迷子になったらまずHOMEへ

▲ミニ特集の目次へ

● ミニ特集 どんな旅に出る? ●
▼旅心〜。

ふとどこかへ行ってしまいたくなることもあります。
現実的な願望なら、本を見て計画を立てるのもヨシ。
「ここではないどこかへ」行きたいのなら、本を読んで想像するだけもまたヨシ。ですよね?

○関連項目→タイムトラベルつながり→地図つながり→サバイバルランキング

▼あなたの言う、そこへ行きたい。

ヨーロッパの不思議な町 ちくま文庫 ※送料無料(巖谷國士(巌谷国士)/筑摩書房)

あの人の書いてたあそこへ行きたい!と思いがちな、妄想や夢想に生きる人にはピッタリの本。美文の薀蓄。私の思い出の地、ハンガリーも登場。あなたのおっしゃるソノ、ハンガリーに行きたい!と思いました。おすすめ。

▼短編集。

ピュタゴラスの旅(単行本)(酒見賢一/講談社)

酒見賢一さんの短編集。やや薄味ですが、意外に、いろんな持ち味を満遍なく収録しているとも言えそうです。表題作の他に4編。旅行記ではありません。ピュタゴラスは旅人、ということで。
※文庫版でも流通中。

▼お手のもの。

アジア偏愛日記(立松和平/東京書籍)

タイトル通り、アジア旅行記。さすがに、テダレと言うか、手馴れていると言うか、知りたいことはしっかり書いてくれる、親切な筆致です。
「ラクダの乳も飲んでみた」という帯がそそるぅ。

▼みんなの憧れ。

プロヴァンスの青い空と海(レディ・フォーテスキュー 尾島恵子訳/読売新聞社)

ベストセラーですよね。みんな何かそそられるところがあるんだと思います。イギリス女性の目で見た南仏、田舎。テレビの旅番組を見ていて楽しい気持ちとも似ています。時々ウマそうなもの登場。もっと登場してほしい…。

▼意外に。

オッシャレーなNY(ニューヨーク)(キャロル霜田/講談社)

笑っちゃう挿絵のせいで、軽く見がちですが(失礼)、なかなかどうして、知らなかったNYを教えてくれます。サラリーマンが何食べてるかとか、駄菓子事情とか、スーパーの試食(?)とか、コンドームとか、ミニマムすぎて誰も教えてくれなかった豆知識(ムダ知識?)がいっぱい。愉快。

▼へぇ。

上海読本(枝川公一/西北社)

1983年発行。今はどうなんでしょう? だいぶ変わったんでしょうか?
雑雑とした感じが伝わってきます。
『真正の上海』(帯より)

▼泊まるための旅。

遠い宮殿 幻のホテルへ(稲葉なおと/新潮社)

一級建築士、建築プロデューサーの著者がするのはもちろん、ホテル(泊まるところ)にこだわる旅、です。
→ホテルつながり

▼付加価値。

ミステリー風味ロンドン案内(西尾忠久 内山正:イラスト/東京書籍)

いろんなミステリーに出てくるあの場所を紹介。アレに出てくるあそこ的な言われ方をされると、単なる町並みや店もまったく違って見えるから不思議です。それは、ミステリ的付加価値。

▼こんな旅はイヤ?

どれい船にのって(ポーラ・フォックス/福武書店)

おつかいに出かけた<ぼく>は、二人の男につかまり、連れて行かれたのは、<どれい船>だった! 19世紀の海が舞台です。
→ミニ特集・少年の日

▼パリって〜!ちくしょ〜!って感じ?

ハドック夫妻のパリ見物 ハヤカワ文庫NV(ドナルド・オグデン・ステュアート/早川書房)

パリのアメリカ人。なんだかよくわかんないパリの地で、常にヒヤ汗タラリ、赤面の夫妻がキュートです。フランス語をはなせる生意気な10歳の娘もかわいい。ユーモア小説。

▼行くべし。

ハリスおばさんパリへ行く 講談社文庫(ガリコ 亀山龍樹訳/講談社)

働き者の通い女中のハリスおばさんがパリへドレスを買いに行くなり! おばちゃん版ヤジキタ。笑いと涙のシリーズ1作目。
→シリーズ在庫を検索する

▼そうだよね〜。

お気をつけて、いい旅を。 異国で出会った悲しくも可笑しい51の体験(メアリー・モリス、ポール・セロー他著 古屋美登里訳/アスペクト)

