郵便屋さん。さすがにそんなにたくさんあるとは思わなかったんですが、あるじゃないですか!
ミステリにもよく似合います。「実は切手が…」というミステリもありますが、このつながりに入れると、それだけでネタばれるのでやめておきます。
関連項目→手紙つながり▼イシシ。
『銀河郵便は三度ベルを鳴らす』
(大原まり子/徳間書店)
連作短編集。イル&クラムジーのシリーズ第3作目。
もの悲しい余韻のある「ドロシーの首」はワタクシのお気に入り。アンドロイドの生と死をへだてるのは記憶である、ラストのクラムジーの説明が印象深いです。「郵便屋は三度ベルを鳴らす」では、イルもクラムジーも別の人と結婚しちゃいますが…。長くつづいているカップルは3種類に分類できる、って展開される説に笑。絶好調の全5編。
※最近、デュアル文庫から流通中。
→アンドロイドつながり
▼本歌。
『郵便配達夫はいつも二度ベルを鳴らす ハヤカワ文庫HM』
(ジェイムズ・M・ケイン/早川書房)
上の銀河郵便もそうですが、
よく元ネタにされる秀作タイトルです。
しかし、私の知る限り、郵便配達夫は出てきません。
小さかった頃、土曜の昼下がりにこの映画をテレビでやっていまして、
幼心にも、「サスペンスだろうか?」と思って見ていたら
寝台場面があったので、大変動揺したことを思い出しました。
でも、いつか郵便屋さんが出て来るんだと信じていたのに、
全然出て来ないんだもん。
▼うれしいなぁ。
『おとぎの国の郵便切手』
(安野光雅/岩崎書店)
好きです。
好き度100%。
子供向けの絵本なのでしょう。でも、大人のほうが楽しめるかも。
だって、かなりインテリジェンスの香りがするパロディがあるんだもん。
むかしむかし、とある国で、郵便を始めることにしました。
つきましては、切手が必要です。
そこで切手のデザインをしなければなりません。
駆け出しの画家さんが、デザインを考えては、大臣に見せにいきますが、
いつもなんだかんだと、大臣からダメ出しをくらいます。
ゴールデンボーイ(金太郎)とか、リョーカンとか、キン・ジローとか、
剣豪ボクデインとか。そのダメ出しの理由に微笑しちゃう。
こんな切手大歓迎だけどなぁ。特にピーチボーイ(桃太郎)の切手には感心しました。
安野さん、天才。
巻末に実際に安野さんがデザインした、ふるさと切手シリーズ「萩・津和野」の
一枚が記念に付いています。妙にうれしい。
→ミニ特集・備品のある本
▼リリカル。
『プリーズMr.ポストマン プリンセス・コミックス』
(山下友美/秋田書店)
著者初めてのリリカル・ファンタジーなんですって。
普通の郵便屋が配達できない郵便物を
届ける「風の塔郵便局」のノトス。
(あらすじより引用)
ファンタジーと言っても、ちょっと変わった郵便屋さんなだけですから、
ファンタジーがダメな方もこれならイケるでしょう。
ほのぼのハートフルコメディ。
▼変わった職業。
『郵政捜査官 ハヤカワ文庫HM』
(ショーン・マグレディ/早川書房)
宛先も差し出し人も不明の郵便物の処理にあたる郵政捜査官エイモン。
彼の元に殺人の証拠となる手紙が回されてきます。
「1通の手紙から、驚くほどの情報を探り出す郵政捜査官エイモン登場」
(あらすじより)
なるほどね。
確かにシリーズにしやすそうな職業ですね。
そう言えば、どこかの国にも、葬儀屋ミステリーとかツアコンミステリーとか、
キモノデザイナーなんとかの事件簿とか、ありますよね。
→変わった職業ランキング
▼英国のやまんば、かと思った。
『オットフォードの郵便夫』
(『短篇集 妖精族のむすめ ちくま文庫』収録)
(ロード・ダンセイニ/筑摩書房)
『妖精族のむすめ ちくま文庫』収録の『オットフォードの郵便夫』。
幻想短編小説です。
1年に1度、村はずれのあばらやに緑色の封筒が届く。
支那の切手が貼ってある。
郵便夫はいつもそれを届けるとさっさと帰ってきたのに、その年は…。
人気稀少本ゆえのプレミア価格で失礼いたします。
全21篇収録。
※その後、復刊。流通中。
▼こういうの、弱くて。
『差出人戻し 光文社文庫』
(ディック・クラスター 郷原宏、山本楡美子訳/光文社)
アレックスは、見知らぬ老人から、
投函済みの小包を受取人が受け取る前に取り戻して欲しいと頼まれる。
しかし、老人は殺されてしまう。
果たして老人の意図はなんだったのか?
小包は何だったのか?
あらすじの魔力に弱いので、こういうの見過ごせないんだな〜。病気だ。
▼イイ感じ。
『パームビーチ探偵物語』
(ローレンス・サンダーズ 真崎義博訳/早川書房)
カバーからしてイイ感じだなぁ。
アーチボルト・マクナリーは、弁護士資格はないが、
父親の法律事務所で秘密調査を任されている。
そして今度の彼の仕事は、非常に高額な、印刷ミスの切手「逆さのジェニー」を
探し出すこと。調べれば調べるほど、みんなが怪しい…。
ナンパ大好き、秘密調査員マクナリーシリーズ第1弾。
切手がらみ、郵便がらみのミステリ、楽しいことが多いですよね〜。
▼カラーブックスにて。
『日本の切手1・2セット カラーブックス50・216』
(山根重次/保育社)
ひたすら日本の切手の紹介です。
カラーブックス故に、半分以上はカラーで紹介。
お好きなかたはたまらんでしょうね。
別段、趣味のない私も眺めていれば面白く感じられます。
▼元気が出る本。
『るきさん ちくま文庫』
(高野文子/筑摩書房)
高野文子さんのコミック、というより、「るきさん」。
るきさんと言ったらるきさん! 他の何物でもない、って感じ。
いいなぁ。
でもどう思う?
これ、日本女子以外に理解されると思う?
セックス・アンド・ザ・シティみたいのじゃないと、
欧米の女子には理解されないのかな?
あー、聞いてみたい。
SATCの4人の中にるきさんはいないよね。えっちゃんはミランダだと思うんだけど。
るきさんは5人目になれるかな?
るきさんの趣味(?)が切手集めです。
※¥609で流通中。
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