■なんでもランキング P7


▼スクラップブック・ランキング

スクラップをする方、尊敬してしまいます。私は面倒くさくてできないんですもん。さて、中には復刻されたものもありますが、このランキングは勿論、その実物ではなくて、作家の スクラップブックが紹介されている本です。なーんだ、と言わないで。


▼竹久夢ニのスクラップブック

別冊太陽 竹久夢ニ 「別冊太陽 竹久夢ニ」(平凡社)

裏表紙折れ 1977年刊
すたれることなく、永遠に人気の竹久夢ニ。彼は本を買って来ても、気に入らないと、自分で装幀しなおしていたそうです。だからスクラップブックも、買って来たノートをすっかり改装していたんですって。すっごく大判で重たいらしいです。この別冊太陽はね、付録がいっぱいで楽しい!現在も雑誌のくせに重版になって出回っていますので、新品がほしい方は新刊書店でどうぞ。(またしても商売抜き…)
*注!肝心のスクラップブックの紹介はほんの少しです。


▼太陽 特集江戸川乱歩

太陽 特集江戸川乱歩 「太陽 特集江戸川乱歩」(平凡社)

乱歩のスクラップブック「貼雑年譜」は、東京創元社から復刻発売されましたね。お高くて手が出ませんでしたが。お金持ちの乱歩ファンだけ必携(笑)。雑誌の切りぬきや、家の間取り図など、膨大な記事を貼り込んで作られた「乱歩の生涯記録」は非常に偏執的です。 この太陽はね、見て読んで楽しい乱歩特集。アヤシイオブジェがいっぱい出てきます。店主は、女体の形をした椅子がほしくなりました。
*「貼雑年譜を読む」という4頁の特集があります 。


▼森茉莉の切り抜き。

私の美の世界 新潮文庫 「私の美の世界 新潮文庫」( 森茉莉/新潮社)

森茉莉さんもスクラップ好きと言うか、「切り抜き魔」だそうですね。西欧の男の顔、パリ美人、かわいい犬、猫。醜いものばかりのこの世でそれらを眺めて、ひとときホッとするんですって。他に、小説のイメージを喚起してくれる風景なんかも切り抜くとか。それ、見てみたいなぁ。
*「切り抜き魔」という章があります。


▼みうらじゅんの仏像スクラップブック

見仏記 「見仏記」(みうらじゅん・ いとうせいこう/中央公論社)

仏像マニアのみうらじゅんと いとうせいこうの(2人とも全平仮名で見づらいですな)仏像見物記、つまり「見仏記」。非常に愉快で大好きなんですけど、じつは店主が特に爆笑したのは、口絵頁に紹介されている、みうらじゅんの「仏像スクラップ」。まだ小学生だったみうらじゅんが、拝観チケットを貼り込み、感想を書き入れてあるというスゴイ一品。 筆文字を装った俳句っていうのがまた、店主の爆笑を誘いました。ぜひ見てください。一見の価値アリ。


▼番外編 スクラップブックじゃないけど。澁澤さんの創作メモ

澁澤龍彦をもとめて 「澁澤龍彦をもとめて」(美術出版社)

言わば「まるごと澁澤龍彦」のムック本。(季刊みづゑ1987年冬号に、新たに巌谷國士のエッセイを加えて刊行されました。) 中に、澁澤龍彦の創作ノートの写真がありまして、「高丘親王航海記」、「玉虫物語」の覚書があるのですが、これが興味深い。「高丘親王航海記」は、店主のこころの1冊なんですが、澁澤さんの創作の過程の一部が見て取れるんですよ。うふ。すばらしい思いつきメモ。よだれたらして見てしまいます。(言いすぎ?)


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▼極私的記念碑ミステリランキング

ミステリについてはコアな方がたくさんいらっしゃるのでめったなことは言えないんですが、心にとめたミステリ作品の極私的ランキングです。 基準は、映画で言うと、シックス・センスやアザーズのように、ひとことで言えるシンプルな驚き、かしら? クリスティの アクロイドと ABCと そして誰も…と オリエント急行は外しました。うーん、そう考えるとクリスティってスゴイですよね。
※だいたい大丈夫とは思いますが、微妙なネタバレがあるかもしれません。注意です。


▼被害者は誰なのか。

被害者を捜せ! 「被害者を捜せ! 創元推理文庫」(パット・マガー/東京創元社)

目をみはるような新機軸はクリスティで出尽したかなーと思っていたので、これはちょっと膝を打ちました。そう来たか。ポンッ。 犯人探しではなく、被害者探しのミステリ。 この作者はこれで気を良くしたらしく、 他に「探偵を捜せ」などの著作もあります。どれも一定のレベルで楽しめますが、やっぱり一番に読んだ「被害者を探せ」が一番インパクトありました。


▼バラバラにする理由

バイバイ、エンジェル 「バイバイ、エンジェル 創元推理文庫」(笠井潔/東京創元社)

死体をバラバラにする理由。それってなんだと思います? 怨恨、運び安くする、身元をわからなくする…。他に何が浮かびます?  私はコレ、かなり感心しました。なるほどね! スーッとスジの通ったキレイな論理で、印象に残ります。
→天使つながり


▼きれいに騙されました。

星降り山荘の殺人 「星降り山荘の殺人 講談社文庫」(倉知淳/講談社)

これは、評価が分かれるようですね。つまり、騙された人と、騙されなかった人。2種類しかない。そんな内容なんです。読む前に「騙される騙される」と言うと、身構えちゃうと思うんですが、私はそう言われていたにも関わらず、騙されましたので関係ないハズ。騙される人は騙される。そんなお話です。 「これ騙されるよ、読んでみてよ」、そうやって伝播しているクチコミミステリの雄だと思います。


▼外国語でも可能かな?