タイトルそのままです。旅先で出会う、オカシな体験談集。ユーモアを解する作家さんばっかりで、読んで楽しい1冊。旅のお供にいいかも。(重いけど)

▼佐藤亜紀ですから。

外人術佐藤亜紀/メタローグ)

あーそうよねー。って帯です。「地球歩き方」。
歩き方が肝要ですか。私のは間違ってるかもね。「佐藤亜紀の豪気で優雅な旅の手引き」。パリへ行ったらルーブルへ行かなくちゃと思い込んでる人におすすめしたい本。
→イケてる帯ランキング
※現在、定価¥1553で流通中。

▼離婚して。

ぼうふら漂遊記 新潮文庫(色川武大/新潮社)

カミさんと別れたので、何か記念にくだらないことをしようと思った男が世界の賭場めぐりをする、というお話。離婚したから何か…と考えるのは男女問わず? さて、その旅に同行するのは、知的なミセス・アン。この二人の関係がとってもよろしいです。
→離婚つながり

▼自分の場合を考える。

印象派旅人宣言(メトロポリタン出版部)

「なにをしたいのか」という視点から旅をとらえたい、という主旨の通り、こういうことをするためにどこに行くかをテーマに著名人たちがそれぞれの思いを記します。
「仕事のことを忘れたい」という大真面目な北野大から、「幻を見たい」大森望まで。
→詳しくは

▼裸の大将、ヨーロッパに行く。

ヨーロッパぶらりぶらり ちくま文庫(山下清/筑摩書房)

山下清のヨーロッパ紀行です。もう大好きです。持ち歩きたいです。読むと一瞬にしてほのぼの〜って、なれますよ。
→詳しくは

▼ヒッチハイクも。

銀河ヒッチハイク・ガイド 新潮文庫(ダグラス・アダムス 風見潤訳/新潮社)

ある日突然、地球が消滅した─。それも銀河バイパスの用地(笑)に指定されていたせいで。立ち退き命令も出ていたとか。一人生き残ったアーサーは宇宙ヒッチハイクをする。という次第。
→ミニ特集・銀河ヒッチハイクガイド

▼こっちが第1作なのかぁ。

ドリトル先生アフリカへ行く 講談社文庫(ロフティング/講談社)

ドリトル先生航海記は第2作だそうです。こっちが第1作。永遠の名作で、もちろん流通中ですが、講談社文庫版の可愛さに惹かれました。医者特集ができるなぁ。

▼やっぱりいいのかぁ。

不思議英国(波多野鷹:文 めるへんめーかー:絵/白泉社)

英国。アフタヌーンティーには憧れるけど、食べ物はおいしくないことで有名ですし、あまり行きたくない国です。でした。米国よりはマシ位の気持ちで。しかし、この本、英国嫌いを英国好きにさせる本です。楽しそうな話ばっかりだぞ〜。かの国の良さが詰まっています。

▼裸の大将、日本を行く。

日本ぶらりぶらり ちくま文庫(山下清/筑摩書房)

上のは、ヨーロッパ。今回は日本編です。ヨーロッパの時ほど、カルチャーショックはないので平和ですが、それでも清さんにとって、謎なことはいろいろとあり。清さんが不思議に思うときの推理がとても好き。イヤシ系ですよね。

▼天竺へ。

高丘親王航海記澁澤龍彦/文藝春秋)

卵の物語と言ってもいいかもしれません。これを読んだ人はみな、「そうれ、天竺まで飛んでゆけ。」と言って何か光るものを暗い庭に投げたという藤原薬子の姿を忘れられなくなるはずです。
薬子は言います。それは「未生の卵」で、天竺まで飛んでいき、50年もすれば中から鳥になった薬子が生まれてくる、のだと。
父の寵姫、藤原薬子に親しんでいた高丘親王は、長じて天竺への旅に出ます。澁澤さんの想像力と博覧強記ぶりが見事に結実した、目に鮮やかな、忘れ難い航海記。死ぬまでには読まなければならない1冊。
→卵つながり

▼ちょっと行きたいし。

ニッポン清貧旅行(東海林さだお/文芸春秋)

トラベルエッセイと言うよりは見聞記。いろいろな清貧、枯れ具合を体験したり、見聞きしたりしています。
現代貧乏旅行の章は、まさに清らかな貧乏でちょっと行きたくなりました。

