まだまだあるよ。本に出てくるおいしい食べ物目次はこちらへ

猫の食べ方。
『猫を食べちゃう本!?』(星野みなみ/双葉社)

著者の星野さんは猫好き、料理好きが高じて猫をモチーフにした料理を作るようになった、ということで、カバーの目玉焼きは「めタマ焼き」。こんな料理の数々をカラー写真で見られます。もちろんレシピ付き。でもレシピじゃなくて、アイディアがすべてですよね。
猫が好きな方はそれだけで食い付いてくれると思うんですが(笑)、そうじゃない方もナメてはいけませんよ。キラリと光るアイディアで見せてくれますから。

ん〜、例えば私は、カバーの「めタマ焼き」より「おいニャりずし」が好きです。コレね→。
「ほっこりほろふきニャイ根」も好きです。どんなんだと思うー?
レシピ29種。一見の価値有りです。かなり売れたようですので、古本価はお安めで。

→猫つながり

それは私のことか?
『孤独のグルメ 扶桑社文庫』(久住昌之原作 谷口ジロー絵/扶桑社)

短篇集。主人公は井之頭五郎さんです。
残念ながら彼には惚れません(笑)。いえ、見た目がどうとかではありませんよ。見た目はまぁまぁイイくらいですが、なんと言っても彼は私なのですから。
いつも井之頭五郎さんは腹をすかせており、何を食べようか考えています。心の中で。そのモノローグで進行します。ひたすらに食べ物及び飲食店と対峙し、考え込んでいます。彼は独りぼっちです。
そしていつも別段、物語に格別なオチはありません。食うだけ。考えるだけ。
彼は食べることが好きなだけで、美食家ではありません。そんな彼の姿にものすごく共感を覚えるのは私だけはないはずです。「せっかくここに来たなら、あそこの○○買って帰らなくちゃ」とか「コレとコレでごはんを全部食べられた。ってことはもう一皿コレは余計だったな。この2品とゴハンだけで満足できる店だ」とか、「これはうまいのかうまくないのか、買うか買わないか」とか、もう永遠にそんなことばかり考え続けられるタイプの方、仲間がここにいますよ〜。
ありがちな失敗(買いすぎ、いまいち)をしてる姿にも同類の魂を感じます。餃子とやきそばを前に、なんでこの店にはゴハンがないのかと、懊悩してる姿が一番の共感箇所でした。
物語の体裁はハードボイルドなせいか、「逃亡者」の医者や、マスター・キートン(浦沢直樹)や、ゴルゴ13を連想します。が、食べてるだけです。事件皆無(笑)。

※流通中。

→ミニ特集・それは私のことか?

金沢が好きになる。
『金沢そして能登 四季との語らい』(室生朝子/主婦の友社)

その土地その土地の、季節の食べ物ってありますよね。当地方、今の季節だと香箱蟹(コウバコガニ)です。これが出まわり始めると、なんとなくそわそわし、「買わねばならん」という気になります。小さな蟹で、お腹の中に蟹ミソと、卵を持っています。脚の身も繊細な味わいで、私は蟹の中ではこの蟹が1番好き。
うちは、祖母も母もコテコテの石川人(と言うか金沢人)で、私もあまりココを離れたことがありません。だからもう習慣も何もかも身にしみついていて、何が加賀らしいのか、すでに分からない。香箱を買って、鱈汁作って、鱈子を炊いて、甘海老の御刺身を食べ、甘海老の頭は甘辛く炊く。鰯はキトキト、お刺身もウマイよ〜。
室生朝子さんは(金沢にお住まいではありませんでしたが)、御両親の故郷のものとして、それらを見て感じてこられたからか、そういうことを半ば珍しそうに、半ば親しげに、そして自慢気に、取りこぼさず、ちゃんと書いてくれるんです。読んでいると、昔からおばあちゃんがしていたこと、言っていたこと、作ってくれたもの等、四季折々の思い出が、その空気を伴って鮮やかに甦りました。写真は少ないのにね。
いいなぁ、金沢。
ここにある金沢は楽園のようです(笑)。金沢に行きたくなりました。すぐ行けるけど(笑)。
昭和55年の本ですが、今もあんまり変わりませんとも。

→金沢つながり

笑いが止まらない。
『チョコレートブック―好きだからたべたい』(サンドラ・ボイントン 神津カンナ訳/CBS・ソニー出版)

クスクス笑いが止まりません。絶対笑えますって。
チョコレート好きによるチョコレートの本はたくさんありますが、こんなん初めて。
チョコの種類とか歴史とかレシピとか、
そんなんじゃありませんよ! 違います。いや、そんなんもあるけど、違うんです(笑)。
チョコ好きがチョコで遊び倒した、これぞほんとのチョコ本です。まずは何も知らずにまじめな顔で読み始めてほしいところだけど、どーしよっかな〜、ちょっと教えちゃおっかな〜(笑)。
私のお気に入り箇所。
・ 一体中味は何なのだ…「箱詰めになっているチョコレートは中味が何か分からない場合が多い」「ただひとつ助かるのは、製造者がスポーツマンシップならぬチョコレートマンシップにのっとって、チョコレートの上にヒントを書いてくれているということだ。なぐり書き程度のものだが大いに参考になる」(ここで、四角いヌガーチョコの上にチョロっと書かれた模様のイラスト。それが箱詰めチョコによくある模様で笑えます)「それでも皆目見当がつかないというのなら仕方がない。古くからあるやり方だが、まず指を出してその指を片っ端からチョコレートに突っ込んでみる。なめてみておいしくないのは箱に戻せばよい」
・ チョコの品評会…「全国的に行われた味の品評会でチョコレート愛好家たちは目隠しをして有名5ブランドのチョコレートの味を比べるよう求められた。その結果?」「4人のうち3人は目隠しをされたことにひどく憤慨した」(4人目がたくさん食べたみたいです)
著者は文もイラストも書いています。イラストレーターさんなのでしょう。うまいです。

