■今日の特ダネ P10


▼ゲームブックで英会話だ!

恋の英会話ゲーム ロマンス・アドベンチャー 『恋の英会話ゲーム ロマンス・アドベンチャー CDミックス ※CD欠』(トーマス・ベイログ、ジェームス・チューディ 樋口容視子訳/ダイヤモンド社) ※ウチの在庫はCD欠です。

ゲームブックのように、提示される選択肢から自分のとる行動を選びながら進んで行きます。左ページが日本語、右ページがその英語版になっています。 ヒロインはファッション雑誌の出版社にお勤めのカメラマン。彼女の次の仕事は、90年代を象徴するような理想の男性モデルを探すこと。えぇ、そうです。イイ男とどんどん会話して、デートするのか、スカウトするだけにするのか、どんな方法で連絡をとるのか、常に選択を迫られるわけですよ。ははは。 比較的易しい英語なので、時々日本語訳をチラ見するだけで意味はわかります。だいたいお約束の展開ですから。 実際にやってみたら、かなり早いスパンでハッピーエンドになったり、バッドエンドになったり、状況は目まぐるしく変化。意外に飽きないかもしれません。 私はこのシリーズの『会社経営にチャレンジ』のほうをやりたくなりました。 英語の文法等の説明が一切ないのが(大人にとっては)気楽なところではありますが、受験で出るような英単語もあるので、それの単語訳や、構文の説明を付けてくれたら受験生にも推薦できる…かもしれないですよ、ダイヤモンド社さん。
→ミニ特集・トンデモゲームブック
→ミニ特集・英会話誰と学ぶか


▼ジュースを作るのも科学らしい。

ジュースをつくろう 『ジュースをつくろう はてななるほどサイエンス8』(実野恒久/保育社)

このシリーズ、気に入っています。レトロ~。お子さまsのファッションはもちろん、使ってる小物や背景の小物も昔風で、クスッとできます。でも今もまだ流通中、みたいですよ? ほんとかな。保育社さんだし、あり得るかも。 絵本サイズで、科学の実験や遊びのやり方を簡単に教えてもらえます。私みたいな科学嫌いの大人を作り出さないためにも、子どもに読ませたいシリーズ。
8冊目の本書は「ジュースを作ろう」。ジュースを作るのもサイエンスなんですね。普通に果物からジュースを作ったりもしていますが、キャンディーや角砂糖やキャラメルの中から水に溶けるものを探したり、あぶり出しをしたり、泥水とコーヒーの違いを発見したり、多彩に展開しています。なるほどなー。個人的注目ポイントはキリンオレンジの缶のデザイン。なつかし~。


▼お炬燵で落ちつかないのも、落ちつきすぎるのもいけません。

ひまわりみだしなみ手帖 『ひまわりみだしなみ手帖―中原淳一エッセイ画集2(コロナ・ブックス)』(中原淳一/平凡社)

中原淳一さんが雑誌「ひまわり」に連載していた「みだしなみせくしょん」を再構成した本です。 中原淳一流のマナーやエチケット、お金をかけないおしゃれの工夫がかわいい絵入りで紹介されています。文章はものやわらかですが、美意識はブレることがなく、断固としていて、とても頼もしいです。
お炬燵にもルールがあるんですのよ、ご存知でしたか? 「お炬燵で落ちつかないのも、落ちつきすぎるのもいけません」。えーっ。そうなの? 先生曰く、「一人だけ出たり入ったりすると、炬燵がちっとも暖まらず、他の人達に大変メイワクです」。「又、反対に、入ったきりいい気持ちになってお炬燵に入っていない人(例えばお母様)に“お母様、あれ取って頂戴、これ取って頂戴”といったり」してはいけないのだそうです。「炬燵の中で勉強しようというのなら、初めから入用なものを揃えておいて、もし忘れものがあったら自分で取りにゆき“ゴムケシ忘れちゃったけど、面倒だから”と指に唾をつけてこすったりするような無精はやめたいものです」。唾をつけてこすりはしませんが(笑)、先生のスルドイ指摘にはどきっとします。いいですか。先生はさらにおっしゃいます。「お炬燵はベッド代りではありません」。ガーン。 「炬燵の中でうとうといい気持ちで寝てしまう人も、ないとはいわせませんよ」「“しようがない子ね”とお母様にお布団をかけて頂いてそのまま朝まで寝るなんてどうかと思います」。 す、するどすぎる。先生だって経験があるんじゃないかと思うのは、私だけでしょうか。 眺めてヨシ、読んでヨシ。じつに良い御本です。オススメ。


▼クレジットカードの番号を適当に言っても、その番号は(ほぼ)実在しない。

大秘密 『大秘密―噂・都市伝説・憶測の真相あばきます ハヤカワ文庫NF』(ウィリアム・パウンドストーン 田村義進訳/早川書房)