▼古き良き時代のアメリカ。

ペーパームーン ハヤカワ文庫NV(ジョー・デイヴィッド・ブラウン/早川書房)

残念ながら映画「パーパームーン」は見ていないのですが、
最近の映画「マッチスティックメン」(ニコラス・ケイジ主演)を思い出しました。
あれは、娘っこがティーンエイジャーだったから、微妙な色気がありましたよね。でも、これは娘が11歳。ただただキュートです。
彼女と、父親代わりで詐欺師の中年男との珍道中。
1930年のアメリカ、古き良き時代です。えぇわぁ!
→月つながり

▼パリはやっぱり。

クレモンティーヌのフランス案内―サンジェルマン・デ・プレとコート・ダジュール(クレモンティーヌ/主婦と生活社)

あ〜、パリ行ってないんですよ〜、くぅ〜。一度だけフランスは行ったのに、パリは行かなかった。それが悔やまれるフランス案内書。
あのクレモンティーヌさんが、実際的なパリの愉しみを教えてくれます。プラス、南仏もアリ。フランス人がエラそうなのも、ちょっと納得しちゃう魅力たっぷり。
その後、新フランス案内も出たようです。そっちの方がいいかな?
→フランスつながり

▼えぇなぁ〜。

堀内誠一の空とぶ絨緞 アンアンの本 ※送料無料(堀内誠一/マガジンハウス)

童話の挿絵でよくお見かけする堀内誠一さん。じつは雑誌アンアン創刊時のアート・ディレクションをしておいでだったとは存じませんでした。へぇ。とっても旅好きな方だったようで、彼が空とぶ絨緞に乗って出かけたエーゲ海、ソ連、マグレブ、メキシコ、イタリア等々。もちろん全編、カラー写真と挿絵入。
→絨緞つながり
※定価¥1630で流通中。

▼林さん…。

こんなパリ、見たことある?(林真理子/文化出版局)

林真理子のパリ見聞記。あんまし言いたくないけど…、一番、林真理子さんが太っていた時期だと思います…。そしてバブルの頃のファッションがこっぱずかしいです。
シャネルをレポートするうち、自分もオートクチュールを仕立てたくなって、注文しちゃう林さん。フランス男と腕組んで歩いちゃう林さん。自分の写真が一杯の、こんな本を出しちゃう林さん。良くも悪くも女らしい方だったのだと、初めて知りました(ほんとに失礼、すみません)。

▼気球で行く暗黒大陸。

気球に乗って五週間 ジュール・ヴェルヌ・コレクション 集英社文庫(ジュール・ヴェルヌ 手塚伸一訳/集英社)

集英社文庫のジュール・ヴェルヌ・コレクション、売れ行きはいかがだったんでしょう? 微妙に絶版の方向ですよね。
これは全世界を熱狂させた<驚異の旅>シリーズ第1作ですって。
ヴェルヌさんの人生は1828-1905ですよ。そう考えると、その熱狂ぶりに納得し、その「夢いっぱい」なところに感心するのです。

▼須賀敦子のミラノ。

須賀敦子のミラノ(大竹昭子/河出書房新社)

※カバー表側にぽつんとしたシミ汚(画像に写っています、御確認下さい)

須賀敦子さんの人生に深く関わるミラノの地。大竹昭子さんが、そこを訪れ、彼女を知る人に会い、雑感を綴っています。写真もふんだん。
もの静かな筆致と、故人を追っていることと、須賀さんの人生の有り様とが相俟って、しんみりとした、いや、しんとした気持ちになります。

▼途中で買おうよ。

駅弁 カラーブックス718(林順信/保育社)

いつも通り、かわいい作りのカラーブックス。テーマは駅弁。日本各地の名物駅弁大集合!今見ても充分うまそうです。
駅弁は旅の楽しみのひとつ。
はぁ。おなか減ってきた〜。そして旅に出たくなる本です。

▼読みごたえ有。

つげ義春旅日記 旺文社文庫 ※送料無料(つげ義春/旺文社)

つげ義春と行く旅です。つげさんに案内してもらう日本の旅。
挿絵が一部カラーなのがすごく嬉しいー。
つげさんのマンガ「少年」「近所の景色」も収録。

▼読みごたえ有。

つげ義春流れ雲旅 旺文社文庫(つげ義春:絵・文・写真、大崎紀夫:文、北井一夫:写真/旺文社)

「幻の村」を求める旅だそうです。
場所と時代のせいもあるでしょうが、ほんのりユーモラスなのに不気味で、見たことのない風景が広がるのは絶対つげさんのせいですから! 3人の息がぴったり合っています。

▼いっしょに行こうよ!

