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■リストつながり
なんのリストなのか。そこにはちょっとしたミステリーがあります。手帖つながりと重なる部分が多いかなー。
関連項目→
手帖つながり

▼デスノート。

『デスノート ジャンプ・コミックス』
(大場 つぐみ、小畑健/集英社)
not for sale
夜神月(やがみ・らいと)君の拾ったデスノート。それは、死神のノート。
そこに名前を書かれた人は死んでしまいます。
夜神月は正義感による殺人を始めます。
それは証拠のない殺人。決してバレることなどなく、より良い世の中を作れるはずでしたが…。意外にも追い詰められていくところが、じつに面白い。頭脳戦なのです。
私は死神のファンになりました(笑)。

デスノートは要するに死者のリストになっています。
アリバイ作りや敵への攻撃などの諸事情のために、几帳面に死者がリストアップされていく様を、読者はしばしば見せられました。最近では一番印象的なノートであったと申せましょうか。
→手帖つながり

▼読ませる。

「エイドリアン・メッセンジャーのリスト 創元推理文庫」
※「ゲスリン最後の事件」改題
(フィリップ・マクドナルド 真野明裕訳/東京創元社)

エイドリアン・メッセンジャーは、10人のリストを残して飛行機事故で死にます。
彼の生前の依頼に従って、そのリストを調査すると、彼らは(おおむね)事故死している!
こうなると、エイドリアンの死さえ、何か怪しい。
しかし10人には接点が見付からない。

だいたいそのような謎から始まるミステリーです。
エイドリアン・メッセンジャーはその10人の死について何かを嗅ぎ付けていたらしく、
「陰謀なんかありゃしないんだ。それにとにかく、わたしの見方が当たってるとすれば、こいつはどんな政争よりもはるかに古くからある罪悪でね…」と、犯人の動機らしきことについて、思わせぶりなことを言っています。
また死に際にダイイングメッセージも残しています。
つまり、そそられる要因がいっぱいあるわけです。てんこもりです。
それは何なんだろう?と思いつつ、読んじゃう。
その割には結論はちょっとヘボいんですが、とにかく読んじゃう。
(解説で、そのヘボさに念を押されるので(笑)、解説は先に読んじゃだめです。)

しかし、「論理的で正しいけど、なぜかまったく面白くない」というミステリが多い中、
本書の展開はとっても好ましい、と私は思います。
目をみはるトリックや大どんでん返しは1つもありません。
でも、謎の提示の仕方、引っ張り、あくまでもそれらの書き方が巧いのです。
私的には読んで楽しい娯楽ミステリでした。

▼リストと言えば。

「シンドラーのリスト 新潮文庫」
(トマス・キニーリー/新潮社)

リストと言えば、これでしょう。
入荷するまで待とうかと思いましたが、まー、どこにでもありますしね。
私は未読。映画で見ました。
重い時代を描いているために、おっかなびっくりで見始めたけど、
最後まで見ることができましたっけ。さすがです。

まったくの余談ですが、
お友達が「死んだらリスト」を作っています(笑)。
「死んだら、この人にこれをあげるー、あの人にあれをあげるー」というヤツです。

▼ぼくはめいたんてい。

「なくなったかいものメモ ぼくはめいたんてい3」
※当店在庫は「ぼくはめいたんてい1〜6」のセットです。
(マージョリー・W・シャーマット:文 マーク・シマント:絵 光吉夏弥訳/大日本図書)

自称名探偵のネートの物語です。
字は大きめサイズの、
ほんとに「児童向け」のシリーズです。
でも、こういう物語で育った子供がミステリ好きになると思うんです。
ネートは名探偵らしくふるまい、そこがカワイイ。

いつも子供生活のささやかな謎をささやかに解いているネート君。
シリーズ3作目の「なくなったかいものメモ」では友人のクロードのなくした買い物メモを探すことになります。大人はすぐにわかっちゃうけど、お子様はどうかな。ちょっと推理してみてもらいたい感じです。

原題はNate the Great and the Lost List。ヨシヨシ、リストですね。ヘヘッ。
→買い物つながり

▼殺しのリスト。

『殺しのリスト 二見文庫』
(ローレンス・ブロック 田口俊樹訳/二見書房)
not for sale
心に隙間のある
殺し屋ケラーさんの長編作品。
私のお風呂本になりそうですので、not for saleです。すみません。
短篇集もとても面白かったし、殺し屋大好きだし、期待しています。
原題もズバリ、HIT LIST。

「殺しの依頼を受けたケラーは空港に降り立った。迎えの男が用意していたのは車とピストル、そして標的の家族写真だった。いつものように街のモーテルに部屋をとり相手の動向を探る。しかし、なにか気に入らない。いやな予感をおぼえながらも“仕事”を終えた翌朝、ケラーは奇妙な殺人事件に遭遇する…(あらすじより)」
→殺し屋つながり