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黄金色のかたまり、東坡肉。…ジュル…
『料理少年 キララティーンズ』
(令丈ヒロ子/講談社)

料理少年Kタロー君は小学生。
こんな息子がほしいです。弟でもいいですけどさ。
少年の料理は本格的。オカンのダメ料理、ダメぶりに呆れて、自分で作るだけあって、手間ヒマかかってます。(でも、このチラっと出てきたオカンのダメ料理は、けっこう、既視感があるんです。苦笑。オナゴなら誰でも、気分がのらない時には作ったことがあるんじゃないかなぁ…)
さて、そんな料理自慢のKタロー君は、お料理クラブとも対決。そのとき、彼が作るのがとろけるような東坡肉(トンポーロー)。う、うまそう。やっぱ
いざというときのインパクトは豚肉ですよね!脂身がね〜!
とろける一歩手前の柔らかさになるまでおうちで準備して、学校で対決。「Kタローは、黄金色のかたまりを、ゆっくりとなべから引き上げた」。はぁぁ。かるーくテンション上がりました(笑)。しかし、Kタロー君、今度は意中の少女に勝負を挑まれて、大苦戦なのです。
さらっと読める、児童向けグルメ小説。Kタロー君シリーズの第1作目。個人的にはオカンに共感を覚えました…。

ちょーかわいい。
『石井好子と水森亜土の料理の絵本 ポテトとわたし 角川文庫』
(石井好子・水森亜土/角川書店)

not for sale

非売品ですみません。急遽、お友達の結婚祝いにプレゼントすることにしました。

「卵とわたし」「ご飯とわたし」「サラダとわたし」に続く4冊目。
全130ページあまり。最初から最後まで亜土ちゃんの絵入り(カラーなの!)で可愛らしいこと、この上なしです。しかも、さすが石井好子さんで、ちょっと珍しい、作ったことのない、おいしそうな料理もかなりある。
私は、<ポテトアンナ>が気になるなぁ。

できることなら全冊揃えたい大注目文庫本です。

ドナルド・バーセルミの美味しいホームメード・スープ?
『夜の姉妹団 とびきりの現代英米小説14篇』
(柴田元幸編訳/朝日新聞社)
※文庫化して流通中。

俊英翻訳家柴田さんが、<腕によりをかけて選んだ面白い小説がいっぱい…(帯より)>ということで、さすがにウフフなラインナップ。ミルハウザー、バーセルミ、アンジェラ・カーター、レベッカ・ゴールドスタイン他。

ドナルド・バーセルミは「ドナルド・バーセルミの美味しいホームメード・スープ」を収録。ほんの3ページしかない短編。これがね、笑いました。えッ、ココ笑うとこですよね?
昔、私がとことん本格的に作ったホテルリッチな感じの高級カレーが、なぜかボンカレーに似てしまったことを思い出しましたよ。本を見て作った陳健一の麻婆豆腐を食べた愚弟が、「オレ、丸美屋の麻婆豆腐でいいよ。って言うか、丸美屋がいい」って言ったこととか。ドナルド・バーセルミの美味しいホームメード・スープは、ウチの美味しい麻婆豆腐と同じです。

電波少年+女体舟盛〜ッ!?
『食物連鎖』
(ジェフ・ニコルスン/早川書房)

一度読み出したら、面白くて気になって、止まらなくなる。と私は思います。ただね、これは好き嫌いがあるかもー。

目次もないので、読者は、なにやらよく分からない帯の情報だけを予備知識として読み始めるわけです。
主人公ヴァージル・マーセルは、外食チェーン経営者を父に持つぼんぼん。秘密クラブ「永遠倶楽部」に招待されます。そこへ向かう車中では目隠しをされ、着いた倶楽部では食卓の中心に女体舟盛がっ!!(正確にはあんまし盛ってはいないですけど。)なんじゃこりゃ? 物語の合間合間に「永遠倶楽部の歴史」なる本からの抜粋が配されており、その食にまつわる小話は、読み進むうちに、モザイク的にボディブローのように効いてきて、中々よろしいです。

