ホームへ帰るこのコーナーの目次へ

■すてきな方言(語尾)ランキング
かわいい方言が頻出する本を読んでいると、伝染しません? マネしたくなりますよね、ついつい。最近はやっぱり大河の秀吉のにゃごや弁かな。

▼やら、やら。

「蔵」(宮尾登美子)

宮尾登美子さんの小説は素敵な方言の宝庫。一番印象的なのは、「春燈」シリーズの土佐弁だと思いますが、かわいらしさで新潟弁にさせていただきました。
物語自体もいつも通りの宮尾節。怒涛の展開と情念ドラマが、延々つづく、宮尾登美子作品の楽しさてんこ盛り。読み出したら止まらないノンストップ・ドラマ小説。ドラマ化しても何の違和感もなかったですよね。
そこへもってきて、キリリと可憐な主人公の少女が、「〜する
」とか言うもんだから、私なんてすぐにマネしたくなりましたよ。「ゴハン食べるのら」とか。(←なんか用法が間違ってる。)
一番かわいかったのは「ヤダ、ヤダ」じゃなくて、「ヤラ、ヤラ」って言うところかな。
→閉所つながり

▼するだがや

「金鯱の夢」
(清水義範/集英社)

この小説、結末が二つありまして、片方が一般人向け、片方が名古屋人向け。必笑歴史パロディです。
名古屋弁が物語の大切な鍵になっています。信長も秀吉もみんなが名古屋弁なもんだから、あの光秀がねぇ…。
ところで信長さまはほんとに名古屋弁だったんでしょうか? ドラマではいつも標準語だけど? イメージに合わねーだか? 清水義範は他の作品(「蕎麦ときしめん」とかね)でも、豊富な名古屋ネタで楽しませてくれます。私もエビフリャーとか言いたくなります。
→関連して

▼あんじょウ頼ンまッせ

「聖母の部隊」
(酒見賢一/徳間書店)

地味め中華テイストが持ち味の著者の意外なSF。表題作と短編2編。
収録作の「地下街」には、
ドイツ語なまりの英語の関西弁(?)という奇怪な言葉を話すペーターが出てきます。超アホらしくてちょっと好きなんです。「地下街」はね、今から大家になろうという人が、うっかり残したバカSF(失礼)?
→関連して

▼でござるよ、にんにん。

「ベスト・オブ・ドッキリチャンネル ちくま文庫」
森茉莉/筑摩書房)

すごく言いたくなるでござるな、にんにん。
さて、森茉莉さんですが、このテレビ感想エッセイ集の中で、
「忍者ハットリ君」の「ニンニン」がイイとベタ褒め。
本当にテレビをたくさん見ていたんだなぁ、と微笑んでしまいますね。
ハットリ君は褒められてますが、
完膚なきまでにケナされている人もたくさんいらっしゃいます。
♪ござーるござるよ ハットリ君は ゆかいな味方 忍者でござる 忍者でござる♪
歌えるじゃん、私。すごいなぁ。 
→関連して

▼おまけ

他に「うる星やつら」(高橋留美子)のラムちゃんなんかも印象的。〜だっちゃ。ってね。

「傭兵ピエール」(佐藤賢一)の主人公ピエール様(フランス人)が、英語を聞いて、「なまってて訳わかんね」って言ってたのがちょっと気分よかったなぁ。英語に苦しめられた一人の日本人として。英語も単なる地方語なんじゃん、って。(あ、苦情はピエール様にお願いします)

誰が言ってたかのか、すっかり忘れてしまいましたが、南仏あたりのフランス語は、悩んだ結果、大阪弁で訳してみた。って言ってる翻訳家の方がいたように思います。(誰でしたっけ?)
何だったか訳すときに、方言をミックスして一つのそれらしい方言を作った、と言ってた方もいたような気がします。(誰でしたっけ?)
ご存じの方、お教え下さいませ。

