迷子になったらまずHOMEへ

■何番目つながり
何番目の○○。なんだか気になるものの言い方のせいか、よくあるタイトルです。

▼6番目。

「六番目の小夜子」
恩田陸/新潮社)

恩田陸さん、最近随分多産ですが、一番こわかったのはデビュー作たる「六番目の小夜子」でしょうか。あらすじが、すでに不気味って言うか謎ですもん。なんだか不条理でしょう、謎と事件が。あらすじの魔力にかかりやすい私としては、もうそれが一体なんのことでどうなってるのか、知りたくてたまりませんでした。(読後、数年を経た今、それがどう解決したのか記憶にないのですが…。)
六番目の小夜子は、後にハードカバーで大幅改稿して出版されました。(それがさらに文庫化したのが本書。)怪談的な、納得のいかない原始的な怖さを体感させてくれる作家として要注目です。
→怖い話ランキング

▼9番目。

「呪のデュマ倶楽部」→文庫化に際して改題「ナインスゲート」
(アルトゥーロ・ペレス・レベルテ/集英社)

映画では、ジョニー・ディップが稀覯本ハンターの主人公を演じておりまして、
その予告編がものすごく面白そうだったんです。
絶対見なくちゃと思ってビデオを借りてきたんですよね。
ま、予告編ほどじゃないけど、それなりに面白かった。
映画の題はナインスゲートだったので、
それが往年の未読本、「呪のデュマ倶楽部」といっしょだって気付いてびっくりしました。
著者は
「フランドルの呪画」の人です。
→蔵書家つながり

▼0番目。

『0番目の男 祥伝社文庫』
(山之口洋/祥伝社)

0番目で、SFということは…、
予想通り、クローンのお話でございます。
あらすじで思いっきり「傑作SF」と言われていますが、
身構えることはありません。
ドラマのある奇想小説とお考えいただければよろしいのでは?
サラっと読める150ページ。
『オルガニスト』の著者です。

▼7番目。

『奇跡の少年 角川文庫』
(オースン・スコット・カード/角川書店)
not for sale
只今、店主の御風呂本です。面白い。
著者は
『ソングマスター』で一躍私のアイドルになった方。
原題は、SEVENTH SON。七番目の息子です。
七番目の息子のそのまた七番目の息子は、奇跡の子となる。
彼には不思議な力がありますが、彼のまわりでも、魔術の類をめぐって、
信じる人、信じない人、忌む人の思惑が入り乱れて…、
やがて迎えるであろう事件、局面に備える感じの筆使いにそそられているところです。ワクワク。

▼3番目。

『ターン─三番目に好き 集英社文庫』
(氷室冴子/集英社)
not for sale
友人に貸されました。
氷室冴子さんと言えば、少女小説の大家でございます。
私は『なんて素敵にジャパネスク』を泣いたり笑ったりして読みました。
今思い出しても、再読したい。
最近は少女小説家の方々が大活躍ですので、
もうあんまり偏見もないとは思うのですが、本当に甘く見てはいけません。
少女たちをあれだけ熱狂させるということは、<何か>があるのです。
このお話にも、「よく分かってるよな〜」と思わざるを得ない、
オナゴの心の機微に通じた、心憎いばかりのささやかな日常があるのであります。
世の中の大恋愛小説のような華やかさはないですが、等身大のトキメキが…(なぜかやや赤面)。
→お見合いつながり