された孤児の少年たちの前に現れた女性兵士は、少年たちに戦闘訓練をし、自分をお母さんと呼ばせる。お母さんって一体…?
SFテイストの中短篇3篇を収録。
この収録作の、ドイツ語なまりの英語の関西弁という奇怪な言葉を話すペーターが出てくる「地下街」も超アホらしくてちょっと好きなんです。
「地下街」はね、今から大家になろうという人が、うっかり残したバカSF(失礼)?

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■唸る短篇集
一人の作家の短篇集じゃない本にしぼってみました。
短篇集の意義は、1、好きな作家の読んだことのない佳作に出会う。2、有名短篇も入ってる。3、気になる作家の気になる作品もある。4、関心のない作家の短篇もテーマ次第でついでに読む気になる。5、同じテーマの佳品が並んでいることの無邪気な喜び。だと思いません? 日本の名随筆シリーズや筑摩の〜な話シリーズもいいですが、今回は選外で。

▼名手・吉行淳之介

「男友だち女友だち 楽しみと冒険2」
(吉行淳之介編/新潮社)

これは、うれしい短篇集です。
金井美恵子のクスリとできるエッセイ「美青年」が収録されてるから。森茉莉の名エッセイ「あなたのイノサン、あなたの悪魔」も入ってるー。飯島耕一「アポリネールの周辺」、吉田健一「交遊録・吉田茂」、富士川英郎「萩原朔太郎」などなど、23篇。
男友だち女友だちって主題がまた、うまい。ポン(膝を打つ音)。吉行さん、編集長をやってただけあって、ほんとに名編者です。

「ネコ・ロマンチスム」
(吉行淳之介編/青銅社)

お気に入りは
金井美恵子「海のスフィンクス」。
冷淡な官能とでも言うべき味がいいです。
梶井基次郎「愛撫」もありますよ。
「え、知らないよー」というあなた、そんなわけありません。
あれですよ。
「猫の耳を切符きりでパチンとやってみたかった」ってヤツ。
文学史上に残る猫描写でしょう。
全12編。
→猫つながり

※吉行淳之介には他に「酔っぱらい読本」などの編著本もあり、これも秀逸です。

▼さぁ妻はどうすると思う?

「ハンサム・ウーマン」
(ビレッジセンター)

女性作家のアンソロジー。明智抄、
大原まり子、小谷真理、斎藤綾子、佐藤亜紀島村洋子、菅浩江、松本侑子、森奈津子。豪華執筆陣に会心の笑みをもらしました。 威勢のいい女性作家が集結。読まずには死ねない一冊。特に島村洋子さんの「シンデレラ」は出色のできばえ。
ビレッジセンターって? と悩まずに取り寄せて読む価値アリ。古本屋になきゃ取り寄せて読むのだー。強力推薦。(すでに
商売抜き。)

収録作・島村洋子「シンデレラ」は夫を愛する妻の話(当たり前?)。最近夫が彼女のおっぱいを触ってくれないのが彼女の悩み。とうとうキレちゃった彼女の思いつきとは? これは島村洋子さんの最高傑作かも。見事なお話であり、美しいお話でもあります。

▼全作品が忘れられない名品。

「世界短編傑作集 1〜5 創元推理文庫」
(江戸川乱歩編/東京創元社)

これ、よく読んだものです。思春期の多感な時期をこの傑作推理短篇集と共に駆け抜けたと言っても過言ではない(笑)。別にあの時期に読んだからというわけではなく、紛れもなくどれもこれもが傑作なので、収録作の題を聞くと、ぱっとストーリーが浮かんでくる。私のザルのような記憶力からすると、これはすごいことなんですよ。
収録作すべてが忘れられない傑作という世にも稀な短篇集。

→完璧な短篇ランキング

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■泣ける本
こう見えて店主は情緒過多でセンシティブな人柄(自分で言うなって?)なもので、ささいなことで泣きます。ですから、「なんでこれで泣く?」って言われても困るのですが、まぁ極私的基準で、メソメソ泣いた記憶のある本のランキング。

▼大推薦。私のブックレヴュー、くどいですか?

