迷子になったらまずHOMEへ

■入会したいつながり
私も入りたいよぅッっていう組織が出てくる本、ありますよね?

▼こういうの好きだから─美食倶楽部。

「美食倶楽部 ちくま文庫」
(谷崎潤一郎/筑魔書房)

短篇集の中の1編。表題作。
美食に倦んだ男たちの前に現れたシェフが用意したのは…。
谷崎さんって、ほんとに…。ねぇ。あっぱれ。
こういう耽美も好みです。で、入部したい。
→本に出てくるおいしい食べ物

▼こういうのも大好きだから─ヴァンピールの会。

「ヴァンピールの会」
(『倉橋由美子の怪奇掌篇』及び『血と薔薇のエクスタシー』の収録作)

前述の谷崎の美食倶楽部に同じく、主人公は美食に倦んでいるんです。
考えてみるとこの設定の頻出具合は興味深いことです。
人間って、美食にも倦み、女(男)にも倦む。
女(男)に倦むって言うのは、つまり「愛の不毛」であって、
それは永遠の文学的モチーフ。
美食に倦むと、たいていはこういう耽美な世界が開けます。
美少年もドラキュラも血も大好きな店主はぜひ入会したいです。
→ドラキュラつながり
→美少年つながり

▼とにかくうまそうだから─黒後家蜘蛛の会。

「黒後家蜘蛛の会 創元推理文庫」
(アイザック・アシモフ/東京創元社)

黒後家蜘蛛の会(ブラック・ウィドワーズ)の面々は、毎月1回晩餐会を開く。ホストは持ちまわり。必ずゲストを一人連れてくる。歓談するうち、ゲストの身に起こった、どうしてもすっきりしない
小さな謎の話になって…、みんなで推理するけれど、結局謎を解くのは、傍らで慎ましく話を聞いていた給仕のヘンリーなのでした。
高名な連作推理短篇集。
アシモフの謎っていーっつも半分はちょっとインチキ(あわわ)くさいんだけど、子供のなぞなぞに文句を言う人がいないように、アシモフの謎にも文句は無用。えー、それって単なるトンチじゃん?と思ったとしても、ヘンリーの答えが一番スジが通ってるのは確かなんですよね。で、なんで、入会したいかと言うと、いつもいつもウマイものを食べてるからに決まってんじゃん!
→本に出てくるおいしい食べ物
→楽しすぎる連作短篇つながり

▼こういうことしたかったから─物語クラブ。

「赤毛のアン 新潮文庫」
(モンゴメリ/新潮社)

店主は遠足すらめんどくさいと思う、極めてものぐさな子供でしたが、
今になって考えると、なぜもっと楽しんでおかなかったのかな、と残念。
叶うならもう一度遠足や修学旅行に行きたいものです。
赤毛のアンの中には失われた少女の世界のあれやこれやの
楽しみが詰まっています。
自分で作った物語を発表し合う物語クラブ。ピクニック。
舟で流されたりギルバートに助けられたり、
マリラに怒られたり、マシュウに甘やかされたり、したいじゃないですか。
→本に出てくるおいしい食べ物

▼入学したい! その1

「チョコレート戦争 講談社文庫」
(大石真/講談社)

金泉堂のシュー・ア・ラ・クレームとエクレールが食べたい! この本を読んでそう思わない人はいない、と思うんですけど、いかがでしょうか? 子供の頃から食いしん坊万歳だったわたしは、この町に行って金泉堂のエクレールを食べることを切望していました。
そして、この小学校に入学して…モゴモゴ(ネタバレるのでそれ以上は黙っておきます)。
とにかく入学したい!!って思ってた子供時代を思い出して再読したところ、なんと今でも「入学したい!」って思いましたから、私の食魂もスジガネ入りです。
→本に出てくるおいしい食べ物
→チョコレートつながり

▼入学したい! その2

「ハリー・ポッターと賢者の石」
(J・K・ローリング/静山社)

主人公ハリーを預かるおじさん一家の悪どさにびっくり。
童話に出てくる悪人並の悪さ。
それなのになんで、このつながりかと言いますと、そりゃーもちろん、
「ホグワーツ魔法学校」に入学したいから!マジで!!
私も学びたいなぁ。ハーマイオニー並にはりきって勉強するのになぁ。
いいトシをした大人にも、心の底からそう思わせてくれる傑作だと思います。
子供だったら、9と4分の3番線に飛び込んだかも。
→悪いヤツが出てくるランキング

▼ほんとに楽しそうだから─有閑倶楽部。

『有閑倶楽部 1〜18巻のみ(以下続刊中)※りぼんマスコットコミックス ※送料無料』(一条ゆかり/集英社)

有名少女マンガ。
大好きでした。スカッとしますでしょ、好き放題してるんだもん、主人公たちが。お金持ち学校に通う高校生たちが主人公。有閑倶楽部という倶楽部活動(?)をしておいでです。
医者の息子、警視総監の息子、大使の息子、名家の娘、宝石商の娘、そして剣菱財閥の娘。剣菱さんが一番かと思いますが、しかし、まぁみんなお金持ちです。連作読み切りで、毎回いろんな事件に巻き込まれたり、事件を起こしたり、その楽しさは、まさにシリーズもののお手本と言ってもよろしいでしょう。
→お金持ちランキング