つい口がすべりがちな人や、若さゆえの過ちがいっぱいあった人にとっては、
「思い出は失言とセット」と言っても過言ではありますまい。
私の人生にも、友人知人には忘れてほしい諸々がいっぱいです。
▼これがノンフィクションとは。
『象は世界最大の昆虫である―ガレッティ先生失言録』
(池内紀訳/白水社)
私、最初は、ガレッティ先生自体が池内紀さんの創作だと思ったんです。
あまりにも失言がひどいから、そんな先生いやしないだろうと思って。
でも実在の人物らしいです。マジかー。
「イギリスでは女王はいつも女である。」とか、
「ダイオタロスはダイオタロスの父の子であった。」とか。
頭の良い先生らしく、歴史学、数学、人類学、私事と、
失言も多岐にわたっています。
縦横無尽の705の失言集。
なんやねん(笑)。
失言を並べてあるだけで、ひとつひとつに解説等はありませんのでご注意。
→先生つながり
▼忘れてほしいだろうね。
「失言辞典」
(失言委員会/学研)
政治家や芸能人の失言をまとめてあります。
ナンシー関さんの著作ほどは面白くありません。
でも、言った本人は「もう忘れてほしい!」と思っているであろう失言について「解説」と
「その後」を意地悪く収録してあり、ちょっと意地悪く笑いながら読んでしまいます。
こんなこともあったな、なんて。
他人にとっては単なる話の種でしかない失言の数々。
▼人生を変える失言。
『忘られぬ言葉 岩波文庫』
(パウル・ハイゼ 淵田一雄訳/岩波書店)
メルマガで話題にしました。
──男が恋人のある言葉を立ち聞きして、ショックを受けて去り、
自分の墓石にも、「あの言葉が忘れられない」って刻ませるんやって。
女は男の死後にそれを知り、自分も「あの言葉が忘れられない」って、
刻ませるんやって。あの言葉って何? 気にならん?!
(うちの母の言葉)
もちろん気になるさー! ということで、読みました。
「ある言葉」も分かりましたよー。
気になっちゃったら、是非どうぞ。
→お墓つながり |