クロニクル(年代記)、けっこう在庫にあることに気付いたので、つなげておきます。厳密にはクロニクルなのか疑問だけど、クロニクルと呼ばれているものも、含めます。 ▼ヴァンパイア・クロニクル。
「夜明けのヴァンパイア ハヤカワ文庫」
(アン・ライス/早川書房)
独自の美学に生きるヴァンパイアのレスタトと不幸にも彼にヴァンパイアにされたルイと、少女の時にヴァンパイアにされたクローディアの物語。一読して驚くのはレスタトの非道ぶりと言うか、訳のわからなさなんですが、このシリーズの次作を読むと割りに解決されます。
どんどんどんどん、登場人物とその人物の抱える背景が増え、世界が広がっていく、ヴァンパイア・クロニクル。まずはこれから始めるのが普通です。
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→ドラキュラつながり
▼思う存分?
『星界物語1〜3』
(山田章博/青心社)
小野不由美「十二国記」の挿絵に眩惑されて、山田章博の著作をあたってみた方は多いのでは?山田章博描く詩画クロニクルって感じかしら。美しいです。
星界物語1、2(ザイン篇)、3(魔宮篇)の3冊。きれいな本でして、こういうのを見ると、あぁいいなぁと思いますね。自分の思いどおりの世界を作り上げたい、そういう著者の心意気を感じます。奥付けには著者作のEX
LIBRISが描いてあって、つくづく、絵心のある方は羨ましいと思わざるをえません。そんなところまで自分好みにできるなんて。(別紙に刷って、貼り込んであったら最高なんですが。)
3冊とも100ページ弱ですが、1ページのお話につき1ページの絵は立派。淡々とした幻想世界の物語。
▼ながー。
「ダーコーヴァ不時着 ダーコーヴァ年代記 創元推理文庫SF」
(マリオン・ジマー・ブラッドリー/東京創元社)
SFですが、女性作家らしい、しっとりした雰囲気が漂い、
想像するよりもずっと入りやすいんじゃないかなぁ。
あとがきによると、なんと著者はシリーズものが嫌い(!)らしいですが、
充分、シリーズものの楽しみがある、一大年代記でしょう。
この作品自体もシリーズが読者に浸透してから書いた、シリーズの中では
昔の話。…分かります?
あー、つまり、読者にとってはおなじみのシリーズの世界の
2000年も前の話らしいです。おぉ。
しかも、それが最後の一行でようやく分かる仕組みだそうです。
そういうこと言われるとすごく弱いんんですよね、わたし。
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▼そんなに火星好き?
「火星年代記 ハヤカワ文庫NV」
(レイ・ブラッドベリ/早川書房)
文字通りの年代記(クロニクル)。1999年から2026年まで。26の短篇集。
「SF史上に輝く永遠の記念塔」と書かれている通り、避けて通れぬ名作の一つ。
よくブラッドベリ作品の詩情が取り沙汰されますが、
私にとっては、ビターチョコくらいの詩情で、ちょっと辛口。ほろにがい味がします。
ブッラドベリがモラルの人と言われる所以でしょうか。みなさんはどう思われますか?
→火星つながり
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