詩人の書いた小説って、何か共通する温度みたいなものがありませんか?
なんていうのかなぁ。詩の時には枠いっぱいの中で、はみ出しそうになっているんですが、小説になると言葉の美しさも相俟って、すごく整然としているんですよね。料亭のお節みたいに。それが悪いのではなく、心地よいんですけど。まぁ適当な意見です。すみません。▼題が…。
「六波羅カプリチョス」
(飯島耕一)
六波羅カプリチョスって…。
私的には題だけで、「買い」でした。他に「暗殺百美人」って作品も
ありますしね。すごくタイトルのつけ方が上手です。
飯島耕一さんの文章は好きで、昔、アポリネールのミラボー橋の詩は、
堀口大学より飯島さんの訳が好きだなぁとか、生意気なことを考えていたことを
思い出します。若気の至りです。→関連項目
→関連項目・ふざけてないのに笑っちゃう題ランキング
▼離婚しちゃったの。
「ラ・ニーニャ」
(伊藤比呂美/新潮社)
伊藤比呂美さんは、「良いおっぱい悪いおっぱい」で、
大変有名ですね。
オーラの出ていそうな、パワフルな詩人。
「良いおっぱい悪いおっぱい」や「パパはごきげんななめ」などで大活躍、
微笑ましかった旦那さまとは、御離婚なさったそうで、ちょっと残念でした。
作品と作家の人生が、やはり関係あるという前提に立つと、
これは離婚して子供を連れて海外に行っちゃう女性の話ですし、
何やら感慨を持たずには読めません。
(ワイドショー的ブックレヴュー、ワイドショー的読者で
申し訳ないんですが。)
→離婚つながり
▼文字が色つき。
「アーモンドの樹」
(ウォルター・デ・ラ・メア/牧神社)
文字が茶色です。挿絵入り。詩人にして童話作家のデ・ラ・メアの童話は陰影があり、非常に美しい。子ども心って明るいばかりではないんですよね。でもそこにある哀感は大人のものとは違って、子どものものなんです。童話と言いますが、大人のための小説です。大切にしたいお話であり、秘蔵したい本。
→文字が色付きつながり
他に…歌人の書いた小説→塚本邦雄の著作
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