センシティブな方にはオススメできません。多少のことには動じない、オトナなあなたにオススメです。。。

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こんな人がほしいか、こんな人になりたいか。
『趣味の問題』
(フィリップ・バラン/早川書房)

時々、こんな人がほしいと思います。
<パーソナル・テイスター>
美食家で、嫌いなものを食べたり、嫌いなことに無駄な時間を割いたりしたくない大金持ちのための<試食係>。
ニコラはフレデリックの試食係に雇われます。うーん、こんな人がいたら便利〜。かな? あ、でも、大金持ちの場合に限りますね。今の私には、試食係に食べさせて自分も食べる財力ナシ。皆無。
じゃ、いっそ、誰かの<試食係>になるか。うまいものドッサリ、しかもタダメシで給料が出て感激ですが、…相手のお金持ちに好みを合わせなければならないところが、苦痛です。たまにはマクドナルドへ入りたいと思ってもまず無理ですから。
そして、この物語、当然ですが、味見するのは食べ物だけじゃありません。本、映画、女…。
さて物語の結末は果たして…?
(2000年に映画化されたようです。)

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こんなん好きやもん。
『くいしんぼうえばなし』
(文:若谷和子 絵:篠田昌三、武田邦子、まやこうすけ/株式会社紀文)

昔話絵本です。
3話収録。その名の通り、食べ物の出て来る昔話ばかり。
「ねずみのすもう」「うさぎとガマのもちつき」「うめぼしだぬき」。
でも、私の注目はそこじゃなくて、この絵本が紀文から出ていること。蒲鉾の紀文さんです。昔<きぶん蒲鉾・手づくりの心プレゼントセール>というフェアをやったようですね。その時の当選品がこれですって。(食品会社さんはよく本を出してましたよね。)
おまけとして収録話にちなんだペーパークラフトが付いておりまして、まぁ、すごく簡単に作れそうなんですけど、それがまた心をくすぐるんです。こんなん好き。

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森野屋のブルーベリージャム。
『夢の果て 講談社文庫』
(安房直子/講談社)

童話集です。全8編収録。
私のお気に入りは「あるジャム屋の話」ですね。たまらんです。
世渡りが下手で、森でジャム屋を始めた<私>。(男性です。)
そこに美しい牝鹿がやって来て…。鹿の娘の美しさがしみじみと伝わってくる。ジャムはめちゃくちゃウマそうだし。もう降参。感服。
じつは「鶴の恩返し」なのだろうかと思って、胸苦しく、つらい気持ちで読んだのですが、さにあらずー!
号泣しました。
まずはブルーベリーのジャムを食べたら、鹿の娘の言う、野ばらのジャム、桑の実のジャム、山すもものジャム、木いちごのジャム、こけもものジャム、かりんのジャム、ラズベリーのジャム、野菊のジャム、アカシヤの花のジャム…を食べたいです。(何の計画?)
うちにも鹿の青年が訪ねてきてくれんもんでしょうか?
(※収録作は、他に表題作と「黄色いスカーフ」「サリーさんの手」「グラタンおばさんと魔法のアヒル」「花のにおう町」「空にうかんだエレベーター」「ききょうの娘」。)

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すみれちゃん、ラブリー。
『みけねこレストラン』
(竹下文子/偕成社)

怠け者でお気楽な飼い猫のすみれが家出して始めた「レストラン・ヴァイオレット」。主人公の少年は、材料集めのお手伝い。
決して変な材料ではないですよ。うまそうな材料です。しかもタダ!さて、なんでしょう? 私は是非食べてみたいなぁ。ネタバレるから、あんまり言えないけど、その食材の持つ問題点もむしろありがたいです。

すみれは、自立するためにレストランを始めたとかで、意外にしっかりしたところを見せるメスネコです。スマしたしゃべりかたがすごーくキュートなの。太っていたすみれも、しゃかりきに働くうち、少しヤセます。ファンシーな挿絵の中には、レストランのメニューもありまして、その内容も楽しいです。子供に愛されそうな、幼年おはなしどうわ。