▼なんでもランキング目次へ

■アノ人の言ってたアレランキング
あの人が言ってたから買った本。あの人がイイって言うから読んだ本。ありますよね? →関連して→セットで読みたいランキング

▼コワイ聖徳太子。

「隠された十字架」
(梅原猛/新潮社/写真左)

「日出処の天子 花とゆめコミックス」
(山岸涼子/白泉社/写真右)

聖徳太子の生涯を描く名作少女マンガ「日出処の天子」の作者・山岸涼子さんが、インスパイアされたと言っていたので、気になって読みました。そういうあの頃の少女(笑)は多いはずです。
法隆寺は聖徳太子の鎮魂の寺なのではないかという推論が「隠された十字架」には書かれています。それを読んだ山岸さんは、そこまでして鎮めなければならないようなコワイ人物なのか?と思ったとかで。
「日出処の天子」は、美しい厩戸皇子が主人公の悲しーい物語です。未読の方は是非。

▼通りすがりの人が。

「失踪当時の服装は」
ヒラリー・ウォー/東京創元社)

うちの母親が若かりし頃、書店で本を物色していると、見ず知らずの男性が、「これがオススメです!!」とすすめてくれたそうです。その後、お茶に誘われたとかの、ロマンス的展開は一切ないのですが(笑)、母にとっては準ロマンス的ないい思い出のようです。実際、この本もたいそう面白かったそうで。「そうで」と伝聞で書くのは、じつは私は未読だから。だって、どうしても寝ちゃうんですよぅ。冒頭部、かったるくないですか?
※流通中。
→必ず寝ちゃう本ランキング

▼無人島に。

「どんな恋にも美人なあたし 集英社文庫コバルトシリーズ」
(竹内志麻子/集英社/写真左)

「家ではしたくない 双葉文庫」
島村洋子/双葉社/写真右)
竹内志麻子=岩井志麻子さんの盟友・
島村洋子さんが、著書「家ではしたくない」の中で、無人島へ持って行くなら、として名前を挙げていたのがこの「どんな恋にも美人なあたし」。そんなこと言われたらえろう気になりますがな。で、読みました。正統派コバルト小説よりは、やや不良め、ヒロインの本音まるだしの一人称で、少なくとも田中康夫の小説よりは、断絶(カルチャーショック)を感じませんでしたよ(笑)。 →ミニ特集・コバルト文庫
そう言えば、「家ではしたくない」自体、本の雑誌で「百年後の枕草子」と絶賛されていたので、注目したんでしたっけ。余談ですが、この
「買った本で紹介されていた本、を買ったらそれで紹介されていた本、を買ったら…」というのはですね、収集家の陥りやすいです。無限ですから。注意しましょう。

▼通じるものが?

「オットーと魔術師 集英社文庫コバルトシリーズ」
(山尾悠子/集英社)

佐藤亜紀さんが、山尾悠子全集の月報に寄稿し、山尾悠子さんを絶賛していましたので、ははぁ、と思った次第。
それまで、まったくの未読だったのですが、突然山尾悠子に興味津々。遅い!って、自分でも突っ込んじゃいますけど。で、その全集に収められなかったことを残念がられているのが、このコバルト作品なわけです。ふっふっふ。
→魔術師つながり
→ミニ特集・コバルト文庫

▼アンチな場合もある。

「リイルアダン短篇集 岩波文庫」
(ヴィリエ・ド・リラダン 辰野隆他訳/岩波書店)

翻訳自体、別に何も悪くはないと思います(齋藤磯雄訳のほうがずっと好きですけど)。でも、森茉莉さんが辰野隆について書いていることが尾を引いて、イメージ悪すぎなんですよね。問題の(森茉莉の)元夫、山田珠樹も訳しています。
さて力量はどうなんでしょうね?っていうアンチな関心でいっぱいの私。ワイドショー的ですみません。
→関連して