→チョコつながり

見たい、食べたい。
『映画を食べる 河出文庫』(池波正太郎/河出書房新社)

生粋の映画ファンではなく、1に読書、2に読書、3、4がなくて5に映画?程度の気持ちの人は、映画評論家の映画評ではなく、好きな作家の映画評を当てにするのが1番良いようだ、最近はそう思っています。
作家さんや漫画家さんは、映画が本業ではないので、「余裕がある」のです。純粋な愛情からの感想。楽しみとしての感想。それでいて、ご自分の創作作法は持っておいでですから鋭く、着目点が面白い。
池波さんの場合、年代的に今となっては古典が多いですけどね。いっそ古典の映画ガイドと思えばいい。

本書、全268頁の、前半は映画随筆とも言うべきエッセイ集で、後半には「映画日記」が収録されています。
○○を見た、○○を食べた、そんな日記。そりゃまぁ映画日記ですから、食べた感想の方が短いけど、見たのと食べたのが同じテンションで、思わず微笑みます。池波さんのそういうところが好き。
ミュージカル「メイム」を見て、いい気分になって柳橋の洋食屋でエビフライ、ウイスキー。その後チキン・ライス。
「タワーリング・インフェルノ」を見て、仔牛のクリームソース、バターライスを食べて帰宅。夜ふけてから、松島のカキで雑炊をつくる。そんな日々。
あぁ、あなたについて歩きたい!
※¥798で流通中。
※映画に出てくる食べ物の話ではありません

→池波さんといえば

好きだった人。
『食と薔薇の日々 1・2巻 ジェッツコミックス』(松苗あけみ/白泉社)

私の好きな人は、みんな遠くに行ってしまい、振り返ってもくれなくなります…。
なーんてね。
好きな漫画家さんの話ですよ。
私の好きな漫画家さんは、みんな偉くなって、寡作になって行きます。昔はあんなにたくさん描いてくれたのにー!
まー、しかしこっちもいい大人ですからね。ちょっとよそ見したりもしてましたよ。その間にまた、こんな楽しい作品を書いていてくれたとは! イェー! 平成13年の作品かぁ。今の今まで気付かずにいてすみません。
まかない飯の天才・小畑米ちゃんがヒロイン。美食会社の社長なのに味オンチの和菓子(わかこ)さん、そしてワケありの元美食評論家・白州一穀の織り成す美食ラブコメ。
まず第一に、白州一穀さんが好きです(笑)。
なんでこう進歩がないのかな、私は。白州さんの過去も好きだし、今も好き。流されやすくてアンニュイな年かさの男を描かせたら天下一品ですね、松苗さん。
第二に、貧乏由来の食いしん坊、ヒロインの米ちゃんにシンパシーを感じました。もしかして仲間…?
第三に、和菓子さんが素敵です。セレブな美女で、味オンチ。ラーメンが好物。見た目は一番イイのにギャグ担当です(笑)。
毎度楽しい大御所のラブコメに美食がてんこ盛り。最近
小田島先生のことを忘れていた、大人の女性に。

初夏によい花のサラダ。
『マスタードをお取りねがえますか。─男の料理コラム33』(西川治/河出書房新社)

本を読んでいて、著者に同類の魂を感じたり、腹心の友だと思えたりすることは、非常なる喜びです。
西川治さんに、私、すごく同類の魂を感じるんですけど、いかがなものでしょう。
「まーた男の料理の薀蓄かよ〜」と、初めは斜に構えて見てたんですけど、「いやいやいや! これは!」と、正座しましたもんね。
食べ物に関するコラムが33こ。そのタイトルだけで、良さが伝わると思います。「たんぽぽのお酒」、「生ニシンは、空を見ながら食べる」、「ステーキを焼ける男のいる街」、「フィリップ・マーロウがシャンパンをぬく」、「ぼくは昼に、火星人を食べた」、「ただ、蛸のことだけが気がかり」、「花びらを食べる女の子」、「お前の種は大きすぎる」、「ママのアップルパイはねえ」などなど。タイトルにも滲んでいる詩情が素晴らしいー! 中でも「花びらを食べる女の子」に出てくる「初夏によい花のサラダ」のレシピは是非試したいです。クローバーやデイジーの花びらや、すみれの蕾などで作る、本当の花のサラダ。もちろん「たんぽぽのお酒」のレシピも!
「夏を閉じ込める魔法つかいのように、ぼくは飲みたいときに夏を飲むことができるのだ」って、あなた何ですか、天才ですか。そうですか。惚れるわ〜。妻の話が出てきて、ちょっとガッカリ(笑)。
久しぶりに、「キューッ」となった本です。
世界各地の食の話題で、旅情もあり。

→ミニ特集・どんな旅に出る?

西川治さんと言えば、私はこの本(→)でしか知りませんでした。料理本は多いようですね。今度からチェック対象です。

「夢色の風にのる猫」(熊井明子文 西川治写真/サンリオ)

熊井明子さんの猫の詩集。しかし、西川治さんの猫写真がかなり良くて、他とは一線を画しています。
→猫つながり

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