意外にあるもんですね。関連項目→人体→指つながり、→首つながり、→爪つながり ▼好きなんです。
「歯とスパイ」
(ジョルジョ・プレスブルゲル/河出書房新社)
「SD4・右上第一小臼歯 この歯が痛むとき必ず、要人が暗殺される」
東欧的想像力が生んだ寓意と奇想あふれる物語。(帯より)
あるスパイの1本1本の歯にまつわる物語を描く、歯小説(ししょうせつ)。
それぞれの歯についての物語というモザイクを極力年代順に並べてみたけれど、歯の並び順に読もうが、開いたページから読もうが一向に構わない、と作中にあります。つまり、この小説はコンピュータのようなもので、1本1本の歯を通して彼の人生の全体像にアクセスできる、と。
はー、モザイク大好き人は、どうしたって食指が動いちゃうってもんです。たまりません。
→モザイクつながり
→スパイつながり
▼歯医者
『Dr.クージョ危機一髪 全6巻 花とゆめコミックス』
(星崎真紀/白水社)
歯医者さんクージョのシリーズ。
いつもクージョが事件に巻き込まれちゃいます。
なんで歯医者さんなんだろ? と、まずはシビアな疑問を抱くんですが、
いろいろと歯医者ネタでつなぐので感心できます。
ほら、火サスで、「ツアコン○○の事件簿」とか、
「タクシードライバー○○の事件簿」とかあるじゃないですか。
それくらいならともかく、「着物デザイナー○○の事件簿」辺りになってくると、
毎回、どんな事件が起こるのか、着物デザイナーであることの必然性を
考えてしまうんですよね。それに似た気持ちになるわけです。
傑作でも有名作でもありませんが、ヒマなら読んでみてもいいと思います。
歯医者ネタで6巻、どう転がすか、そこに純粋な興味を抱ける方に。
→医者つながり
▼袋綴じになっている。
「歯と爪」
(バリンジャー/東京創元社)
残すところ4分の1のあたりで、袋綴じになっていて開けないと先が読めません。開かない状態で返本すれば代金はお返ししますというシステムなんだけど、わたくし、開けなくても犯人はわかりましたわ。返本したろか、と思いながら開けて読みました。だって、推理小説は最後まで読まないと肝心なカタルシスが味わえないじゃありませんか?
トリック自体はきっちりキマっているのですが、その整合性ゆえに早々にネタバレてしまうという、推理小説界に散見する本質的なネタバレ小説。ネタバレにウマイヘタは関係ないんだなぁと思う瞬間です。
→袋綴じランキング
▼歯と青春?
『ティース 創元コンテンポラリ文庫』
(ヒュー・ギャラガー 池田真紀子訳/東京創元社)
未読ですが、気になる感じです。
「西海岸のスケートボーダーたちがはじめたクールなインディ雑誌“ダステッド”の大ファンだったニールは、何度か投稿するうち同誌の東海岸支局のメンバーにと誘われる。保守的な両親の反対を押し切り、腐った郊外生活に別れを告げ、NYはグリニッジビレッジへ。連載したエッセイ「マニフェスト」により一躍花形ライターとなる―何もかもが順調だった。あの忌まわしい“歯”の一件を除いては。高校時代のある夜に折った歯を治療せず放っておいたのだ。歯よりも重要なことは山ほどある! 雑誌の廃刊と親友の裏切りにうちひしがれ、マニフェストの完成に夢を託して旅する孤独なニールの目前に現れたものとは? 歯と青春譚、ユニークな融合形(あらすじより引用)」
歯がなんなのよー。
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