煙草はダメです。百害あって一利なし。「煙草がないと、なーんもできんのかーい!」って言いたくなることも多々あり。でも、フィクションの中だと事情は違ってて、イイ男に紫煙をくゆらされると、「うひょー、男前〜」と思いがちです。乙女心はフクザツなのでした(いや、単純なのか?)。
ところで、探偵さんや、刑事さんにヘビースモーカーが多いのはなぜなんでしょう?
関連して→メンズ・ライフ、→酔っぱらいつながり▼手ダレの短編集。
「くわえ煙草で死にたい 新潮文庫」
(都筑道夫/新潮社)
私はね、「前のめりで死にたい」、または「花のもとにて春に死にたい」です。
それはともかく、都筑道夫の連作推理短編集。
全6編。
表題作は作詞家の殺人事件。「自分の作った”くわえ煙草で死にたい”
という歌の通りに煙草をくわえて死んでいた。(あらすじより)」
私立探偵・西連寺剛の活躍。
▼四コマ漫画で煙草推奨。
「いっぷく漫腹」(日本たばこ産業)
全112頁。
非売品だそうで、きっと配ってたんでしょう。
たばこにまつわる4コマまんが集です。
執筆者はビッグネーム揃いですよ。
秋竜山、岩本久則、かまちよしろう、鈴木ひろし、
平ひさし、滝谷節雄、はしもといわお、はらたいら、前川しんすけ。
発行年の記載はナシ。いつごろでしょう?
〒番号は3桁です。
愛煙家の方の肩身が狭い昨今。煙草の良さを伝えるこんな小冊子も
今では配りにくいかも?
→企業つながり
▼やめられないとまらない
「クリスマスのフロスト 創元推理文庫」
(R・D・ウィングフィールド/東京創元社)
初めてかっこわるい煙草の吸い方に出会った気がします(笑)。
喫煙者にキビシイ風潮を反映して、フィクションの中でも、
「<男>を表現する小道具」ではなく、
「やめろと言われても〜」的な、「情けなさを表現する小道具」
として使われる頻度が増したということでございましょうか。
クリスマスとミステリの相性ってイイんですよね。なんででしょ?
フロスト警部シリーズ第一弾。
→クリスマスつながり
▼ダンサーなのにさぁー。
「SWAN 集英社マーガレットコミックス」
(有吉京子/集英社)
店主のバレエもの好き、原点です。
全21巻の大長編バレエマンガ。
少女マンガの楽しさがてんこ盛り。
かなり突っ込んだバレエものですので、
知らないうちにちょっとしたバレエ通になります。
しかし、最近再読して気になったんです。
かっこいい男性ダンサーも山盛りで出て来るこのマンガ。
ダンサーなんて、体力のいるお仕事なのにさー、
みんな煙草スパスパ吸うんです。それはイカンでしょう。
とは言え、「ンンーッ」ってイヤそうな顔で煙草を吸ってたレオンを
幼心にも「ステキー」と思った記憶は今も鮮明です。
→バレリーナつながり
▼やめられないとまらない
「たばこ 保育社カラーブックス」
(田中冨吉/保育社)
パッケージやライター、煙草入れはカワイイ!と思います。
そんなこんなもたくさんではないですが、少しずつ紹介されていますよ。
葉たばこの種類、たばこの栽培、たばこの製造、たばこの製品、
外国のたばこ、たばこの科学、喫煙具。さらに煙草の歴史について
解説。相変わらず写真ふんだんで読ませます、カラーブックス。
▼名アンソロジー。
『煙の環』(クレイグ・ライス)
(「謎のギャラリー特別室」(北村薫編/マガジンハウス)の収録作)
※他にもいろいろなものに収録されていると思います。
一度読んだら忘れられない超短篇。3ページくらい。
妻が夫を殺した理由は「鼻の穴から煙の環を吐くから」。はぁ?
聴取していた弁護士はびっくり。
しかし─!!
※謎のギャラリーはたくさん出ていますから、お間違えないように。
これは特別室(1)。
収録作は、遊びの時間は終らない(都井邦彦)、俄あれ(里見トン)、猫の話(梅崎春生)、なにもないねこ(別役実)、チャイナ・ファンタジー(南伸坊)、巨きな蛤(南伸坊)、家の怪(南伸坊)、寒い日(南伸坊)、ねずみ狩り(ヘンリィ・カットナ)、煙の環(クレイグ・ライス)、ナツメグの味(ジョン・コリア)、やさしいお願い(樹下太郎)、歌の作りかた(阪田寛夫)、獅子の爪(フランソワ・コッペ)、エリナーの肖像(マージャリー・アラン)。
▼未読ですが。
「ニコチン・ウォーズ」
(クリストファー・バックリー 青木純子訳/東京創元社)
「タバコ業界のスポークスマンのニックことニコラス・ネイラーは、吹き荒れる嫌煙運動の嵐に立ち向かい、健康問題シンポジウムで、人気TVトークショーで、愛煙家の自由と権利を護るべく、日夜、論戦を繰り広げていた。チーズは血管を詰まらせる、それなのにどうしてタバコだけが責められるんだ。クッキー入りアイスクリームなんていう恐るべき食べ物があるというのに、タバコだけがやりだまにあげられるのはなぜ、なぜなんだ。タバコには、パーキンソン病の発症を遅らせる効能があるというではないか。それにですよ、タバコ無しのハンフリー・ボガートなんて、考えられますかあなた。愛煙家の味方ニックは戦っていた。アルコール産業のスポークスウーマンと、銃関係団体のスポークスマンとの三人で、自らを「死の商人」と称し、集まってはグチを言い合い、怪気炎を上げ、ストレスを解消しつつ…。彼はこの仕事が好きだった。それより何より、彼には家のローンがあった。ニックはしゃべりつづける。まるでナチスででもあるかのように人々に糾弾されようと、嫌煙活動家に殺されかけようと。そうなのだ、彼は拉致され、皮膚から少量ずつニコチンを吸収させるという、ニコチン中毒治療用のニコチン・パッチを全身に貼られ本当に殺されかけたのだ。FBIまで巻き込んでの、吸ったもんだの大騒動。腐敗した政治、メディア戦略、パワーゲーム…ワシントンの構造を痛烈に徹底的に揶揄する抱腹絶倒のタバコ小説。愛煙派も嫌煙派も絶対必読(あらすじより)」。
どうかな?
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