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■箱つながり
箱の中身は何なのか、とても気になります。世界で一番有名な箱はパンドラの箱かな?
関連項目
→ミニ特集・世界文学の玉手箱

▼宝石箱、化粧箱、手紙箱。

殺意の宝石箱、恐怖の化粧箱、秘密の手紙箱(女性ミステリー作家傑作選1〜3(全3巻揃))光文社文庫」
(山前譲編/光文社)


箱にもいろいろあります。これはタイトルのみの「箱」ですが、どの箱の名前もなんとなく気にかかるし、ミステリアス。

フリージング・サマー(加納朋子)、黒い犬(桐野夏生)、ワン・ウェイ・チケット(栗本薫)、深い水(小泉喜美子)、
黒のステージ(戸川昌子)、貴船菊の白(柴田よしき)、ある老婆の死(新章文子)、
傷自慢(新津きよみ)、灰色の手袋(仁木悦子)、鏡の国への招待(皆川博子)
、弓子の後悔(宮部みゆき)、暗闇の猫はみんな黒猫(若竹七海)など。1冊に9〜10篇を収録。

※単行本「白のミステリー」、「赤のミステリー」を3分冊にしたものだそうです。
※流通中。

▼おもちゃ箱。

大高輝美のお人形 てるみのおもちゃ箱
(大高輝美/雄鶏社)

いろいろなものが入っていて、わくわくするような箱を
『おもちゃ箱』に例えることは多いです。
本書は、例えの意味でも、真の意味でも、まさにおもちゃ箱。
ま、大高輝美さんの本はすべておもちゃ箱と言えるかもしれません。

できあがりが11センチくらいのミニ人形から、
36センチくらいの抱いて遊べるサイズまで。さまざまなお人形の作り方です。
海賊、おばあちゃん、王さま、家来、おひめさま、雪んこ、茶ぼうず、
相変わらずのかわいらしさと着眼点に感服いたします。
何だってお人形になるのね。
→人形つながり

▼箱入りの本。

「赤毛のアンの手作り絵本 1〜3(夢の小箱セット)」(※便箋3、封筒1、ミニポプリのオマケ付き/鎌倉書房)

A5版。パチンパチンとホック(?)で止めるようなかわいい箱に入っています。昔遊んだおもちゃセットみたいなものを思い出す箱です。
函入りの本は数々あれど、こんなにかわいい箱に入った本は珍しい。
さらにミニオマケ付きですよ。ふふっ。

赤毛のアンの世界を手作りするための絵本。お菓子、お料理、かわいい小物、手芸。その方法、詳細、薀蓄をカラーイラスト満載で。
恐らく同内容でサイズ違いの3冊もあります。
→詳しくは(ミニ特集・手作り絵本)

▼私書箱。

「私書箱9号 ハヤカワミステリアス・プレス(ハヤカワ文庫)」
(ジャック・オコネル 松下洋子訳/早川書房)

未読のくせに、「特に絶賛されることも貶されることもない、さらっと読めるミステリーかな」
と思っていたら、ジェイムズ・エルロイが「こんなにはっとするほど独創的な処女ミステリは読んだことがない」と語ったそうです。ほー。

麻薬取締課の女刑事レノア。双子の弟は郵便局につとめている。
現在使われていない私書箱9号に不気味な小包が届けられているのを発見するが。
→郵便つながり

▼なんでも箱。

「なんでも箱」(ゼナ・ヘンダースン)※短篇
「たんぽぽ娘 海外ロマンチックSF傑作選2 集英社文庫コバルトシリーズ」の収録作)
not for sale
これを忘れていました。
なんでも箱。

「なんでも箱」かぁ。私だって物心ついた時から「なんでも箱」を持っていた気がします。
みんな持ってるんじゃないでしょうか。
いかがです?

教師である”わたし”はクラスの目立たない女の子スー・リンの変わった一面を発見します。
何か四角い箱のようなものを持って熱心に見つめているのです。
でもその箱は、見えません。スー・リン以外には見えないのです。

「わたしは心に誓ったのだった。より良いものを与えられる自信がないかぎり、今後けっして、けっしてひとからどんな信念も取りあげたりはするまいと(本文より)」

ここが一番心に残りました。

※他にもSFのアンソロジー等でこの作品を収録している本が複数あります。
特に稀少ではないはずですので、是非そちらでどうぞ。
著者がSF作家のせいかSFアンソロジーへの収録が多いですが、別段SFではないと思います。
SF嫌いのかたもどうぞ。

▼黒い箱。

「17歳の悪夢―ブラックボックス」
(バルバラ・ビューヒナー 山崎恒裕訳/ポプラ社)

ブラック・ボックスは拷問用具の名前です。
箱に閉じ込めるのだそうです。

ヒロインのフレックスは、ママの再婚に際して、引っ越すことに。
まさにその途上で、ひとりの青年を拾ったことから事件に巻き込まれます。
青年はどこかから逃げ出してきたようです。でもなんかおかしい…。

対象年齢は中学生くらいかな。
大人はさらっと読めてしまいます。
帯の言う通り、ページをめくる手は止まらず一気読みです。
それほど盛り上がるわけではありませんが、とにかく読ませるのはさすが。
人間関係や、性格の描かれ方などが、なかなかするどく、少年少女が1歩大人に近付くのに、良い読み物でしょう。
→イケてる帯ランキング

▼宝箱。

「わくわくたからばこ フェリックスのてがみ」
(アネッテ・ランゲン:著 コンスタンツァ・ドロープ:絵 栗栖カイ:訳/ブロンズ新社)

フェリックスの宝箱の中身を見せてくれる、という設定で、
小さな本の中に仕掛けがいっぱい。
パリで撮ったフェリックスの写真は、ちゃんと取り外しできます。
他に、ジャングルの花の育て方を書いた手紙、
引っ張り出す虹、
光る月、
フェリックス模様のバンソウコウ2枚。
フェリックスシリーズが好きなお子様は大喜び、なのではないでしょうか?
シリーズを読んでいなくても備品好きはわくわくできますが、もちろんシリーズを読んだ人のほうが感激すると思います。
→ミニ特集・備品のある本
→手紙つながり

▼玉手箱。

「青春の玉手箱」
(山本容子/講談社)

オフィシャル・サイトに連載されたものに加筆修正したものらしいです。
(2002年11月13日〜2003年11月28日)

山本容子さんのエッセイ。
気さくな調子で描かれているけど、どう見てもお嬢様〜な幼少時から、
キャンパスライフ、新進芸術家の頃まで。
現代のアーティストの人生として、興味深い本です。

→ヨウコつながり

他に…
『真珠母の匣 講談社文庫
(中井英夫)、『匣の中の失楽』(竹本健治)、
それから京極夏彦のアレかな。