日常生活のヒミツや、いわゆる都市伝説と呼ばれるものの真実をあばいています。 もっと少しずつたくさーんのネタがあるのかと思ったら、ネタは全部で21個。ちょっと物足りないけど、それぞれが割りと細かく解説されていました。
一番、感心したのはクレジットカードの番号の話です。 クレジットカードの番号は全会員に番号を振るだけなら、8桁程度でいいんですって。そう言われてみればそうか~。なのに十数桁もあるのは保安のためで、例えば、13桁あれば10兆通りの組み合わせがあり、そのうち6500万個が実際に使われている番号だとすると、適当に数字を言った時にそれが実在する確率は10兆分の6500万。つまり15万分の一、なんですってよ。知らなかったです。1文字間違えたら、誰か別人の番号になるのかと思ってました。 だから番号を人に教えてはイカンのですと。そうか~。
その他、ケンタッキー・フライドチキンの味付けの(残念な)秘密や、この世界(?)では有名なコカ・コーラの秘密や、ウォルト・ディズニーの遺体は冷凍保存されているのかいないのか、そんなことまでが、追求されています。一つくらいは、あなたの関心を引くものがあるかもしれません。ついつい下世話な好奇心で読んでしまう、ひまつぶしにはもってこいのネタ本です。


▼折り紙で世界一周!

スーパー折り紙 『スーパー折り紙―「紙ワザ」世界一周』(茶谷正洋/講談社)

素晴らしいです。 何冊も著書がおありのようですので、ハマったら制覇したくなりそうですね。 ご覧の通り、世界の絶景や名所を紙で再現しています。その再現の仕方がね! スタイリッシュです。紙は1枚。折り紙と言っても、一見、単純な線の組み合わせで、カッターで切り目を入れていく作業が主ですが、それが見事な凹凸になり、立体になっていくサマは、お見事としか言いようがありません。 絶景の特徴の掴み方も巧くて、アイガー北壁、サハラ砂漠、富士山等の単純なデザインはいかにも美しいし、アムステルダムやパリにはなんとなく賑々しい雰囲気まで出ています。一見の価値アリ。


ただ、表紙に使われている「ギアナ高地」はイマイチだと思うんですよね。なんでこれにしたんだろ? こっちのほうが(→)ずっといいと思います。いかがです?(目次ページより)
全43種。そのまま切って作れる付録もあります。
→ミニ特集・どんな旅に出る?


▼なんにでもデザインはある。

文房具と旅をしよう 『文房具と旅をしよう』(寺村栄次、浅井良子(スコスステーショナリーズカフェ)/ブルース・インターアクションズ)

デザイナーの友人ができた時、お仕事内容を聞いてみて、目からウロコが落ちました。なんにでもデザインはあるんだな~、と。どんなささやかなモノでも、「じゃ、ここは丸く、緑色で!」と考えた人がいて、決定を下された瞬間があったわけです。 本書『文房具と旅をしよう』は、フィンランド、スウェーデン、イギリス、フランス、オランダを巡る文房具探しの旅の記録。そこに取り上げられるのはメモパッドや、セロテープ、郵便シール。あげくに郵便局の番号札。ほんとに文房具や日用雑貨。ごく普通のモノなんですが、確かにそのデザインは可愛い。著者は東京の文房具やさんだそうで、その優れたセンスで選んだものを紹介しています。 カラー写真も多数掲載されていますから、元々文房具が好きな人は楽しいでしょうし、私のようにセンス皆無で、「それに着目しますか!」という無粋な向きも、眺めるうちに「まぁ確かになんか素敵だけれども」と、段々欲しくなってきます。 ただの旅好きも、新たな旅の指針として面白く読めそうです。細かいことは書いてないけど、見過ごしていた魅力を教えてくれる、ひと味違う見どころを教えてくれる、2冊目の海外旅行ガイドブックとしても、いかがでしょうか。
→ミニ特集・どんな旅に出る?
デザインを考えた本では、『柳宗理エッセイ』 も面白かったですね。柳さんもセロテープを取り上げてたなと、ちょっと思い出しました。


▼タイムトラベル・マニュアル!

タイムトラベラー2038年 『タイムトラベラー2038年』(H・J・ブルーメンタール、D・F・カーリー、B・ウィリアムス 白田由香利訳/東京図書)

