迷子になったらまずHOMEへ

■源氏つながり
源氏物語もけっこうつながることに気付きました。さすがに名作古典です。
光源氏、いい男なんでしょうけど、彼に愛されたいかと言うと悩んでしまいますね。特に、女三ノ宮を妻に迎える終盤では義憤に近いものを感じてしまいます。紫の上はっ!?どーすんのっ? って。
まだ幼い紫の上をカドワカスところもどうかと思うし。 →いい男ランキング(作成中)

▼はっ、とすることが多いです。

『王朝の香り 京都書院アーツコレクション』
(京都書院)
※文庫サイズ

半分は、現代画家の書いた源氏物語絵。そして半分は、有名作家たちの源氏物語をめぐる54のエッセイです。平成3年〜『婦人画報』に連載されたものの文庫化だそうです。
ありがちーとは言わないで。
このエッセイ集、なかなか面白い。メンバーも勿論、豪華。ざざっと言っても、北村薫、岸田今日子、池内紀、服部まゆみ、内館牧子、赤江瀑、氷室冴子、荒俣宏、清水義範、中島梓…。各人、ほんの2、3ページしか書いていませんが、自分との関わりで書いているので、妙に興味深い意見多数。北村薫はあの「わたし」に”つれなし”について語らせ、岸田今日子は「葵上」の舞台での三島由紀夫の話を、荒俣宏は当然だけど「源氏のオカルト生活」を。片岡義男の英語で読んだ源氏の話は、いとうせいこうの
「セケン・ムナサンヨー」を連想しました。
楽しい読み物って感じです。

○大塚ひかりさんの「紫式部の『父性原理』」に注目。父の妻(藤壺)に道ならぬ恋をする光源氏は、瓜二つの紫の上を見て、「あの人の代わりに、明け暮れの慰めに見よう」と思うわけですが、この発想が「男」の発想だって。ふぅむ、男性諸氏、いかがですか?

▼源氏物語と言えばこれでしょー。イェー。

「あさきゆめみし 全13巻 講談社コミックス」
(大和和紀/講談社)

これで古文も安心。ほんとに役に立ちます。
超長編の源氏物語も少女マンガならすらすら読めちゃうことの不思議。
そしてマンガなら記憶鮮明で、テストに出てもピンと来ることの不思議。
物語の原点と言われるだけあって、
少女マンガにぴったりはまって、これはこれで一つの名作になりましたよね。
光源氏もかっこいい(顔はね)。

▼フランス人が源氏を書くと、こうなる。

「源氏の君の最後の恋」
(「東方綺譚 白水Uブックス」の収録作)
(マルグリット・ユルスナール/白水社)

なんか、時代背景や小道具や原典解釈がアヤシイところもありますが、
それは勘弁してあげましょうよ。(それを楽しむのもアリかと。)
源氏物語を読んで、書きたくなっちゃった作家の気持ち、
わからないでもありませんもんね。インスパイアされたんでしょう。
恋多き男と、昔彼にふられた女が、男が老いた頃に出会い…。
という話ですが、妙にフランスな香りがしないでもないです。逆に。
→変な日本ランキング

▼さぁ、身体測定ですよ。

「『源氏物語』の身体測定」
(大塚ひかり/三交社)

源氏物語の登場人物の容姿、その具体的身体描写に注目して
書かれた本。興味深いです。そして愉快です。
源氏物語に出てくる華奢系の男、マッチョ系の男比較。
小柄のエロスと幼児性、を指摘されてるのは、夕顔・女三宮・浮舟。ふーん。
秘められたセクシャリティのリアリティ考察とかもおもしろいです。
こういう古文の授業があったらよかったのに。
一読の価値アリ。

▼でも、賛成だけどな。

「笑う大天使(ミカエル) 全3巻 花とゆめコミックス」
川原泉/白泉社)

お嬢さま学校に入学してしまった、お嬢さまじゃない娘3人のコメディ。
3人ともお嬢さまじゃないけど、お嬢さまのフリです。大変です。
柚子さんちは成金なので、ひろーいおウチが落ちつかず、
ちゃぶ台を置いてごはんを食べてるし、
和音さんのパパは立志伝中の人、でもママと折り合いが悪く、和音さんを育てたのは秘書の俊介さんであると。
史緒さんは進学校に通う予定だったのに、母の死で生き別れてたお金持ちのお兄さんに引き取られたのでした。
さて、作中、3人は
ロレンス先生から源氏物語を読んでレポートを提出するように言われるのですが、そのレポートがね、腹をかかえて笑いたくなるような傑作でした。ロレンス先生は読んで頭を抱えてたみたいだけど、私的にはかなり賛成のレポートでしたよ。
→成り上がりつながり
→関連して(ちょっとした続編)

▼源氏物語殺人事件?

「薫大将と匂の宮」
(岡田鯱彦/国書刊行会)

かなり、驚愕のあらすじです。
「二人の貴公子の恋の鞘当が招いた美しい姫君たちの死。
紫式部と清少納言が推理を競う王朝ミステリ。
こういう、思わず顔がほころんじゃうあらすじ、大好きです。
→史上最高のあらすじランキング