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■ゲイつながり
笑っちゃうつながりですが、面白い本が多いですよね。なんで面白いんだろう?
因みにこれは店主が勝手にゲイつながりと認定したものです。ゲイの定義は単に「同性愛(っぽいこと)」とさせていただきました。ゲイなんてひどーいなどの批判はあるかと思いますが、御容赦ください。しかも全然ゲイでなくて普通だったら(笑)すみません。リストアップしてみるといっぱいありすぎたので、絞りました。
関連項目→美少年つながり

▼男2、女1

「きらきらひかる」
(江國香織/新潮社)

映画化もされましたね。
男が好きなんじゃなくて、この人だから好きになった、という少女マンガに頻出するパターンです。絶対的な愛、ってやつかなぁ。(そんなのありかなぁ。)
夫に男の恋人がいると知っているアル中の情緒不安定な妻を交えて進行する小説です。悲壮な感じですがそんなことはありません。

▼やっぱり男2、女1

「トラック・ドライバー」
(フランソワーズ・レイ/二見書房)

「わたしが愛した男たちはゲイのカップルだった」って帯。
フランス女性に大ウケしたみたいです。
男二人女一人っていうのは、なかなか古典的な文学的モチーフ
ですよね? 上↑もそうだし。

▼死の王VS闇の王

「死の王」
(タニス・リー/早川書房)

死の王や闇の王が出てきますが、
両性具有の主人公シミュとそのかつての恋人の魔術師ジレクの
間柄がね、どう見ても美青年2人の愛ですから。
死の王に立ち向かうべく闇の王の助けを借りたシミュに、
死の王が差し向けたのはジレク。
さて、二人の愛と死の王VS闇の王の対決の行く末は?

▼また男2、女1

「夜明けのヴァンパイア」
(アン・ライス/早川書房)

これも映画化されました(「インタビュー・ウィズ・ヴァンパイア」)。
独自の美学に生きるヴァンパイアのレスタトと不幸にも彼にヴァンパイアにされたルイと、少女のうちにヴァンパイアにされたクローディアの物語。レスタトのルイへの執着が明らかに尋常ならざる愛ですね。一読して驚くのはレスタトの非道ぶりと言うか、訳のわからなさなんですが、このシリーズの次作を読むと割りに解決されます。
もともと私はドラキュラ好きでしたが、なかなか男前のドラキュラに出会うことは少なくて潜在的な不満を抱いていました。そんなとき、とびっきり男前の吸血鬼たちに出会ってめちゃくちゃ嬉しかったのを覚えています。 
→ドラキュラつながり

▼この友情は。

「ブライヅヘッドふたたび」
(イーブリン・ウォー/筑摩書房)

主人公とその親友の友情が同性愛的という意味でも
有名な作品ですよね。

▼淡く。

「真夜中の相棒」
(テリー・ホワイト/文藝春秋)

天使のように人を殺すジョニーとその相棒のマック。
ある日、ジョニーは警官を殺す。その警官には相棒がいた。
別に何がどうって訳ではないですが、なんかそうなんです。そこはかとなく。
→殺し屋つながり

▼豪気な感じ。

「剣の輪舞 ハヤカワ文庫FT」
(エレン・カシュナー 井辻朱美訳/早川書房)

あらすじと解説の温度差に少し微笑を誘われたので
引用してみます。

まずあらすじ。「都で一、二を争う腕を誇る美貌の剣士、リチャード・セント・ヴァイヤー。暗殺請け負いをなりわいにしている彼は、愛人の美青年アレクとともに気ままな暮らしを送っていた。そんなある日、政敵を追い落として権力を握ろうと図る大物貴族から仕事の依頼が舞い込んだ。…」

はい。では解説から。「主人公は凄腕の剣士リチャードと、抜群の頭と美貌を持ちながら世をすねている元学生のアレクというゲイのカップルであり、剣士を代理人にしたてての決闘があらゆるトラブルを解決する手段として貴族たちのあいだで愛用されているという設定のもとで、権力と恋の争いが描かれています。」

ぷぷぷ。
この剣劇ファンタジー、剣劇のためのファンタジーでして、
わざわざファンタジーで剣劇をするところがですね、
なかなか日本ではあり得ないといいますか、豪気な感じがいたします。

▼これも男2、女1。

「ピッツバーグの秘密の夏」
(マイケル・シェイボン/早川書房)

主人公の青年はバイ・セクシャル? そんな夏なんです。
というわけで、これも由緒正しい男2女1の構図です。
でもなかなか、いつも通りにはいかないですよ。

たまにあるんですが、これは著者の魅力があふれる本だと思います。
こんな物語を書く人って、素敵かも?
そう思って訳者あとがきを読めば納得。
明るくて知的。ワビサビを知る男。
かもね〜。

夏。自分探し。
秘密の夏なんてナイもん、とふてくされずに、ぜひ。

▼ジュネにバロウズ。

「マリアの死」
(ゲイリー・インディアナ 越川芳明訳/白水社)

なんと<ジュネと比肩され、ウィリアム・バロウズ絶賛のゲイ作家>だそうです。
そりゃすごい肩書きだぁ。
激しさが突き破って出て来そうな短篇集。

収録作は、
「あたしはキャンディ・ジョーンズ」、「上海」、
「アメリカン・エクスプレス」、「生き返った男の話」、
「テレビより愛をこめて」、「ソドミー」、
「あんただけしかいなかった」、「世界革命におけるわが家の役割」、
「スカー・ティッシュー」、「ベッドの上での会話」、
「芸術は長し、されど…」、「『ミッキー・マウス・クラブ』万歳」、「マリアの死」。

▼青春の記録。

「おれの墓で踊れ」
(エイダン・チェンバーズ/徳間書店)

16歳の少年ハルが、死んだ友人バリーの墓を損壊そたという罪で逮捕された。
しかしその理由を語ろうとしない。
信頼する教師にすすめられて書き始めた手記、それががこの小説です。
じつはハルとバリーの間に恋があって…、
という展開にはびっくりしましたが、思春期の友情のもつれとしてもよく書けています。
手記の体裁も、青春の詳細な記録の雰囲気を盛り上げています。

他に… 「西洋骨董洋菓子店」(よしながふみ/新書館)