→レストランつながり
→猫つながり

通いたい店。
『ショコラ』
(ジョアン・ハリス/角川書店)

ものすごい私事ですが、最近、隣りの市に新しいショコラトリー&パティスリーを発見。何かっちゅーと、理由をつけて食べに行っています。
また、先日はお気に入りのロイズ社に生チョコを注文してしまいました。
というわけで、チョコ党のワタクシ、これはもちろん、映画で見ましたがな!
映画はホッコリとあたたかい佳品でした。この原作小説もよろしいです。ノベライズではなく、原作ですから、期待しても大丈夫。映画とは違う味わいもあり、なおかつ、映画のことも思い出してニヤリとしたり、私と同じ<映画→小説>派も満足できるはずです。逆に<小説だけ>派はぜひ映画も見ていただきたいですね。
小さな村にふらりと現れてチョコ屋を開いた親娘と、村人たちとの交流、そして…。とにもかくにも、ショコラトリーに走りたくなる、迫力のチョコ描写がいっぱいです。
こういう来訪者モノを読むたび、「広い心を持たねばイカン」と思います。かなり狭いので(笑)。

→来訪者つながり
→チョコレートつながり

私なら、熊で冬眠。
『冬吉と熊のものがたり』
(安房直子)

童話にはおいしそうな食べ物が出てくる確率が高いですよね。子供心に訴えるのは、やっぱり食べ物なんでしょうか?
この物語にもとてもおいしそうなものがたくさん出てきます。しかも、メニューになんだか意外性があります。ちょっと面くらいましたもん、私。
何かと言いますと、まず<とろろ>です。そして<ビール>です。それから<きつねうどん>です。そんでもって、ちらっと<よもぎだんご>。
なんか現実的って言うか、ものすごく野性味あふれてるって言うか…。ふふっ。ある意味、野性味があふれてるのは当然なんです。なんとなーく想像がつくと思いますけども。
童話とは言え、ネタバレるので書きませんが、私なら絶対に<熊で冬眠>してます。うん。(ネタを御存じの方は笑ってください。)
しかしまぁ、きつねうどんのウマそうなことといったら、尋常ではありませんでした。よだれたれます。きつねの作る、屋台のきつねうどん〜。

→関連して(?)→変身つながり

パート2〜ッ!
『シネマ厨房の鍵貸しますPART2─映画に出てくる料理を作る本─』
(日本ヴォーグ社)

その名の通り、映画に出てくる料理を作る本です。
これはPART2。
PART1で感銘を受けましたもんね。PART2ももちろん、素晴らしいです。
何度も言うようですが、この本の関心は、「映画=食べ物」。いや、PART2になってますます「映画<食べ物」かも。めちゃくちゃウマそう。
「りんごのゼリージャムfrom幸福の設計」「ナポリ風マカロニfromマカロニ」「少年時代の思い出チョコレートケーキfromクイズ・ショウ」「ソーセージとりんごのオーブン焼きfrom若草物語」。う、うまそうっ…。こんなのもあります。「ペンギンとアルマジロの創作料理from張り込みプラス」。ゆで卵で作ったペンギン、アルマジロ形のミートローフ(笑)。見事に再現されています。一見の価値有。
豪華じゃないけど、これも食べたいのは「寅さんの食べたいいもの煮っころがし」。映画中、歴代マドンナに誉められているんですって。「
HB鉛筆で食べる原っぱ弁当from生まれてはみたけれど」。これもノスタルジックでとても良い! こういうノスタルジーに敏感になったのは、トシのせい? 私も今度、アルミのお弁当箱に詰めて、ピクニックに行こうっと。でもHB鉛筆で食べるのは大変そうだから、お箸は持って行こう。
しかも映画評は変わらず的確ですので、見たい映画と作りたい料理が山ほど増えること、請け合いです。

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