カロリーヌのせかいのたび オールカラー版世界の童話23 ※函欠 ※送料無料』(ピエール・プロブスト 土家由岐雄・福島のり子訳/小学館)

見た瞬間、「うわっ」って思いました。これ見たことある〜。かわいい〜。
味わいがね、とてもいい。カッ飛んだ楽しさ。明るくて元気のいっぱい出る絵。ちょっとこれは、日本の風土からは出ない絵だと思いませんか? ヨーロッパの香りがするー。ビビッド、大らか。お話も自由奔放、のびのびしてる。
→詳しくは(現在トップページで一押し中)

▼いっしょに行こうよ!

カロリーヌのぼうけん オールカラー版世界の童話35 ※函欠 ※送料無料(ピエール・プロブスト 土家由岐雄・福島のり子訳/小学館)

インドの友達から手紙が来ました。「遊びにおいで、砂漠で待ってる子ライオンのキットも連れてきて」。というわけで、カロリーヌちゃんがまた旅に出ます。他に、歴史を学ぶ「ふしぎのくにのカロリーヌ」、カロリーヌがパーティを開く「カロリーヌのすてきなパーティ」を収録。

▼ホテルにて。

ルーカス・クラナッハの飼い主は旅行が好き(山本容子/徳間書店)

世の中には、文庫本ではイマイチ楽しくないという本が存在します。これなんかは正にそう。せっかく山本容子さんの豪華な挿絵が山ほど入っているんですもん。文庫版なんか買ってる場合じゃないです。
山本容子さんのエッセイ。旅の中でも、特にホテルにまつわる思い出集。
→犬つながり
→ホテルつながり

▼メキシコにて。

ルーカス・クラナッハの飼い主のメキシコ旅行(山本容子/徳間書店)

左に同じく、山本容子さんのメキシコの旅のエッセイ。もちろん絵入。
メキシコもいいけど、容子さんのパートナー氏が素敵すぎるんじゃないですかー?と、かなり羨ましくなります。ちぇ。

▼大人になった。

軽い手荷物の旅 トーベ・ヤンソン・コレクション1(トーベ・ヤンソン 冨原眞弓訳/筑摩書房)

ムーミンのヤンソンさんの大人向け短編集。
紹介文がいまいち納得できません。「幼いおとなのための珠玉の短編童話集」じゃないでしょう。がっつり大人向け、大人の読む普通の短編だと思います。
例えば、表題作。「軽い手荷物で旅に出るのが夢」、そう思って船旅に出たのに…。おかしみのある、大人の旅妄想です。

▼はりぼてと。

ペンギンカップル―ジョーとサリーの世界漫遊記(ヴィリー・プフナー/文藝春秋)

要するに世界の観光地をバックに、ペンギンのはりぼての写真を撮ってあります。そんな写真集。
でも、玖保キリコさん(寄稿)の言う通り、それは「豊かな無表情」。ペンギンが旅を楽しんでいるように見えます。どうして私がこれを先にやらなかったのだろうと思う1冊。

▼ただ旅を旅する。

海とサルデーニャ―紀行・イタリアの島 ※難有り、ご注意(D・H・ロレンス 武藤浩史訳/晶文社)

ただ旅を愛する人のハシリなんじゃないかしら? 名所旧跡、一切不要。わざわざあまり知られないサルデーニャ島を旅して、旅すること自体を楽しんでいます。
「名所見物は腹の立つほど退屈である。幸いなるかな、見所のない町よ(本文より)」、ね、これって、粋な旅雑誌の見出しみたいじゃない? ロレンスがこんな人とは存じませんでした。

▼魔都?

