これもまた、構造上、物語のモチーフになりやすいですね。でも、もちろん単なる鶏卵も大好きです。 ▼忘れがたい卵。
「高丘親王航海記」
(澁澤龍彦/文藝春秋)
卵の物語と言ってもいいかもしれません。
これを読んだ人はみな、「そうれ、天竺まで飛んでゆけ。」と言って
何か光るものを暗い庭に投げたという藤原薬子の姿を
忘れられなくなるはずです。
薬子は言います。それは「未生の卵」で、天竺まで飛んでいき、
50年もすれば中から鳥になった薬子が生まれてくる、のだと。
父の寵姫、藤原薬子に親しんでいた高丘親王は、長じて天竺への旅に出ます。
澁澤さんの想像力と博覧強記ぶりが見事に結実した、
目に鮮やかな、忘れ難い航海記。死ぬまでには読まなければならない1冊。
→関連して
▼定番の卵。
「はじまりの卵の物語」
(坂東真砂子/理論社)
「死国 角川文庫」で有名な坂東真砂子さん、
じつは児童書で先に世に出ています。
すべての命の源である「はじまりの卵」を奪い、
世界を支配しようと画策するいろんな種族たち。
根本は違うけど、ちょっと指輪物語を思い出させるお話は、
子供向け正統派冒険ファンタジーって感じです。
小学校の図書館で読みたかった。
→アノ人の書いたアレランキング
▼たまごやき、マイラヴ。
「ぼくは王さま フォア文庫」
(寺村輝夫/理論社)
このお話、大好きでした。ね?王さまはわがまま。今日も王子さまの誕生を国中の人と祝うために、たまごやきを作ることにしました。「あまくって、ふーわりふくれた、あったかいのがいいね」。王さま、ほんとに気が合いますな! わたしも大好きです!
(あー、たまごやき食べたい!)
→つづきを読む。
▼こ、こわ。
「たまご猫 ハヤカワ文庫JA」
(皆川博子/早川書房)
こわい卵のお話。小さなものを集中してじっと見る。
特に中を見るように日にかざす、という行動は
なんとも、こう映像的に恐怖をはらんでいますよね。
猫が嫌いになる話です(笑)。
あの、ちょっと少年マンガ「ベルセルク」を思い出しました。
あれも卵なのかなぁ。卵だったら怖い卵ですよね。ま、関係ないですけど。
皆川博子の10の短篇を収録。
→猫つながり
▼ええやんか。
「いないいないばあ─クミコの詩集─」
(秋吉久美子/講談社)
秋吉久美子さんですよね。
「卵で子どもを産みたいわ」って、言ったのは。
(違ってたらそっと教えてやってください。)
秋吉さんの詩集。
写真上、本体。写真下、函。
できのいい写真、青地に白字のデザイン、
タレント本と呼ぶにはよくできた、イイ雰囲気の本。
▼かわいーい…か?
「PENGUIN
EGG POP-UPS」
(ペンギンの卵の飛び出すミニ絵本。※英語です)
かわいいような、バカバカしいような、リアルすぎるような、
微妙なセンスがいかにもアメリカーンな感じで、
大変気になります。
開いてみたい方は是非。
愚弟の彼女が開いてみて、ウケてました。
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