タイムトラベラーのためのガイド書です。
第1章 第4番目の次元
第2章 タイムマシン
第3章 タイムトラベルに関する法律および規制
第4章 旅の準備
第5章 目的地
第6章 タイムトラベルQ&A
面白いのは第4章以降かな。 3章までは、易しいながらも真面目な説明ですので読み飛ばし、4章以降をメインに読むと良いと思います。 タイムトラベルをするためには、どんな準備が必要なのか、服装の選択や宿の手配の仕方など、分かりやすく解説されています。服装や装飾品はデリケートな問題なので、プロに頼んで、予算はあまりケチらないほうがいいそうですよ。行く時代に合わない間違った選択をすると、変人だと思われたり、娼婦だと思われたり、大変な目にあうそうです。なるほどね。 パックツアーも、いろいろ紹介されています。ここが面白い。例えば、キリスト教徒向けにはキリストの「山上の垂訓」を聞くコースを御用意。もっといろいろなツアーを紹介してほしいなー。特にアジア人でも問題なく楽しめるアジア系のツアーをよろしくお願いします。(どなたか東洋歴史に造詣の深い方、『タイムトラベラー2038年【アジア編】』を出版したらいかがでしょうか? 買いますから!)
歴史的こぼれ話も多いので(何年何月何日にどこどこへ行くと暴動に巻き込まれるとか、何年のローマには疫病が流行ってるから渡航禁止とか)、歴史嫌い克服の特効薬にもなりそう。
私なら、あの日に、あそこへ行って、あの人に会い、あれを見る、3泊4日。そんな事細かな妄想をずーっとしていられる方にオススメのガイドブックなのでした。
→タイムトラベルつながり
→関連して『明日は舞踏会』(鹿島茂)
→ミニ特集・どんな旅に出る?


▼猫でやせる?

猫とやせよう! 『猫とやせよう!―世界初、猫と一緒に楽しむエクササイズ』(ステファニー・ジャクソン 梅本昌男訳/双葉社)

だいたいのことは、カバーの写真で了解していただけると思います。そうです。笑止千万です。要するに、愛猫をダンベルの代用品にするのですね。ダンベルは背中に乗せたり、襟巻きのように首にかけて負荷をかけたりするのに適しませんが、猫ならバッチリです。勝手にバランスをとってくれますしね。なるほど。 猫といっしょにやるエクササイズ「キャットフレキシング」を紹介する御本です。その写真の数々を見ながら、私は存分に笑わせていただきましたが、著者は大真面目。ジム通いにうんざりして自宅でエクササイズを始めたところ、愛猫が興味津々で寄ってきて、それをダンベルとして使ってみたのが始まりらしいです。猫は意外とおとなしく、楽しそうだったとかで。 そうですね、猫って、長電話の邪魔もするし、新聞を読むのの邪魔もするし、宿題の邪魔もするし、洗濯物をたたむのも邪魔するんですよね。エクササイズの邪魔をされるくらいなら、一緒に楽しんじゃうのが得策というものでしょう、か。 私、このエクササイズに一つ、いいことがあるとすれば、それは「楽しそうなこと」だと思います。楽しいことは続けられますから。加えて、運良く、猫も楽しみにしてくれたら、飼い主としてはやらないわけにはいかないでしょう。 内容はほんとにちゃんとしていて、それぞれの筋肉の鍛え方がきちっと書かれています。やりたい人はすぐに始められます。やった人は教えてください(笑)。
→猫つながり


▼キューピーの型が!

キューピーさん 『キューピーさん』(北川和夫/河出書房新社)

かわいい。とにかくかわいい本です。キューピーさんの写真がどっさり。セルロイドのキューピーの集合写真、日本製の土人形(?)キューピー(昭和初期)、キューピーの絵葉書(大正期)、ぬりえのキューピー、ビスクキューピーの集合写真、そしてキューピーの型。セルロイドのキューピーを作るための鋳型、ちょっとキモイけど(笑)欲しいー。いっぺんに14体できるようです。
とにかくキューピーの写真には事欠かず、眺めて愉しめます。「キャラクターグッズの元祖」ですって。なるほどー、そうかそうか。ありとあらゆるものにデザインされています。


キューピーさん キューピーの生みの親、ローズ・オニールさんについてもふれています。キューピーさんへの愛情あふれる御本です。「いつもさりげなく、やっぱり裸が一番似合う(あとがきより引用)」、いいこと言うなぁ~、ほんと。 ←こんな小さな折り紙が1枚付いていました。指示通り作ると、やや不細工なキューピーが出来上がります。ニクイね。
関連して→人形つながり
→天使つながり?


▼辻信太郎はうさぎ歳生まれらしい。

卯歳生まれは、ベタモテ運の人 『卯歳生まれは、ベタモテ運の人―気のつかい過ぎは優しさの証明』(辻信太郎/三五館)

この本、ちょっと失笑です。 久しぶりにトホホと思えた本です。辻信太郎さん、ごめんなさい。でもどうなの(笑)? これは卯年生まれの人が書いた卯年の本です。笑える。いかに卯年が素晴らしいか、いかに卯年がモテるか、ということが綿々とつづられています。卯年礼賛、てゆーか自画自賛? 「あ、でももしかしたら?」という予想通り、じつはシリーズのようで、似たタイトル(例「午歳生まれは、強運すぎる人」)で、違う人が書いたものが刊行案内に載っていました。そうか。シリーズか。じゃ、仕方ないか(笑)。
辻信太郎がウサギ歳のウサギ好きのせいで、サンリオにはウサギキャラクターが多いそうです。サンリオの動物キャラクター第一号もキティじゃなくて、その前のバニー&マッティっていうウサギ(とネズミ)なんですって。へぇ~。絵もありますが、ちょっと記憶にありませんでした。因みに、私は卯歳生まれではありません。ヘヘッ。
関連して→キティちゃんつながり


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