なんか局地的なつながりで申し訳ない気もするのですが、友人に子供ができたことを記念して。妊婦つながり。と言う割には、不穏当な本も入っているのでした。ふふ。 ▼まずはコレを。
「良いおっぱい悪いおっぱい 集英社文庫」
(伊藤比呂美/集英社)
パワフルな詩人、伊藤比呂美さんの妊娠育児エッセイ。
「胎児はうんこである」─と過激に語る伊藤さんですが、
そのパワフルな語りぶりは、じつに爽快。
自分が心の狭いちっちゃい人間に思えてくるんです。
この脳天にガツンと来る感動は詩情と呼べるのかもしれません。
しばしば登場する伊藤さんの夫(当時)=西成彦さんは、なかなか良き夫で、
「ええなぁ」と思いました。でもその後、離婚…。
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→離婚つながり
▼笑える!
「にんぷ天国 光文社文庫」
(岡崎香 伊藤理佐画/光文社)
アノ伊藤理佐さんが挿画を担当しているところから想像する通り、
笑いアリ、笑いアリ(笑)の楽しい妊婦本。
苦労は苦労のまま率直に書かれているし、
多少一般より変わってるかもしれないけれど、
まずまず等身大の妊婦本として、いずれは参考にしたい気がしました。
友人にプレゼントしましたので在庫切れ。まだ流通中です。
▼古典。
「ローズマリーの赤ちゃん ハヤカワ文庫NV」
(アイラ・レヴィン/早川書房)
先頃、続編も文庫で出たようですが、
それを読んだ友人は不満たらたらでした。
超有名作でして、これの焼き直しで100万作くらいの(大げさ)
映画や小説がありますよね?
新作映画のスジを聞いて、「あー、ローズマリーね」って思うこと、多いです。
というわけで、先駆者の価値ということを思わざるを得ない傑作、じゃないでしょうか?
「おなかの中に何かいる」─妊婦という存在の原始的な怖さ、それは確かにホラー向きです。
▼ローズマリー?
「私の中から出てって」
(サンドラ・ヴォ・アン/講談社)
さて帯は、「ついに『ローズマリーの赤ちゃん』の恐怖は
乗り越えられた。 蹂躙と陵辱のホラー」。
題がね、怖いですよね。
『ローズマリーの赤ちゃん』も相当怖いですけど、
これもダイレクトで少々あざとい怖さがあります。
あらすじは、「事故で母親を失った15歳の少女が父親と暮らし始めて…」
って言うんですが、『うーむ。そのスジでローズマリーってことは、そりゃ当然アレか』
と、ヒドイことを想像したら、なんか違う。アレ?
或る朝、目覚めると少女は汚泥にまみれており、壁には長い四本指のアトが…。
んぁ? どういうこと? 続きは読んでみてください。
書き手が女性のせいか、異常な状況下の少女の心理にも
奇妙なリアリティがあります。
▼妊婦サスペンス。
「泣き声は聞こえない 創元推理文庫」
(シーリア・フレムリン/東京創元社)
ひと夏の経験をしてしまったヒロインは
あっけなく妊娠。そして堕胎。
ヤケになって家出をします。おなかに詰め物で、妊娠したフリをして。
彼女がいっしょに過ごすようになった、とあるグループの人たちは
彼女のウソ身の上話(未婚の母ということ)に理解と同情を示し、
妊婦であるおかげで親切に大切にされます。
日は過ぎ、彼女の出産が待たれます。
さぁ、どうする? どうする? 待っても生まれないんだよー。
ドキドキ感とプレッシャーがチト心臓に悪い、妊婦サスペンスです。
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