ピクニック、そう聞いただけで、楽しくなります。でも本来ピクニックって何のことなんだろう? お弁当を持って野歩き、でいいのかな? というわけで調べました。えーと、なになに。「ピクニック…野山に出かけて遊んだり食事をしたりすること。野遊び。遠足」。よし、合ってる!
関連項目?→お茶会つながり▼大絶賛発売中。
「夜のピクニック」(恩田陸/新潮社)
本屋大賞受賞、大ベストセラーです。
もうお読みになりまして?
夜のピクニック、恩田陸。
なんか怖い感じ?
そう思われた方、怖くありません。
青春小説です。
青春小説はあんまり得意じゃないなぁと、思われた方。
大丈夫です。
多分、一気読みできます。
これね、一日の物語です。物語好きとしては、ある一日の物語って外せないでしょ?
恩田陸、青春小説、一日の物語、一気読み!ってことは、スゴイことが起こるんじゃない?!
と思われた方、それは違うかな(笑)。
ヒロインの通う高校では、修学旅行はなく、「歩行祭」があります。
夜を徹して80キロを歩き通すのです。
ヒロインたちは高校3年生。これが最後のイベントです。普段は話せない好きな人の話をしたり、噂話をしたり、思い出話をしたり。いろいろな友情と思いが交錯します。そんな中、ヒロイン貴子ちゃんは、一つの賭けをしています。さぁ、彼女の賭けはどうなっちゃうのか。
これで一気読みさせる恩田陸さんに拍手。
大掛かりな謎なんて、何もないんですよ。普通の高校のイベントだから。でも、ヒロインには転校していった友人から不思議な手紙が届いているし、何か思い詰めて賭けをしてるし…。
恩田陸さん、試合巧者だねぇと、分析しながら読ませられるのもいいでしょう。
最終頁を読むのが残念な本です。もっと読んでいたかった。もっと歩いていたかった。
そして、私ももっと青春を満喫するべきだった! と思う本。
→文庫版なら在庫あります。
▼人間らしくピクニックに行かねばならない。
『夜のピクニック』(鈴木いづみ)
(「恋のサイケデリック! SF集1 鈴木いづみコレクション3」の収録作
鈴木いづみ/文遊社)
鈴木いづみさんのSF短篇集です。(鈴木さんについて詳しくは→ココ)
明かるい篇と暗い篇に分かれています。
「夜のピクニック」は、暗い篇。
ん〜、サラっと鋭いSFかな。人間と、文明について。
私達もそこに出てくる怪物と同じかもしれません。
明かるい篇で肩ならしをしてから読んだ方がいいかなー?
なんと、恋のサイケデリック!/なぜか、アップ・サイド・ダウン/ラブ・オブ・スピード/契約/夜のピクニック/ペパーミント・ラブ・ストーリィを収録。
※¥2039で流通中。
▼ピクニックには何かある?
『みんなでピクニック』『ピクニック日和』(E・D・ホック)
(「夜はわが友 創元推理文庫」の収録作)
not for sale
怪盗ニックやサム・ホーソーンで有名なホックさんの、
シリーズもの以外の短編集。
巧いですが、どうしても薄味です。
ニックやホーソーンを読み尽くした、大大大ファンにしかオススメできません。
→ニックって?
▼戦場のピクニック。
『戦場のピクニック アラバール戯曲集1』
(アラバール 若杉彰訳/思潮社)
戯曲集。8つの戯曲を収録。アラバールはスペインの人。
(残念ながらよく存じ上げませんが、もしかして、すごーく有名で、
「戦場のメリークリスマス」というタイトルの元ネタ?ということはあるんでしょうか?
後で調べておきます)
表題作「戦場のピクニック」はとても短い戯曲です。
ありきたりな言い方になりますが、戦争の悲惨、不条理というヤツを鋭く描いているように思います。誰も望んでないのになぁ。普通に生活したいんだけどなぁ。そして敵も多分そう思ってるはずなんだけど。
そんな、単純だけど大きな悲劇。
印象的なカバーは辰巳四郎。
種村季弘の「悲喜劇の出生<F・アラバールと迷宮演劇>」16pを収録。
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