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どのページが好き?
『綜合折紙集 第三集』(フレーベル館)

前書きに「各幼稚園・保育園先生方の指導参考用として編集したもの」と書いてあります。フレーベル館が、幼稚園の先生のために作った教材のようです。
奥付に発行年の記載はないのですが、昭和20〜30年代でしょうか。 「折り紙・はり紙・絵画の三体綜合によって編集された」とある通り、折り紙のみではなく、絵や貼紙で作品を補ってあります。

綜合折紙集
こんな感じ!
まぁ〜可愛い〜。
どのページを開いても楽しく、子どものように「どのページが一番好きか」を決めたい気持ちになります。絶対。
因みにこれは私が一番好きな「ハンドバッグ」のページ(笑)。
折り紙はもちろん実際に折ってあるわけだし、絵の部分は印刷ではなく描いてあるし、何部製作したのか分かりませんが、相当手間がかかった教材です。誰かがこれを作ったのだと思うと愛しさもひとしおです。(第一集の在庫もあります。→検索してみてください。 ※第二集は売り切れ。)

→鞄つながり

 

きらっと光る。
『ポケットストーリー1 モーニング・コミックブック1』(森雅之/講談社)

森雅之さんのコミック。1って書いてあるから1巻目。
でもこれは1冊だけ持っていてもかまわない、短篇集です。
「ポケットに入るような小さな話」ということですって。
(本のサイズも小さくしても可愛いかも! 品薄だし文庫化熱望!※1

夏に読めば爽やか、冬に読めばホッコリ暖かい、とっても良いご本です。
長くても8ページの短篇、時にはたったの1ページの短篇の中に、人生のイイトコが詰まっています。
ささやかで、大事な思い出。人生の中のきらっとした小さな光。
読んでて、最後にはなぜかちょっと泣きそうになりました。
私の人生でも確かにあったあの瞬間を丹念にすくい取って見せてくれる、私はすっかり忘れてた。そんな気持ちになるからかなぁ。
今もそこにあるのに背を向けて生きてる、そんな気分になるからかも(いや背を向けてないけども!)。
→ポケットつながり


※1 形式にこだわらないのであれば、電子書籍で全3巻を読めるようです。え〜。どうしよう。

 

アンソロジーに入れる!
『せかいいちきたないレストラン―ぶたのポーシュのものがたり コーキであい文庫』(小沢正 織茂恭子絵/コーキ出版)

小沢正さんの短編童話集です。全5編。
もし、私がアンソロジーを編むことがあったら、
この童話集の、どれでもいいや。どれかを何かに入れるね!
そのくらい、全編、何かで一押ししたい傑作童話です。
ぶたのポーシュさんが主人公。ポーシュさんが出会う変わった動物たちのお話です。
ポーシュさんはお役所づとめをしている大人です。変わってるのは他の動物たち。

「ねことマント」は、ちょいホラーな味付け。「ねずみくんのチョッキ」や「おおきなかぶ」など、
子どもの大好きないわゆる「天丼」系の名編ですが、もちろん大人も大好き。
「せかいいちきたないレストラン」は煽情的なタイトルに、大人なオチ。ラストのポーシュさんの独白が深い。
多分、子どもにはなんのことかわからないと思う。子どもに聞かれてもうまく説明する自信はない(笑)。
その他、「しゃしんのもぐら」「ゆめをうるルピック」「まほうのベンチ」を収録。もぐらとルピックは特にSF風。
「ゆめをうるルピック」は、きっと創作の苦しみのことを言ってるんだと思うな。
全編、著者の才能のきらめきを感じるわくわくする展開と、ポーシュさんの大人な見解が光ってて、
心に残ります。

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定期購読したかった!
『 ペーパームーン 創刊号(第1巻第1号、'76SPRING)』(新書館)

新書館の季刊雑誌「ペーパームーン」創刊号です。「メルヘンとホビーがいっぱいのマガジン」と書いてあります。ニヤニヤしてしまいます。
表紙はもちろん、宇野亜喜良。
収録作品も素晴らしく、寺山修司「赤糸で縫いとじられた物語(イエスタデイ)」(8p 挿絵:上野紀子)、入江麻木「お菓子の時間(トレビアンな午後四時のクッキー・デイト)」(2p)、高橋康也「ルイス・キャロル詩集:アリスはぼくの妖精」(6p)、中井英夫「まぼろし音楽会(兄とレコードと友人たち)」(2p)、林静一「憂鬱なモモ子」(8p)、須永朝彦「夜の狩人たち 吸血鬼小説について」(2p)、伊東杏里「あんりとぱうろの小さな喫茶店 お引越の巻」(2p)などなど。
一番独創的だったのは、「星旅行」と名づけられた星占いかも。私の獅子座のところには「もしかすると七月にラブ・チャンスあり。マンディアルグの『黒い美術館』を読んでおいて」と書かれていました。マンディアルグの『黒い美術館』か!
因みに、牡羊座はジャック・プレヴェールの『パロール抄』、蠍座は金子光晴『風流尸解記』をすすめられていますよ。なんか…すごくマニアック。あんまり無いよね、この感じ。

定期購読申込書が付いていて、激しく「ぜひ購読したい!」と思いました。いいなー。リアルタイムで読んだ人。季節ごとにこれが届いたら、どんなに楽しかっただろう…!


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