▼おまけ
逆に、アノ人ならコレを何と評価するのだろう?という関心も大いにありますよね。でもこれは殆どの場合、実現しなくてランキングをするのも難しいんだ…。

▼なんでもランキング目次へ

■御夫婦ランキング(実在編)
すてきなご夫婦だなと感心する人々。今回は実在の人々にしぼりました。私が感心するのは、妻がパワフルで、夫が並外れて理解がある、という形のようですね。

▼涙。

「君について行こう」
(向井万起男/講談社)

宇宙飛行士・向井千秋さんの夫、向井マキオさんには、著書を読んで以来、感心しています。外見だけ見ていると、変な人なんですけど、さにあらず!最近はどうしておいでなんでしょうか?
彼の著書はみんな名著。こんな夫がいたらねぇ。人生は素晴らしいでしょうなぁ。まさにマイ・ベター・ハーフって感じでしょう。
向井千秋さんの旦那さんと呼ばれても平気、だってそのとおりだから、と言える彼はちょっとエライ。この題だって素敵です。なかなかそうは言えないですよ。酒井美意子さんも、旦那さんの機嫌がそれで悪くなるって言ってましたもん。
読み物としても、宇宙飛行士裏話、宇宙飛行士の家族裏話として楽しめるので、おすすめです。あの外見で食わず嫌いの方はぜひ。
→関連して・泣ける本ランキング

▼タオルを投げてくれる夫…?

「家ではしたくない」など一連のエッセイ。
島村洋子

妻たる著者は家ではしたくないそうです(大笑)。島村洋子さんのエッセイに頻出する「夫」に好感を抱く向きも多いと思います。なんとならば、「夫」は男前で、芸能人の悪口さえ口にしない心優しい人で、「わしは作文が苦手じゃけぇ、喪主の挨拶ができんから、先に死なないでくれ」と言うような人で、洋子さんが恋に疲れるとリングの外からタオルを投げてくれるような人らしいから。(この最後の辺りが変なご夫婦です。)洋子さん曰く、「死んだら二人の骨を混ぜて欲しい」くらい好きなのだそうだが、それでも家ではしたくないと言うのだから、愛ってむずかしいです。
※どのエピソードがどの作品に入っているのかは、作品数が多すぎてかぶりすぎてて、ちょっと分かりません。

▼でも離婚…。

「良いおっぱい悪いおっぱい 集英社文庫」
伊藤比呂美/集英社)

パワフルな詩人、伊藤比呂美さんの妊娠育児エッセイ。
「胎児はうんこである」─と過激に語る伊藤さんですが、そのパワフルな語りぶりは、じつに爽快。
自分が心の狭いちっちゃい人間に思えてくるんです。この脳天にガツンと来る感動は詩情と呼べるのかもしれません。伊藤さんの夫(当時)、西成彦さんの話もたくさん出てくるのですが、これがなかなか良い夫像で、「ええなぁ」と思いました。でもその後、離婚…。ええねぇと思って眺めていたら、突如離婚という御夫婦も意外に多く…。人生は深いです。
→離婚つながり
→妊婦つながり

▼じつは妻の手の中で。

「交際を考える キリンライフライブラリー」
(与謝野道子/麒麟麦酒)

与謝野鉄幹と晶子の次男のお嫁さんである著者によるものですが、鉄幹晶子夫妻の様子が微笑ましく活写されていまして、亭主関白っぽくても、じつはお釈迦さまたる妻の手の中、という夫もかわいげがあっていいと思いました。
→詳しくは…
→企業つながり

▼男前?