異都発掘―新東京物語 集英社文庫(荒俣宏/集英社)

「オブジェ・ツアー」と「イメージ・ツアー」に分けて東京を巡ったり妄想したりしています。荒俣さんが当時まだお若いからでしょうか、今よりなんだかパワフルな印象ですが、知的なのは変わりません。
軍事都市としての東京、地下都市としての東京、快楽都市としての東京、等々、ネタが尽きることはないようで、ギッチリ語られ、興味深い写真もいっぱいあります。
私は装飾都市東京が好きかな。東京の建築物に隠れたカドゥケウス紋章! そそられます。
一読と一見の価値アリ。

▼こんな風に案内されたい。

サルビア東京案内(セキユリヲ:図案 木村衣有子:文/ピエ・ブックス)

谷中、神田、神楽坂。デザイナー、セキユリヲさんの目で切り取った東京案内。こんな東京なら行きたいかも。千代紙や和菓子の型。デザインのある風景。美食の老舗。
47都道府県でそれぞれこういう本を出すといいんじゃないでしょうか。
池波正太郎さんの随筆に百万回登場する「竹むら」の「揚まんじゅう」の写真もアリ。くぅー。たまらんねぇ。どうせなら粟ぜんざいの写真も載せて欲しかったよ。
小さくて薄いけど、ちょっと持っていたい、と思わせる本です。

▼笑う。

この方法で生きのびろ!旅先サバイバル篇(/文藝春秋)

以前にとても笑わせてもらったこの方法で生きのびろ!旅先サバイバル篇。表紙の絵はもちろん、車が断崖から落ちかけているとき(の対処方法)です。
ないないない!と思いながら熟読してしまう本。そして笑える本。

▼処女長編か。

暗い旅 新潮文庫 ※難有り、ご注意(倉橋由美子/新潮社)

純文学。
「他者との自由な関係を認めあった恋の突然の破綻─“かれ”の失踪。“かれ”を捜しに暗い旅へと出発した“あなた”の心は失われた愛を求めて過去へ内部世界へと退行してゆく(あらすじより)」

私には野中ユリのカバーデザインが好きであることと、最近なぜか稀少傾向であることしか言えることはないです。

▼センチメンタルジャーニー。

旅からさようなら(高柳佐知子/河出書房新社)

フリカとカゼキさんとスティルさんとレンくんが、いっしょにイギリスの田舎の写真集を作るために旅をする、という設定のもと、高柳佐知子さんらしい優しい絵に、詩がつけられていきます。フリカは失恋中なので、恋の詩です。
詩の合間に、物語も進行します。物語のある詩集です。

絵はモノクロです。

▼ちょっと野山まで。

草色の切符を買って(岸田衿子 古矢一穂:花の絵/青土社)

地味〜だけどとても良い本です。岸田衿子さんのエッセイ集。「上・信国境に近い六里ケ原周辺について書いたものを中心にまとめた」ということですが、簡単に言うと、草花、樹木の出てくるエッセイ集です。
草木にめぐらせる思いも、思い出も静かで優しい。絵も美しい。しみじみ良い本。自然の好きなおばあちゃんとかにプレゼントしたいもんです。

▼いっそ留学。

ドルチェビータ(仮)(大川ミセ/四谷ラウンド)

著者は、大学卒業後、2年間の会社員生活を経て、渡仏。現在パリ在住。でも本書はフィクションなんだって。
フィクションとは言うものの、大学卒業後、2年間の会社員生活を経て、渡仏した27歳の女の子の、一人称の軽い筆致の、パリ生活記録ですから、相当ノンフィクションだと思われます。お金が足りない話や、パリの日本人留学生の話、恋人の話、食べ物の話等々、リアルです。意外な面白さアリ。

▼架空の町へ。

ミステリマガジン 1978年7月号 No.267 特集:架空の町、幻想の町へ(早川書房)

特集が架空の町、幻想の町へ、ということで、セント・メアリ・ミード村(ミス・マープル)、ライツヴィル(エラリイ・クイーン)、アイソラ(87分署)、バーナード・クロシング(ラビ・スモール)のイラスト地図や、それに寄せる短文があります。
フィニイ「五番街のバス」も収録。作品も良くてフィニイらしいし、いかにもテーマに合ってるし、嬉しくなります。

▼今で言うスピンオフ?

クネッケ博士のおかしな旅 絵本の絵本9(小林信彦作 小林泰彦絵/偕成社)

オヨヨ大統領シリーズの、今なら「スピンオフ絵本」とでも呼ぶところでしょうか。
クネッケ博士の元助手に迫る刺客を倒すため、助っ人探しの旅。

▼むやみやたらにうまそう。

パンをめぐる旅 スーザン・セリグソン 市川恵里訳/河出書房新社

世界中、パンのあるところを旅しまくっています。パンの旅エッセイ。章ごとにパンのレシピ付きで、グルメ本としても楽しく、紀行文としても楽しい、なかなかの良書。

▲ミニ特集の目次へ