「今夜、すべてのバーで」
中島らも/講談社)

店主には何冊か強力推薦の本があって、
くどくど繰り返しのブックレヴューになっていますが、
どうか御容赦ください。
だってこれね、ほんとにオススメなんですよぅ。
世の中に、クスクス笑えてホロホロッと泣ける本が
一体どれだけあるか考えみると、そんなにない。
これは、人生が良きものに思える、ちょっとした傑作です。

→テスト付きつながり
→酔っぱらいつながり

▼またもや大推薦。私のブックレヴュー、くどすぎですか?

「タイム・リーパー」
大原まり子/早川書房)

1988年、交通事故にあった主人公は2018年の救急病院で目覚める。
事故で重傷を負っていた彼は、首から下は機械になっていた。がーん。
時間跳躍者(タイム・リーパー)として、主人公をマークする
タイムパトロールと特殊警察。その攻防。
著者の抒情性とSF魂と遊び心が融合した、
万人の楽しめる傑作タイムトラベル、だと思うな。

タイムトラベルものは、まず99%、センチメンタルな味わいになります。
なんでだろう?
初めから別れが決まってる出会いがあるからかしら?
とにかく私はげしょげしょに泣きました。
タイムパトロール隊、すてきです。入隊したい。
→タイムトラベルつながり

▼少女に好かれる向井マキオさん?

「君について行こう」
(向井万起男/講談社)

宇宙飛行士・向井千秋さんの夫、向井マキオさんの著書。
名著だと思っています。
笑いあり、涙あり。 愛あり。冒険あり。
宇宙飛行士に関しての詳しい裏話もあるので、素朴な疑問もどんどん解けるし、桁外れに(宇宙規模) 愉快な逸話でほっと一息つける。 宇宙飛行士ってみんないい人なのかなぁ。
ところで、この本は少女の夢の具現なの(いや、多分ね)。少女マンガとの共通項も多いです。
1 果敢に戦って、冒険して、目的に向かってまっしぐら。
2 満足だけど、一人ではきっとさみしい。疲れることもあるよね。
3 ちゃんと支えて応援してくれる腹心の部下がいる。
わたしが胸を熱くした少女マンガはだいたいこのパターンだったなぁ。
読むと、 いろいろな思いがうずまいて静かに泣けてくる本。
男性はどうなのか、感想をききたいものだと思う。
→御夫婦ランキング

▼泣いた少女マンガと言えば。

「竜の眠る星 全5巻 花とゆめコミックス」
(清水玲子/白泉社)

元々清水玲子さんは過剰なまでの「泣かせ」の作風だと
思うんですが、この「竜の眠る星」はとにかく泣かせる。
何度読み返しても、終盤は泣きながら本を閉じ、わたしは満足するのです。
なんなんじゃろ? 少女マンガって。
→龍つながり
→アンドロイドつながり

▼私だけ?

「デューク」(江國香織/講談社)

愛犬デュークを亡くして…という話。
個人的事情もあって、涙なしには読めなかった本。
最後、涙で文字が読めなかったです。大マジ。
これはね、少女マンガでもよくあるパターンの話なのですが、
何度このパターンに出会っても泣いてしまう。
繰り返し用いられるモチーフには効用があるんですよね。
様式美といいますか。要するに、決して
立派な作品ではないけれど、
「癒し」にいいんじゃないかなぁ。癒しにしては泣かせすぎかなぁ。
物語にはそういう価値もあるんだなぁと思った本です。

山本容子さんの挿絵もいいですし、文庫サイズだし。
愛犬を亡くした経験のある愛犬家に、そっと本棚に置いてほしいな。
→犬つながり

▼花嫁の手紙はいつも泣ける。

「誘惑術」
島村洋子/実業之日本社)

いつも泣かせる島村洋子さんの恋愛エッセイ。
巻末に「ラブレター講座」っていうのがあります。
その最後のシチュエーション、
「28歳、作家の女。結婚式の披露宴のために花嫁のメッセージを書く。」ってヤツ、
(つまり御本人のことなんですけど、)その手紙が泣けました。
→手紙つながり

他に…「なんて素敵にジャパネスク」(氷室冴子/集英社)準備中

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