「浪費バカ一代」などの一連のエッセイ
(中村うさぎ)

中村うさぎさんのエッセイに登場する夫も、かわいいですね。一人目の夫とは離婚されたそうですが、二人目の夫はイイ感じです。彼女の有名な便所エピソードの只中、夫が猫といっしょに別の部屋で震えていた、っていう話、私、忘れません。
また、買い物狂の彼女が十何万もするストールを買ってきてしまったときに、いっしょに謝ってあげるから返品するようにと言ってくれた夫、ほんとにいい人です。スカートを作ってプレゼントしてくれたこともあったとか。しかも年下の男前です。
※どのエピソードがどの作品に入っているのかは、作品数が多すぎてかぶりすぎてて、ちょっと分かりません。
→お買い物つながり

▼おまけ
大原まり子さんの日記にはパソコンの問題をサクサク解決してくれる夫(岬兄悟)がよく出てきて、羨ましいです。

▼なんでもランキング目次へ

■袋綴じランキング
袋綴じのある本を見かけると、どうしても欲しくなってしまいます。中が見たいですもん。
関連項目→仕掛けのある本ランキング→ミニ特集・イエローブックス

▼禁断の書。

「法の書」
(アレイスター・クロウリー/国書刊行会)

この本の発行当時、書店で見かけてびっくりしました。だって、すごいんですよ。本の半分くらいまでガーッと袋綴じになってて、全然中身は分からない。で、帯に「いま禁断の書の封印が開かれる!!クロウリーが明かす悪魔の福音書」って書いてある。…。
しかも御丁寧に、「
封印開封後、九ヶ月後にいかなる災害・大戦争・天変地異が生じても、小社は一切の責を負いかねますので、開封にあたっては、その旨、御了承下さい。」って、袋綴じの綴じ紙に書いてあるんですよ〜。
これを見た時は買うべきか買わざるべきか真剣に悩みました。買っても開封できるかなぁと小心者は心配して買いませんでしたが、今、古本として手に取れば、すでに開封されており、別に何の天変地異も起こらなかったようで安心しました。
さて、その内容は─1904年、地球外生命体が魔術師に与えた恐るべきメッセージ。…ちょっと、ワケわかんないです。全編通してテンション高め。ともかくザ・キング・オブ・袋綴じには違いありません。

▼リアリズム?

『マイアミ沖殺人事件』
(デニス・ホイートリー/中央公論社)

捜査ファイル・スタイルの推理小説。つまり、メモやマッチの燃えさし、毛髪、供述書など、事件の資料が備品として付いており、読者は実際にそれらを見ながら、推理するんです。もちろん、さわれます。作り物と分かってはいても、「カーテンの血痕」はキモチワルイ。解答は例によって袋綴じ。何もそこまでしなくても、っていう気もしますが、ミステリ好きの心をくすぐるのは確かです。よね?同シリーズに写真右もあります。『誰がロバート・プレンティスを殺したか』(デニス・ホイートリー/中央公論社)
→ミニ特集・備品のある本

▼およよ。未開封だぞ。

「残像に口紅を」
(筒井康隆/中央公論社)

返金保証の袋綴じが、なんと未開封。初版。こういう古本を見ると、しばし物思いに耽りますよね。面白くなかったのか? 返金はいつまで保証されるのだろう?
世界から段々、文字が消えていく。具体的には、「あ」の消えた世界(章)では、「あ」は使われません。さて、最後はどうなっちゃうの?ってことで、ラストは袋綴じなんです。いかにも筒井康隆の好きそうな話ですよね。

「歯と爪」
(バリンジャー/東京創元社)

残すところ4分の1のあたりで、袋綴じになっていて開けないと先が読めません。開けない状態で返本すれば代金はお返ししますというシステムなんだけど、わたくし、開けなくても犯人はわかりましたわ(エラそう)。返本したろか、と思いながら開けて読みましたけど。だって、推理小説は最後まで読まないと肝心なカタルシスが味わえないじゃありませんか?
トリック自体はきっちりキマっているのですが、その整合性ゆえに早々にネタバレてしまうという、推理小説界に散見する本質的なネタバレ小説。ネタバレにウマイヘタは関係ないんだなぁと思う瞬間です。
→歯つながり
→爪つながり