ちょっと考えてみたら、いっぱいあってビックリしました。人に聞いてみると、聞いた人の数だけどんどん増えて行く。人気ジャンルみたいですね。
<漂流等による正統派サバイバル>、<殺戮ゲーム等に巻き込まれての死地からの脱出サバイバル>、<ミステリにおける連続殺人等で最後まで生き残った人>、サバイバルにもいろいろあります。▼4分の3漂流。
『人魚とビスケット 創元推理文庫』
(J・M・スコット/東京創元社)

ある日、新聞に掲載された個人広告。「ビスケットから人魚へ」。人魚からの応答はなく、ビスケットからの広告のみがしばらく続き、ロンドン中の話題になります。そこまでは現実にあった話らしいですよ。
著者がそこからヒントを得て書いたのが、この『人魚とビスケット』。
物語の4分の3、いや5分の4くらいは漂流しています。小さなボートで男3人、女1人。4人は本名を語らず、愛称で呼び合います。この女が人魚です。
ボートの上ですから、例えば、島での生活よりももっと苛酷。延々つづく喉の乾きと空腹とに、苦しめられる。しかも男のうち1人はインド人で、異人種間の軋轢もあり、読んでいる側はブルーな気持ちになることうけあいです(笑)。
ミステリと言うよりは、漂流小説にミステリっぽいラストのオマケ付き、と申せましょう。
▼名作古典。
『十五少年漂流記 角川文庫』
(ヴェルヌ/角川書店)

有名古典。
昔、お子様向けのダイジェスト版で読んだ記憶があります。これぞ、サバイバル。(でもロビンソン・クルーソーのほうが好きだったけども。)
この現実を離れたドキドキ感って、人類にとっては、子供の時からすでに魅力なんですかね? ちょっと不思議。
→ミニ特集・少年の日
▼こういうのも。
『暗いルアンヌの旅』
(アン・エドワーズ/講談社)

ロマンチック・スリラー、とのふれこみです。原題は「THE
SURVIVORS(生き残った者たち)」。そう、まさしくミステリーにおけるサバイバーです。
主人公ルアンヌは、昔、家族全員を亡くしています。その当時の回想を挟みつつ、現在が展開するサスペンス。読書傾向がやや古いウチのママが言うことには、『レベッカ』や『嵐ヶ丘』を思い出させる暗さが漂うそうです。
伏線、布石、が相当キマってるとかで期待。現在稀少気味。
▼今一番注目してます。
『7seeds フラワーコミックス』
(田村由美/講談社)

『BASARA』の田村由美さんの新作(現在連載中)。今、一番注目している少女マンガかも。<昨日>まで普通に暮らしていた少年少女が、目覚めると、漂流中。悪夢のような展開。
7人の少年少女には共通点もなく、なんで選ばれたのか、なんのために漂流してるのか、そして、<今>がいつなのかも分からないんです。<昨日>から随分、日が経っているらしいけど? ちょっとバレますが、じつは複数チームある!と読者に明かされるところで、物語の面白味が倍増しなんですよぅ。
ドラマチックなエピソードで盛り上げつつ、みんなががんばる正統派サバイバル。アツクなれます。
→種つながり
▼少年たちがんばる。
『漂流教室 全5巻 角川文庫』
(風見潤著 楳図かずお原作・口絵/角川書店)※小説版

ドラマ化されて、大ブレイク。
あの訳ワカンナイ感じや突拍子のなさは、最近のドラマにはありませんでしたもんね。マンガ喫茶でも原作マンガは大人気で常に誰かが読んでましたっけ。原作では、未来に漂流するのは、大和小学校です。
これは風見潤による小説版。カバー、口絵ともに楳図かずおで、原作マンガの雰囲気をとどめていますので、コレクターの方、及び、小説で読み直すのも一興と思われた方、いかがでしょう?
→ミニ特集・世界の終わり
▼なつかすぃ〜。
『ふしぎな島のフローネ 全2巻 ポケットメイツ(文庫)』
(はやしたかし/文化出版局)※小説
一生懸命見てました。
すごく好きだったなぁ。赤毛のアン、トムソーヤ、ラスカル。
またやってくれればいいのに。
フローネは本格的な漂流モノ。無人島に漂着した一家が、
サバイバルです。ろうそくを作るところなんか、すごく印象的でしたよね。
▼秀作少女マンガ。
『獣王星 全5巻 ジェッツコミックス』
(樹なつみ/白泉社)

「朱鷺色トライアングル」や「花咲ける青少年」の時から
大ロマンはお得意なわけで、
「OZ」ではさらにSF的な手腕って言うか、凄腕ぶりを見せてくれましたよね。
今回も期待を裏切らないSF大ロマンです。焦らされた末、ようやく完結。
苛酷なサバイバル大アリ。ずーっとずーっとサバイバル〜。
▼他に…
『バトル・ロワイヤル』、『パイナップル・アーミー』、
『ロビンソン・クルーソー』、『蝿の王』、『輝夜姫』、
『日曜日には鼠を殺せ』、横井さん&小野田さんの手記…
とにかく多数ですね。みんな大好き?
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