ロートレック荘事件 「ロートレック荘事件」(筒井康隆/新潮社)

映像化不能の言語トリックとな。うんうん。そのとおり。ネタバレの都合上、それ以上のことは言いにくいんだけど、ある意味で傑作。英語の翻訳をしてるとき、あるいは日本の小説を読んでいるときにも、ふと感じる疑問。それが推理小説になったんです。筒井康隆の実体験に即したトリックなんじゃないかなー。 (単行本の)カバーは透け紙なの。そこに本体のロートレックの絵が透けて見えた時、思わずジャケ買いした本。ベストセラーになったのは絶対に装幀の効果もあったと思いますね。
→関連・ビニールカバーつながり


▼バカって言われるとなぜ知りたいの?

姑獲鳥の夏 「姑獲鳥の夏 講談社ノベルス」(京極夏彦/講談社)

これが出たときの世の熱狂ぶりっていうか、脱力ぶり(笑)っていうか、あれはすごかったですよね。ミステリ史上の大事件?
私の場合も、だれか書評家がひどく脱力してて、それにもかかわらず、「いや、でも読んでみてね面白いから」って言うのを聞いて、もう絶対読まなくちゃと意気込みました。 バカミステリって言われると、どんな風にバカなのか、知りたくなるのかなぁ。 因みにカバーに綾辻行人の推薦文アリ。「『姑獲鳥の夏』を読んだこの夏の目眩くひとときを、僕は生涯忘れないだろう」…いつもながらの名推薦文。
→綾辻行人つながり


■他に「イニシエーション・ラブ」(乾くるみ)など。年々増えていくランキングの一つ。


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▼ドラマな題ランキング その1

題だけで、すでにドラマになっている。そんな本も多いです。SFに多い気がするんですが、気のせいでしょうか?
→ドラマな題ランキングその2


▼永遠も半ばを過ぎて

永遠も半ばを過ぎて 「永遠も半ばを過ぎて」(中島らも/文藝春秋)

写植工の主人公がヤクでラリって目覚めると、見たこともない文章ができあがっている。彼と詐欺師の友人は、それをユーレイの書いた小説として出版社に売り込むことを思いつく。「今夜、すべてのバーで」「ガダラの豚」の著者にしてみれば、ちょっと薄味ではあるけれど、着想がなんとも素敵じゃないですか? 題もいい。永遠も半ばを過ぎて。繰り返して陶然としてしまう良い響き。これが他の題ではこうはいかないでしょう?
→中に本が出てくる本ランキング
→幽霊つながり


▼ゲイルズバーグの春を愛す

ゲイルズバーグの春を愛す 「ゲイルズバーグの春を愛す ハヤカワ文庫」( ジャック・フィニイ カバー絵内田善美/早川書房)

ノスタルジックなSFで、古き良き時代を懐古させたら、ピカイチのジャック・フィニイの好短編集。 彼の小説に出てくる過去はいつもいい思い出に満ちて、楽しそうなんですよね。 この感動をみっちり楽しみたい人には 「ふりだしに戻る 上・下 角川文庫」もおすすめ。こちらは長篇。 また、ノスタルジックでありながら怖いという異色作「こわい」という短篇は早川の世界SF全集32に収録されていました。(ウチでは在庫切れです)


▼火星人ゴーホーム

sample 「火星人ゴーホーム ハヤカワ文庫」(フレドリック・ブラウン/早川書房)

この題を見るといつも、「マーズ・アタック」っていうアホらし系のハリウッド映画を思い出します。悪趣味でおバカなんですよ。(ちょっと好きなんですけど。) 火星人と地球人はどうしても 理解しあえないんです。 絶対無理なの。あの映画とは関係ないですよね?(すいません、未読で) あと、異国の教会を観光で訪れて自分がそう言われてる気がしたこともあります。 「異教徒ゴーホーム」って。
→火星つながり


▼歩くと星がこわれる

歩くと星がこわれる 「歩くと星がこわれる」(森雅裕/中央公論社)

題が非常に印象的。一部で熱狂的に支持される森雅裕の恋愛小説。 人気稀少本ゆえのプレミア価格で失礼いたします。 彼の著作では、「マンハッタン英雄未満」も、新撰組絡みで見逃せませんね。 森雅裕スジ、新撰組スジ、魔夜峰央(挿絵)スジ、3本スジの人気作品です。 →森雅裕著作在庫を検索


▼アンドロイドは電気羊の夢を見るか

アンドロイドは電気羊の夢を見るか 「アンドロイドは電気羊の夢を見るか ハヤカワ文庫」 P・K・ディック/早川書房)

言わずと知れた映画「ブレードランナー」の原作。 あまりにも高名で、あまりにもインパクトがあって、 あまりにも名作なので、この題はあちこちで元ネタにされていますね。 ディックはドラマな題の宝庫で、彼だけでランキング完成しそうでした。 「追憶売ります」「流れよわが涙と、警官は言った」とかですね。
→アンドロイドつながり
→羊つながり


▼時間旅行者は緑の海に漂う

時間旅行者は緑の海に漂う 「時間旅行者は緑の海に漂う ハヤカワ文庫」(J・P・オリアリー/早川書房)

店主がお風呂本にしていた1冊。 というわけで私のお風呂本日記から抜粋。 曰く、「この小説では、夢が大きな意味を持つのですが、その説明がね、『あー、なるほどね』って納得できるんです。ありそうな気がしたなぁ。夢がどうのっていう話が好きな方におすすめ。あんまりSFって感じがしない。…」 因みにあらすじでは「『エイリアンと恋に落ち、忘れられた夢の秘密を発見し、地球を第三次世界大戦から救い、自分自身を殺した』という「ぼく」の狂気じみた1年」となっています。
→タイムトラベルつながり


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